イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「すべてを台無しにするのは悲しいこと」モー・サラーについて語ったウェイン・ルーニーの言葉。

「既に居場所を確立しているから、ポジションを勝ち取る必要はないという傲慢な考えを通したければ、毎週最高の状態をキープしなければならない。私がチームメイトなら、今回の発言には全く納得できない。今こそが、リヴァプールが彼を最も必要としている時だからだ。むしろ彼の言葉はリヴァプールを犠牲にしている」

「彼はリヴァプールにとって恐るべき存在だけど、あの発言はチームメイト、監督、ファンへの敬意を欠いている。おそらくトレーニングでは、とても静かなのだろう。それ自体が、アルネが定着させようとした新戦力にネガティブなエネルギーをもたらしてしまう。彼は今後、数年のうちに、あの言葉を後悔するに違いない。リヴァプールでのレガシーを完全に破壊している」

最新のポッドキャストでモー・サラーについて語ったのは、ウェイン・ルーニー。マンチェスター・ユナイテッド時代にサー・アレックス・ファーガソンと何度も衝突し、「トランスファーリクエストを出した」「移籍させようとしているのかと直談判した」などと報じられたレジェンドは、苦い記憶が脳裏をよぎっていたのかもしれません。

「アルネ・スロットは権威を示すべきた。彼を呼びつけて『君は遠征に同行しない。発言は許されない』と伝えなければならない」といったときは、あの頃のボスが記者に向かっていい放った「クラブより偉大な選手など存在しない」という言葉が頭の片隅にあったのでしょう。「監督との確執を解消するか、リヴァプールを去るしかない」といわれれば、ただうなずくのみです。

ルーニーはプレミアリーグで183ゴール93アシスト、サラーは188ゴール88アシスト。彼らのゴール&アシストは、奇しくも同じ数字です。両者ともに、プレミアリーグの歴史のなかで最もクラブに貢献したといえるレジェンドで、最も恵まれた選手でもあります。「すべてを台無しにするのは悲しいこと」とリーグの後輩を諫める言葉には、共感や同情も込められているのでしょう。

彼がリヴァプールに入団したのは、8年前の6月でした。ユルゲン・クロップという最高の理解者に、右ウイングという最適なポジションを与えられ、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、アレクサンダー=アーノルド、ジョーダン・ヘンダーソン、ヴィルジル・ファン・ダイクといった素晴らしいパートナーたちとともに、獲得できるすべてのタイトルを手に入れました

マージーサイドの情熱的なサポーターたちは彼を愛し、彼もリヴァプールとアンフィールドを愛していました。オールド・トラフォードでサポーターの声援を背中に浴び続けてきたウェイン・ルーニーは、「今こそ、ずっとリスペクトしてくれた人々の顔を思い出してほしい」といっているのでしょう。

レッズでプレイするようになってから3度めといわれる自ら求めたインタビューには、甘えが感じられました。指揮官を非難し、リチャード・ヒューズSDの暗躍を匂わせながらも、救いの手を差し延べてくれる可能性があるチームメイトと経営のトップに関しては、ネガティブな言葉を使わなかったのです。

一時の激情にかられて指揮官やSDを非難しながらも、決定的なボタンは押さないという理性が働いていたなら、ルーニーの忠告を受け止めて自ら動いてほしい。今ならまだ、間に合います。チャンピオンズリーグのインテル戦のメンバーからは外れたものの、スロット監督は「彼が発言した理由を知る必要がある」と理解を示し、「いつでも戻れる」と明言しています。

「モーを愛している」「彼には状況を好転させる力がある」と語ったアリソンが「ロッカールームはいい状態」「チームのメンバーはアルネ・スロットを全面的に支持している」といったのは、非を認めてスムーズに戻ってきてほしいと願っているからでしょう。ルーニーやアリソンの思いは、彼の心に届くのでしょうか。もう一度、いいます。今ならまだ、間に合います。(ウェイン・ルーニー 写真著作者/Станислав Ведмидь)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す