2025.09.11 選手トピックス
開幕から3戦で4アシスト!素晴らしいパートナーを得たジャック・グリーリッシュに完全復活の兆し!

2023-24シーズンはプレミアリーグ20試合3ゴール1アシスト、昨季は20試合1ゴール1アシスト。度重なる負傷とリハビリの遅れ、コンディション不良、パブ通い報道などが続くなかで、ペップの信頼を徐々に失い、クラブワールドカップではメンバーから外されてしまいました。2025年1月の「トレブルを達成したときの彼ならほしい」という言葉は、警告でもあったのでしょう。
過去2年の不振の原因を戦術的に紐解いてみると、左サイドで孤立するシーンが増えたのが最大のポイントでしょう。最終ラインから長いパスが届くと、アンカーやインサイドのMFとは距離があり、グヴァルディオルは背後でフォロー。後ろに出すか、中央に持ってアンカーに預けるかの二択では、持ち味は発揮できません。
グヴァルディオルが外からオーバーラップすれば、縦のパスでラインの裏を取らせたり、おとりに使ってカットインしたりすることができます。しかしシュートに自信があるSBは内側から直線的に上がるプレイを好み、中盤からそこにパスが出れば、外で待っているグリーリッシュは不要になってしまいます。
昨シーズンは、10月末からの公式戦で1勝2分7敗というチームの絶不調も逆風となった感があります。最終ラインの混乱と歩調を合わせるように、チャンスを創れなくなったウインガーは、後半戦に入ると出番が激減してしまいました。復活の糸口をつかめないまま、ひと足早くオフシーズンに入った10番は、移籍以外に選択肢がない状況に追い込まれていました。
いざ移籍となると、ビッグ6のターゲットはマテウス・クーニャ、ギッテンス、ロドリゴ、エゼ、ガルナチョ。30歳になろうとする不振のFWに手を差し伸べるクラブはありません。厳しい環境のなかで、エヴァートンは最善の選択だったのではないでしょうか。ポジションかぶりのエンディアイエを右にまわすというモイーズ監督のアイデアは、さっそくブライトン戦で的中しました。
1-0で敗れたリーズ戦は71分からの出場で、記念すべきヒル・ディッキンソン・スタジアムでのホームゲームが初先発。23分にデューズバリー=ホールのパスを受けたグリーリッシュは、ボックス左でヴィーファーをかわすと、ファーに走り込んだエンディアイエにぴったりの高速クロスで先制ゴールを生み出しました。
2点めは52分、グイェのパスがグリーリッシュの足元へ。ボックス左に流れてきたデューズバリー=ホールは厳しいと見て、後ろにいたガーナーに預けると、強烈なミドルがニアポストをかすめてネットに突き刺さりました。新スタジアムで初めてのプレミアリーグに2アシストという足跡を刻んだニューフェイスは、3節のウルヴス戦でもすべてのゴールに関わっています。
マイコレンコがゴールの左脇にクロスを入れたのは7分。グリーリッシュが頭で中央に送ると、アグバドゥのマークを外したベトが難なくヘディングを決めました。2点めは33分。デューズバリー=ホールとのワンツーで抜け出したグリーリッシュが、フリーのシュートをジョゼ・サにセーブされた直後、左サイドで奪い返した18番から二次攻撃が始まりました。
ボックス左でパスを受けたベトが後ろに落とすと、2度めのワンツーは関係が逆で、グリーリッシュのパスからデューズバリー=ホールが縦に出ました。グラウンダーを左足でプッシュしたのは、やはり右にまわったエンディアイエ。デューズバリー=ホールが左から決めた55分のショートカウンターも、ドリブルで上がったグリーリッシュの縦のスルーパスが決め手でした。
3試合で4アシストは、もちろんリーグTOP。過去2年の自身のトータルを上回っています。今後、楽しみなのはセットピースです。2019-20シーズン以降、グリーリッシュはプレミアリーグで485回のファール数を受けており、ぶっちぎりのNo.1。昨季のエヴァートンは、セットピース100回あたりの5.9ゴールがTOPで、相性は抜群といえるでしょう。
エヴァートンのゴールシーンを見ていると、アシストしたグリーリッシュに周囲の選手が集まってくるのが印象的で、既にリスペクトされているようです。デューズバリー=ホールという素晴らしいパートナーを得て、孤独ではなくなったベテランFWは、イングランド代表への復帰もめざせそうです。昨日は30歳のバースデーでしたね。おめでとうございます。次節のヴィラ戦でも、絶妙なラストパスを!
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