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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マンチェスター・ユナイテッドの新守護神セネ・ラメンズが記録した欧州No.1のスタッツとは?

マテウス・クーニャは17発、エンベウモは20発、シェシュコは21発。トランスフォーマーケットに2億ポンドを投じて、昨シーズンの公式戦トータル58ゴールという強力な前線を手に入れたら、フツーのチームのサポーターは盛り上がるはずです。オールド・トラフォードのテンションが上がらないのは、就任から9ヵ月経った指揮官の戦い方が一向に進化しないからでしょう。

アーセナルとの開幕戦はセットピースからの失点で敗れたものの、優勝候補をシュート数22対9と圧倒しており、期待を抱かせる船出でした。しかしフラムとのアウェイゲームは1-1のドロー。マテウス・クーニャのコントロールショットがポストを叩き、ブルーノ・フェルナンデスがPKを打ち上げてしまうなど、優勢だった前半にリードできず、ポイントをロストしてしまいました。

リーグ2(4部相当)のグリムズビーにPK戦で敗れたカラバオカップは、ニアに打たれたシュートを弾き切れなかったオナナが、ショートコーナーからのクロスでパンチをミスしたのが致命傷となりました。0‐2から追いついたのは89分。後半からガチンコのメンバーで戦ったのに、オープンプレーからのゴールはエンベウモの個人技のみで、苦闘の継続を予感させる敗戦でした。

3節のバーンリー戦でようやく初勝利を遂げたのですが、ブルーノ・フェルナンデスの決勝PKは追加タイム7分というぎりぎりの時間でした。先制はオウンゴールで、2-2に追いつかれたのはロングスローからのシュートをバユンデュルがファンブルしたからです。オールド・トラフォードで昇格チームを相手に、これほど苦戦するとは思いませんでした。

開幕からの公式戦4試合で1勝1分2敗。6ゴールの内訳を見ると、オウンゴール2本とセットピース、PK、エンベウモの2ゴールで、連携から決めたシーンは未だありません。6失点の半分は、アリソンやラヤなら止めていたでしょう。課題とされていたセットピースと中盤のパスワークを改善できなければ、取りこぼしを減らせず、中位以下に埋もれてしまいそうです。

GKが変わり、つまらないミスでビハインドを背負う試合が減れば、自信をもって戦えるようになるのでしょうか。マーケットのデッドラインデーに1820万ポンドで獲得したセネ・ラメンズに、否応なく注目が集まります。ロイヤル・アントワープでプレイしていた23歳のベルギー代表について、「BBC」のウミール・イルファン記者がストロングポイントを解説していました。

昨シーズンのスタッツで、最も注目すべきはショットストップに関する数字です。セーブ数173は、欧州の主要10リーグでNo.1。セーブ率77.4%を超えるGKは、プレミアリーグにはひとりもいません。セメンズが対応したシュートのxGは66.4で、実際に失点となったのは48。マイナス18.4は、欧州で2位だそうです。

ベルギーのジュビラー・プロリーグでのパフォーマンスをチェックしてみると、最大の特徴は前に出る意識が強いことで、ストライカーとの1対1でアングルを狭めるスプリントに迷いはありません。瞬発力に自信があるからか、ゴールラインから離れてセーブするシーンが多く、イングランドでもトップクラスのショットストッパーをめざせる素養があります。

サイドからのボールに対しても積極的に前に出ており、クロス阻止率13.2%も昨シーズンの欧州の主要10リーグで1位です。CKではジャッジミスもあり、ゴール率9%は凡庸な数字ですが、17.2%だったアンドレ・オナナを越えてしまうことはないでしょう。ビルドアップでは両足を使えるものの、左足のキックと右に蹴るロングフィードは精度が落ちるようです。

ビルドアップでのプレスが厳しく、セットピースでのボディコンタクトも強いプレミアリーグに慣れてくれれば、GKで悩まなくてすむようになるのではないかと期待しています。若い守護神を獲得したマンチェスター・ユナイテッドは、トラブゾンスポルとオナナのローン移籍で合意したと伝えられていますが、行くか残るかは本人に委ねられているそうです。

残留したとしても、ラメンズが早期にフィットすれば出場機会は激減するでしょう。新たなGKが機能し、最終ラインと中盤センターのポジショニングが向上すれば、フリーで決められるシーンを減らすことができます。マンチェスターダービーでいきなりデビューか?カメルーン代表のファイナルアンサーと、ベルギー代表の立ち上がりに注目しましょう。


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