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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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モスケラ、インカピエ、カラフィオーリ…負傷したガブリエウの穴を埋めるCBは誰なのか?

プレミアリーグ171試合110勝27分34敗。2020年9月にリールから移籍したガブリエウ・マガリャンイスは、過去5シーズンのプレミアリーグで64%という高い勝率に貢献しており、ウィリアム・サリバとのコンビは最強と評されています。一方、欠場した30試合は12勝10分8敗で勝率40%。昨シーズンの順位テーブルにあてはめれば、8位のブライトンのすぐ下というレベルです。

最悪のニュースが届いたのは15日。ブラジル代表のメンバーとして、セネガルとのフレンドリーマッチに出場したガブリエウは、64分に右の太腿の内側を押さえてピッチを離れました。痛めたのは内転筋か。検査の結果待ちと伝えられていますが、現地メディアの多くは「2025年の試合に出場できるかどうかは疑わしい」とレポートしています。

ノースロンドンダービーからバイエルン、チェルシーと難敵が続くタイミングでのリタイアは、激痛というしかありません。これまでの戦績をあてはめると、年内のリーグ戦は3勝3分2敗で、マン・シティにかわされて後半戦を迎えることになりそうです。ただしこれは、「昨シーズンまでのスカッドだったら」の想定です。今季の彼らは、最終ラインも層が厚くなっています

ビッグ・ガブの穴を埋めるのは誰か。考えられる候補は、クリスティアン・モスケラ、ピエロ・インカピエ、リッカルド・カラフィオーリです。まずはノースロンドンダービー。アルテタ監督のこれまでの用兵から考えると、左サイドで機能しているイタリア代表をいきなりコンバートするという選択はないでしょう。最終ラインを一気に2枚変えることになるからです。

カラフィオーリをセンターに配する可能性があるのは、CLのクラブ・ブルッヘ戦からウルヴス、エヴァートンと戦いやすい相手が続く12月中旬でしょう。ガットゥーゾ監督のイタリア代表に召集されたフルバックも、コンディションに問題を抱えており、12年ぶりのワールドカップ出場を賭けたモルドバ戦とノルウェー戦をスキップしています。

だとするとモスケラか、インカピエか。まっすぐ考えればインカピエこそが、このために獲得した選手です。モスケラを起用するなら、サリバを休ませたいウルヴス戦や、カラバオカップのクリスタル・パレス戦が妥当でしょう。「アスレティック」でアーセナルを担当するジェームズ・マクニコラス記者は、「今こそインカピエのチャンス」といっています。

これに対して、「スカイスポーツ」のサム・ブリッツ記者は自説を主張せず、それぞれの懸念点を挙げるだけに留めています。インカピエはプレミアリーグの先発がゼロ。アーセナルでの5試合のうち4試合はレフトバックです。CBとして唯一の先発はカラバオカップのブライトン戦で、モスケラとのフレッシュなコンビは6本のオンターゲットを許しています。

インカピエのプレミアリーグ出場は26分ですが、モスケラは7試合で294分。入団以来の経験値を重視するなら、リヴァプール戦とノッティンガム・フォレスト戦で評価を高めたスペインU-21代表で決まりです。しかし彼は、失点につながるミスを犯したニューカッスル戦以来、プレミアリーグとチャンピオンズリーグの先発がありません。

サリバとコンビを組んだのは、カラバオカップのポートヴェイル戦のみ。ポゼッション81%のハーフコートマッチは実績とはいいづらいのですが、サリバの脇でプレイしたことがないインカピエに対してはアドバンテージです。いきなりでもうまくはまりそうなレフティか、既にフィットしている逸材か。アルテタ監督は、レフティを優先するのではないかと思われるのですが…。

いずれにしても、ガブリエウ不在という大ピンチは、新戦力の経験値を高め、チームの成長を促すチャンスでもあります。若いCBたちが堅守を引き継ぎ、2位以下との差を広げることができれば、年明けには大本命と評されるようになっているはずです。移籍が発表されたとき、「必要なのか?」と議論になったインカピエに、辛口の記者を沈黙させる活躍を期待しましょう。


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