数字で見るとやはり凄い!稀代のアシスト王メスト・エジルを最も活かせる戦い方を考える。
プレミアリーグ公式サイトは、もうひとつの偉大な記録をリスペクトしています。50アシスト達成にかかった試合数は、137のエジルが最速とのこと。「エリック・ザ・キング」カントナが143試合、クラブのレジェンドであるデニス・ベルカンプは146試合。セスク・ファブレガスは165試合、デヴィッド・ベッカムが170試合。今季の7アシストは「不振」といってもいいぐらいの数字で、デブライネ、レロイ・サネ、ポグバ、ダヴィド・シルヴァに続く5位ですが、オーバメヤン、ラカゼット、ムヒタリアンといった決定力の高いチームメイトと起こす化学変化が期待できるエジルが、最後は頂点に立つ可能性は決して低くはありません。
さて、エジルの残留が決まり、新しいアタッカーが2人加わったアーセナルは、どんな戦い方を選ぶのでしょうか。今までの延長線上に新しい布陣があるとすれば、3バックとベジェリン、メートランド=ナイルズの左右までは変わらず、中盤センターにジャカとウィルシャー(ラムジー)、エジルとムヒタリアンの前にオーバメヤンという3-4-2-1です。プレミアリーグ25試合9ゴールのラカゼットを、オプションの一番手とする贅沢なフォーメーション。無難ではありますが、これはラカゼットとオーバメヤン、アレクシスとミキが入れ替わっただけで、新戦力が前任者を大きく上回らなければ目に見える改善はないということになります。
大きく変わるなら、4バックの前にエジル、ジャカ、ウィルシャー、ムヒタリアンが並び、オーバメヤンとラカゼットを両方活かす4-4-2。1990年代後半からの強いアーセナルが採用していた布陣で、右にラムジーを配してエジルをトップ下に置く4-4-1-1にもスムーズにスイッチできます。マンチェスター勢やリヴァプールと同じ4-3-3はあるでしょうか。アンカーにはエルネニーあるいはウィルシャー、2枚のインサイドMFはエジル、ジャカ、ラムジーのローテーション。ウイングにはミキとウェルベック、ラカゼット、イオビ、最前線はオーバメヤンといった並びです。しかし、プレミアリーグでこのフォーメーションを選ぶチームは、スターリング、サネ、サラー、マネ、マルシアル、アレクシス・サンチェスといった強力なサイドアタッカーを擁しています。ウォルコットやアレクシスを放出して、中央への志向が強い選手を揃えたクラブが選ぶ形ではないように思います。
適材適所なら2トップですが、守備がやや不安。今までと同じ布陣なら守りに人数はかけられるものの、25試合34失点でプレミアリーグ4位に8ポイント差をつけられた戦い方を肯定しても明るい未来はないでしょう。私は、エジルのキラーパスの出しどころが多い2トップに期待しています。ガナーズに、現状維持から始めるなどという余裕はないはずです。昨季プレミアリーグで7位だったエヴァートンは、25節終了時点で11勝8分6敗でした。得点40失点27で、得失点差は13。現在のアーセナルと勝ち点差は1しかなく、得失点差ではエヴァートンが上回っています。つまり、今のアーセナルは、ヨーロッパリーグにストレートインできなかったクラブと同水準の数字しか残せていないということ。今までを一旦否定して、変わることを志向してもいいのではないかと思います。いっそ、エジルのやりやすさ重視でいかがでしょうか。全勝するぐらいでなければチャンピオンズリーグ出場権に手が届かない今、気にすべきリスクなどどこにもありません。
(メスト・エジル 写真著作者/Anish Morarji)
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エジルほどのゲームメイカーなら、勝ち馬に乗ることも、より高額なサラリーのために出て行くことも出来たはずですが、
まさしく「自らの未来をチームに託した」この決断の勇敢さと潔さは、プロフェッショナルの理想形の1つと思われます。何という魅力的な選手…!そして、それをしっかりと受け止めているベンゲル監督もさすがです。
この2人の未来にどうか花道を。
と書いた後、すみません、次の週給ランキング記事を拝見して見方が少し変わりました…これだけ貰えば、残ってもいいかなと思ったでしょうね!笑
まぁそれでも、キャリア全盛期にチャピオンズリーグ優勝したいでしょう。クラブの魅力さえ引き上げる、得難い選手です。
アイクさん>
残ってくれてよかったですよね。アレクシス・サンチェスがいなくなったことは、選手とクラブにとって契約更新に向かうトリガーとなったのではないかと思ったりもします。穿った見方かもしれませんが。