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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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パスワークとデュエルは格段に向上!ヤクブ・キヴィオルは売るべきか、残すべきか?

アーセナルのサポーターたちが選ぶ4月のMVPは、68%という圧倒的多数の支持を得たデクラン・ライス。レアル・マドリード戦のFK2発は、クラブの歴史に残る快挙といえるでしょう。今回ノミネートされたのは、プレミアリーグで5戦4発のトロサール、サンティアゴ・ベルナベウで決勝ゴールのマルティネッリと、ガブリエウの穴を埋めたヤクブ・キヴィオルでした。

ウィリアム・サリバとコンビを組んだポーランド代表CBは、堅実な守備と前線へのフィードが評価されたのでしょう。レアル・マドリードとのCL準々決勝では、ホームでは的確なパスワーク、アウェイでは左右からのクロスへの対応と、異なる最重要ミッションをクリアしました。プレミアリーグのスタッツを見ると、彼の貢献度が格段に高まっているのがよくわかります。

2023-24シーズンは20試合1ゴール3アシストで今季は14試合1ゴールですが、出場時間は945分と847分で、さほど差はありません。90分あたりの数字を比較すると、パスとデュエルに関するスタッツが大きく進化しています。昨シーズンは44.5本だったパス成功本数は60.0本に増え、成功率は85.8%から87.0%とほぼ変わらず。ロングフィードは2.0本から6.0本と3倍になっています。

デュエルも確実によくなっており、90分あたり3.8勝が6.5勝にUP。勝率も58.0%から68.4%と格段に高まりました。1.5勝だった空中戦は3.0勝で、こちらも勝率58.3%から75.0%と強度を増しています。レロイ・サネに翻弄された昨季チャンピオンズリーグのバイエルン戦のイメージが強く、放出候補と考えていたグーナーからも「見直した」という声が挙がっているようです。

トランスファーマーケットに関するニュースを見ると、ボーンマスのディーン・ハイセンがターゲットとされています。左右両方の足を同じように使えるCBが来て、2年めのカラフィオーリがよりフィットすると、キヴィオルの出番は激減してしまうかもしれません。セリエA復帰という噂もありますが、売却は妥当なのでしょうか

「サリバとガブリエウが残留する」という条件付きではありますが、直近2年のパフォーマンスを見ると、本人がOKなら残ってもらったほうがいいのではないかと思います。最大の理由は、成長を続けているから。長短のフィードの質が高まっているだけでなく、チームメイトとの連携もスムーズになっており、さらなる進化を期待できるのではないでしょうか。

「物静か、控えめ、内向的」といわれる性格は、ガブリエウと比べると弱点のように映りますが、かつてのコーチたちは「芯が強く、戦うことを厭わない」と評価しているそうです。語学力が向上したからか、周囲とのコミュニケーションも活発になっているように見えます。目下の課題は、「厳しいプレスへの対応」「守備時の押し引きの判断」でしょう。

ビルドアップ時に強いプレスを受けたとき、サリバやSB、アンカーとどう連携するのか。レアル・マドリード戦とクリスタル・パレス戦のサリバのミスに直接関与したわけではありませんが、相棒をフォローする動きが増えると、チームとしてのパスワークのクオリティがさらに上がるでしょう。そうなれば、得意のロングフィードもより活かせるのではないかと思われます。

直近のパリ戦とボーンマス戦で気になったのは、バルコラ、ゴンサロ・ラモス、ワッタラに背後のエリアを使われたシーンです。前に出てインターセプトするのか、下がって対応するのか、判断のスピードが上がれば、来季はガブリエウを休ませる試合が増えるはずです。本日はパリとのセカンドレグ。スペースを見つけるのがうまいアタッカーとの勝負に注目しましょう。(ヤクブ・キヴィオル 写真著作者/Chabe01)


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