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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ストライカー、ウインガー、プレーメイカー…イーサン・ヌワネリの最適ポジションは?

プレミアリーグで3ゴール、チャンピオンズリーグで2ゴール、カラバオカップで3ゴール。開幕を17歳で迎え、18歳になる前に8ゴールを決めたイーサン・ヌワネリにとって、2024-25シーズンは最高の1年だったといえるでしょう。公式戦29試合8ゴール1アシスト。プレミアリーグにおける90分あたりのドリブル成功3.9回は、6.8回という驚異の数字を叩き出したジェレミー・ドクに次ぐリーグ2位です。

ミケル・アルテタ監督の当初の起用法は明確でした。プレミアリーグでは徐々に出場期間を増やし、カラバオカップはスターティングメンバー。ヌワネリはチャンスを活かし、ボルトン戦とプレストン・ノースエンド戦でトータル3ゴールを決めています。この2試合のパフォーマンスがなければ、チャンピオンズリーグのデビューはもう少し遅くなっていたかもしれません。

11月6日のインテル戦で欧州初登場。年内のリーグとCLは、すべて途中出場でしたが、12節のノッティンガム・フォレスト戦でプレミアリーグ初ゴールを決めています。右サイドのスターリングに預けてニアに走り込むと、優しい折り返しを左足でプッシュ。ボルトン戦でもトップチーム初ゴールをアシストしたスターリングは、ヌワネリ覚醒の仕掛け人のひとりといえるでしょう。

チームの主軸として活躍するようになったきっかけは、年末のブカヨ・サカの負傷リタイアでした。序盤戦は右のインサイドでプレイする機会が多かった17歳は、右のウイングに定着し、カットインからファーを狙うミドルが増えていきました。今季のヌワネリのベストゴールといわれると、マン・シティ戦の美しいミドルと返すグーナーが多いのではないかと思われます。

これまでは素晴らしいのひとことですが、真価が問われるのはここからです。ヌワネリを取り巻く環境は、最高の学習機会であるとともに、最悪の競争の場です。ブカヨ・サカとウーデゴーアとのポジション争いで戦えるといえる選手は、モー・サラー、ブライアン・エンベウモ、コール・パルマーぐらいではないでしょうか。

イングランド代表でレギュラーのウインガーと稀代のプレーメイカーとのバトルは、個々の能力だけでなく連携のクオリティも勝負のポイントとなります。結果を出し続けなければ、アルネ・スロットのチームでくすぶっているエリオットや、22歳にしてマン・シティでのプレミアリーグ先発ゼロのジェームズ・マカティーのようなストレスを味わうことになる可能性があります。

カラバオカップのクリスタル・パレス戦を控えたプレスカンファレンスで、ヌワネリの評価と起用法を問われたアルテタ監督は「左右のアタッキングハーフと右ウイング以外にも、成長できるポジションはある」と答え、9番という選択肢を挙げていました。ボルトン戦の速攻からのフィニッシュや、PSV戦の豪快なワンタッチゴールを見ると、指揮官の見解にうなずかされます。

しかし今季のショットMAPを見ると、ブカヨ・サカより外からの比率が高いのが気になります。プレミアリーグの46本中、ボックス内から38本のサカに対して、ヌワネリは17本中8本。CLでは11本中7本がミドルレンジです、デクラン・ライスよりゴール前に現れる頻度が少ないレフティは、プレイの幅を広げなければ、得意のカットインを徹底的にケアされてしまうでしょう。

4月になれば、サカが戻ってきます。プレミアリーグは残り9試合、CLは最大で5試合。最終盤のゲームは、来季のポジションや役割につながる重要なステージといえるでしょう。ウインガーか、プレーメイカーか、ストライカーか、バックアッパーか。伸びしろたっぷりの18歳がどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から楽しみです。


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