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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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進化か、革命か、あるいは暴走か。アーセナルの最狂SBティンバー&カラフィオーリの凄いスタッツ!

進化か、革命か、あるいは暴走か。フルバックというポジションは、相対するウインガーを封じつつ、時折オーバーラップしてクロスを上げるのが仕事ではなかったのでしょうか。オレクサンドル・ジンチェンコが偽SBとしてセンターでプレイし始めてから、多様なタスクを求められるようになったアーセナルのSBがとんでもないことになっています。

プレミアリーグ2025-26シーズンの7試合で、2人合わせてシュート23本で3ゴール3アシスト。あらためて試合の映像を見ても、スタッツをチェックしてみても、ユリエン・ティンバーとリッカルド・カラフィオーリはクレイジーというしかありません。カラフィオーリのシュート14本と、ティンバーのオンターゲット5本は、いずれもプレミアリーグのDFでNo.1です。

ティンバーの最初の爆発は、2節のリーズ戦でした。先制ゴールは34分、デクラン・ライスのCKをヘディングでコースを変えて右隅へ。前半終了間際にボックス右にきれいな縦パスを通してサカのゴールをアシストすると、56分のCKではこぼれ球をプッシュし、2ゴール1アシストを記録しました。これが合図だったかのように、その後は攻撃的なプレイが増えていきました。

ニューカッスル戦の59分には、デクラン・ライスがゴール前に浮かしたボールに走り込み、決定的なヘディングをニック・ポープにセーブされています。ラインの裏にするすると出てボトマンに競り勝てたのは、2トップのようにギョケレスの脇にいたからです。ウェストハム戦では、開始早々にウーデゴーアのスルーパスで抜け出し、きわどいシュートを連発しています。

その後もしばしば最前線でプレイしていた24歳のSBは、65分にはズビメンディの縦パスを受けてディウフをかわし、PKをゲットしました。xG(ゴール期待値)1.9はギョケレスに次ぐチーム2位で、チャンスクリエイト9回もデクラン・ライスに3差の2位。「WhoScored」のレーティングは7.63という高い数字で、上にいるのはハーランド、セメンヨ、クドゥス、カイセドだけです。

ティンバーが「偽2トップ」なら、カラフィオーリは「偽トップ下」でしょうか。いや、自由すぎるポジショニングで攻めのバリエーションを広げているレフトバックは、「偽」を通り越して「変態SB」と称えたくなります。開幕節のマンチェスター・ユナイテッド戦では、左からのCKをファーで押し込む決勝ゴール。リーズ戦では、ややラッキーな2アシストが付いています。

ノッティンガム・フォレスト戦でエゼとギョケレスが決めた鮮やかな速攻も、きっかけは自陣にいた彼の絶妙なロングフィードでした。マン・シティ戦では左から3本のシュートを放ち、ウェストハム戦の45分にはボックス手前からの一撃を右のポストに当てています。ティンバーが打つ直前まで歩いていたのですが、来ると読んでスペースに入る動きはストライカーのようでした。

カラフィオーリの1試合あたりのシュート2本は全体の17位で、彼以外のTOP20は全員ストライカー、ウインガー、攻撃的MFです。ティンバーがパスを出した位置を示すチェックボードを見ると、右サイドのあらゆるエリアを埋め尽くしており、カラフィオーリはズビメンディやウーデゴーアの持ち場まで浸食しています。

進化か、革命か、あるいは暴走か。今やアーセナルのフルバックはプレミアリーグで最強…いや、「最狂」といえるでしょう。2年前に前十字靭帯を損傷したとは思えない進化を遂げたSBのせいで、ベンチで過ごす時間が増えたベン・ホワイトには、「あなたが悪いのではない。戦う相手が悪かったのだ」というしかなさそうです。


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