ウィルシャー、シェルヴィ、ロス・バークリー。正念場を迎えた「未完の大器」にもう1度期待!
将来を嘱望された10番にブレーキをかけたのは、度重なる負傷です。2011-12シーズンは全休、2014-15のプレミアリーグ出場はわずか14試合、翌シーズンは3試合。過去6シーズンの負傷離脱日数をカウントした「スカイ・スポーツ」は、895日を数えたウィルシャーがついにアブ・ディアビを抜いたと話題にしました。「カソルラがいないと中盤が脆弱になる」といわれるようになったアーセナルは、2016年の夏にグラニト・ジャカを獲得し、負傷から復帰したウィルシャーは居場所を失います。ガナーズの顔となるべき大器が、ボーンマスにレンタルされて32番をつけて戦う姿など誰も想像できなかったでしょう。エディ・ハウ監督のチームでは27試合に出場したものの、ゴールゼロに対して「Hit Woodwork」すなわちバーやポストにシュートを当てた回数が5回もあり、堂々のプレミアリーグ3位です。ボーンマスではいいときと悪いときの差がはっきりしており、彼がポジションを高く取りすぎたために後ろに負荷がかかって守備が崩壊する試合も目立ちました。ワールドカップを控えた今季は、正念場です。数年前の輝きを取り戻せなければ、次の移籍はレンタルではなくなるでしょう。
ニューカッスルのジョンジョ・シェルヴィは、リヴァプール時代からチェックしていた選手です。2012-13シーズン、21歳のときにプレミアリーグ19試合に出場しながらレギュラーにはなれず、翌シーズンにはスウォンジーに移籍。ここで32試合6ゴールと中心選手になったときは、ピッチを広く使うパスワークを活かしてイングランド代表に定着するのではないかと期待しました。しかし、翌シーズン以降は伸びきれず。彼もまた調子の波が激しい選手で、悪いときはセントラルMFにも関わらず極端にボールを触る回数が減ってしまいます。2015年の冬にニューカッスルに移籍し、昨季はチャンピオンシップで過ごした25歳は、今度こそプレミアリーグで存在感を示すことができるでしょうか。そろそろ勝負の時期。ここで結果を出さなければ、台頭してきた若い世代に飲み込まれる可能性大です。
さて、私がこの記事を書く動機となったロス・バークリーですが、「デイリー・ミラー」がエヴァートンの8番のトッテナム移籍交渉について報じています。ポチェッティーノ監督と本人は相思相愛ながら、「移籍するためには、サラリーの要求額を下げなければならない」といわれているあたりが彼の現状を物語っているのではないでしょうか。移籍金とサラリー引き下げを狙っているといわれるスパーズが悠長にみえるのは、競合するクラブが顕在化していないからだと思われます。重戦車のようなドリブルと正確で鋭いシュートが目を引いたのは2013-14シーズン、20歳のとき。2015-16シーズンにはプレミアリーグフル出場を果たしているものの、年を追うごとにマーケットで話題にならなくなったのは、プレイにムラがあるからでしょう。
ロベルト・マルティネス元監督に「セントラルMFとして育てたい」といわれていたロス・バークリーが、運動量と粘り強い守備をキープできれば、スティーブン・ジェラードの背中が見えてくるのではないでしょうか。ハリー・ケイン、デル・アリ、エリクセンという3人のスターと同等のサラリーは払えないといわれた未完の大器が彼らと肩を並べるために戦う場は、移籍交渉のテーブルではなくサポーターが詰めかけたウェンブリーです。おそらく、最終的にはスパーズ入団が決まるでしょう。秋になったら、チャンピオンズリーグで強烈なミドルシュートを突き刺し、フットボールの聖地を沸かせていただければと思います。
鮮やかに追い抜いたデル・アリやララナに、もう一度勝負を挑むのは誰か。エリック・ダイアーやヘンダーソンを押しのけて、ワールドカップで主役を張る者はいるのか。好調時は、思わず涙が滲んでくるほどの素晴らしいパスやシュートを披露してくれるMFたちに、あらためて期待したいと思います。がんばれ、誰よりもジャック!
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更新ご苦労様です。
ジョンジョのレッズ時代はジェラードの後継者になるかもしれない逸材として期待しておりましたが、ご指摘の通り波が激しいのと、メンタル面課題があるかなと思います。時折豪快なシュートを決める事はあったんですがね、、、。かつてファーガソンに喰ってかかったシーンは忘れられない一コマですね。
私もマルティネスのバークリーのセントラル化にはかなり期待していました。比較的プレッシャーが少なくパスの出し手の多いセンターがバークリーの攻撃面が活かされると思ってましたが、記事にも書かれているように運動量と守備が向上してきませんでした。
正直、今のバークリーを欲しがるクラブがあるのには少し驚いていました。特にバークリーにない運動量や守備などが求められるスパーズの関心ならなおさらでした。ですが、バークリーにとってはある意味チャンスであるようにも感じました。生え抜きの選手がいなくなるのは寂しいですが、このまま中途半端に終わる彼もみたくないのでスパーズに挑戦して欲しいと個人的にはそう思います。
今はトムデイビスに心を持っていかれてるのでバークリーがいなくなっても平気たど自分に言い聞かせています。
「偏プレ」をチェックするのは、Man Utd. の熱烈なファンであるにもかかわらず我がガナーズ(だけでなく他のチームすべて)に対する敬意を絶えることなく示してもらえるからにほかなりません。
ジャック・ウィルシャーこそアーセナルのアイデンティティと思いながら7割諦めてしまっている自分が情けない。退団の可能性も十分にありますが、引退するまでは応援し続けたいと改めて思った次第です。
ウィルシャーがボーンマスで高いポジションを取っていた理由は高い位置でパスを捌ける選手がいなかったからです。スタニスラスの負傷でウィルシャーからの縦のラインが失われてから、彼が前に出張らないと、なかなかチャンスが生まれませんでした。その後ハウが試行錯誤して今の形がありますが、高い位置を取りすぎて守備がというのは、チーム事情を鑑みれば仕方ない部分があるということは添えて欲しかったです。