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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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あの夜の輝きはデクラン・ライスだけじゃない!ルイス=スケリーの驚愕のプレー選択と凄いスタッツ!

Declan Rice, we got him half price!」。アーセナルがレアル・マドリードに3-0で圧勝した夜。スタンドのグーナーたちは、チャンピオンズリーグ史上初めて、ノックアウトラウンドでFKを2発決めたMFを称えるチャントを叫び続けました。「オレたちはアイツを半額で手に入れた」。移籍金1億500万ポンドのデクラン・ライスはそれほどの価値があるという主張に、思わずうなずいてしまいました。

2006年のエミレーツのオープンから19年。最高のゲームは、5-1でペップを下した2月の一戦だと思っていました。18歳のルイス=スケリーがプレミアリーグ初ゴールを決めた後、17歳のヌワネリが完璧なミドル。4連覇の絶対王者を5発で沈めた爽快感に加えて、ハーランドの同点ゴールから7分で連発という展開も登場人物もドラマティックで、アルテタの真髄ともいえる快勝でした。

しかし今、最高といえる瞬間はアップデートされたようです。美しい弧を描いて右隅に突き刺さったデクラン・ライスのダブルは、チャンピオンズリーグの激闘のエピソードとして歴史に刻まれるでしょう。ハイテンションのグーナーたちの絶叫とチャントを聞きながら、こんなことも思いました。半額のヒーローと同じくらい、移籍金ゼロのヤングスターも称えたい、と。

18歳194日だったルイス=スケリーは、チャンピオンズリーグ準々決勝に出場したイングランド人選手として、史上2番めに若かったそうです。最年少レコードは、同じピッチで苦しそうな表情を浮かべていたジュード・ベリンガム。アーセナルの偽SBのパフォーマンスは、レアル・マドリードのプレーメイカーを凌駕していました。

9月にトップリーグデビューを果たしたばかりの49番が辿った7ヵ月は、選ばれし者の足跡です。初めてのイエローは、エミレーツのマン・シティ戦でデビューする直前のラヤへの怪しい伝言で、初ゴールも最強王者との必勝の一戦。PSVと戦ったCLのラウンド16ファーストレグで初アシストを記録すると、イングランド代表ではデビュー戦ゴールを決めています。

CLの大一番で驚かされたのは、ワールドクラスが揃う欧州王者に対するリスペクトがゼロだったことです。最初に唖然としたのは、サカが右サイドでキープした44分。アラバを抜くのは無理と判断した7番がトーマスに戻し、左脇でパスを受けたルイス=スケリーは、モドリッチとロドリゴを一気に抜こうとしました。フツーの18歳なら、ありえないプレー選択です。

1-0となった67分のチャンスメイクも、驚愕のひとこと。デクラン・ライスからパスをもらうと、ヴィニシウス・ジュニオールとカマヴィンガを次々にドリブルでかわし、バルベルデの股間を通す絶妙なパスでマルティネッリとミケル・メリノの3連発を演出しました。後ろからプレッシャーを受けながらカマヴィンガと対峙したら、抜いてやろうとは考えないのがフツーでしょう。

75分には、ミケル・メリノのきれいなゴールをアシスト。あれほどボールを前に進めながら、パス成功率95%は凄すぎるスタッツです。レアル・マドリード戦を勝利に導いたのは、2ゴールと決定的なシュート2本のデクラン・ライスと、果敢に勝負し続けたルイス=スケリーという左サイドの勇者たちでした。彼らに加えて、2本のFKを獲得したサカも忘れてはいけませんね。

百戦錬磨の曲者が揃う中盤で大暴れのルイス=スケリーは、サンティアゴ・ベルナベウでも、初戦と変わらず攻めの姿勢を貫いてくれるのではないでしょうか。アストン・ヴィラ(?)とのセミファイナルも楽しみ…いや、その話は再度ムバッペやベリンガムを封じてからにしましょう。油断できない強敵ですが、千載一遇のチャンスを活かしてもらえればと期待しています。


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