13ヵ月の戦いの末に…26歳でピッチに別れを告げたライアン・メイソンに捧げる言葉。
試合は5分間中断され、ケーヒルは立ち上がりましたが、ライアン・メイソンは担架に乗せられてスタンフォード・ブリッジのピッチを後にします。トッテナムでプロデビューを果たしたセントラルMFにとって、プレミアリーグ69試合めとなるこのゲームが現役最後の舞台となるとは想像できませんでした。私は、ハル・シティが健闘したスリリングな試合に没頭し、長い中断と25歳のMFのことは記憶の隅に押しやっていました。ハーフタイムには明らかにダメージが残っていたケーヒルは、最後まで試合に出場し、81分にはダメ押しの2点めをゲットしています。ライアン・メイソンが頭がい骨骨折という深刻な状況を抱えていたことを知ったのは、試合が終わって数時間経ってからでした。
14枚の金属板と42本のクリップ…ダメージを受けた直後の適切な処置と大手術によって最悪の事態を回避したライアン・メイソンは、「生きていられたのが幸運だった」とコメント。長期間にわたるリハビリを経て、夏にはトレーニングに戻ったと伝えられていたものの、現役を続行できるかどうかは不明ともいわれていました。その頃には、いずれ悲しいニュースを受け取ることになるのだろうと覚悟していました。同じ時期に、いちばん身近な人間が左手首の粉砕骨折という悪夢に見舞われ、1年3ヵ月という長い治療の末に手の機能は元通りにはならないことがわかったからでもあります。ライアン・メイソンは、もうヘディングをしてはいけないのだろうと思いました。
2018年2月13日、26歳のMFが引退を発表したというニュースが届きました。「長年ともにプレイしてきた全てのチームメイトに感謝しています。いいたいことは尽きません。みんなと一緒にいられたのは特別なことでした。イングランド代表に選ばれたのも、誰も奪うことができない名誉です。負傷してから13ヵ月、ピッチに戻るためにあらゆることをやってきました。だから、胸を張って現役を引退することができます。トップレベルのフットボールをすることに人生を賭けてきましたが、その努力は報われました。これからフットボールが僕をどこに連れていってくれるのか、楽しみにしています」。トッテナムとハル・シティの選手たちやスタッフに感謝の意を表し、長いメッセージを残したライアン・メイソンからは、前を向こうという強い意志が感じられました。
2014-15シーズンのノースロンドンダービーで、彼を初めて見たときの興奮を思い出します。ハリー・ケインがブレイクしたこのシーズン、若い選手たちが台頭してきたスパーズは、期待に満ち溢れていました。彼はそんなチームの象徴でした。私はこのブログで、その名前を連呼しました。2016年の夏、プレミアリーグ53試合2ゴールという数字を残してハル・シティに移籍することが決まったときは、もったいないと思いました。最後のシーズンは真価を発揮したといえる出来ではありませんでしたが、いずれ再評価されると信じていました。鬱病から復活して代表に呼び戻されたジェイク・リヴァモアのように。
厳しい状況であると聞かされていたので、このニュースを静かに受け止められるはずと想像していたのですが、これから最高の時を迎えようとしていた選手のキャリアの終焉を告げる報は、やはり堪えます。しかしここは、前を向きましょう。度重なる負傷に苦しみながらスパーズでプレミアリーグデビューを果たしたライアン・メイソンが、トップレベルの選手に育ててくれたクラブを率いてビッグタイトルを獲得する日が来ることを願っています。最後に、プロフットボーラーとしての人生にピリオドを打った26歳に素晴らしい未来があることを信じ、祈る2人の言葉を紹介して、この稿を締めたいと思います。
「ライアンからのニュースを聞いて、心が荒れた。CKを競るのは何千回も繰り返してきたことで、ライアンのようなトッププロフェッショナルがこんな災難を被るのを見るのは悲しい。 彼と彼の家族に、すべての愛を送りたい。最高の未来が待っていることを願っている」(ガリー・ケーヒル)
「私もコーチングスタッフもクラブも、彼を支援するためにドアを開いている。最後の数日間、彼はトレーニンググラウンドにいた。たくさん話をしたね。コーチングスタッフや、アカデミーのボスであるジョン・マクダーモットと。心配しないで、ライアン。あなたはフットボールのピッチの外で、成功者になれるから。間違いないよ」(マウリシオ・ポチェッティーノ)
(ライアン・メイソン 写真著作者/@cfcunofficial (Chelsea Debs) London)
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悲しいです。
でも本人の前向きさが印象的でした。
決して常に順風満帆ではなく、度々負傷やチーム事情に悩まされてきたキャリアでしたが、本当に、今時珍しいくらい、チームのために全力を尽くしてくれるタイプの、いい選手でした。
彼がいなければ、スパーズは中途半端な全く別のチームになっていたかもしれませんし、ポチェッティーノは2年持たなかったと思っています。
メイソンが支えてくれたのは、どう転ぶかもわからない、本当にデリケートな時期のスパーズでした。
ありがとうと言いたいです。
更新ご苦労様です。
まずこのニュースを取り上げてくれたことに感謝します。
引退報道は驚きとともに、悲しい気持ちにもなりました。ケイヒルのコメントも辛いですね。
救われるのはライアン・メーソン自身のコメントが前向きなことでしょう。指導者として戻ってきて欲しいですね。
スパーズファンの知人から、いかにメイソンが優れた若手プレイヤーで向こう10年はスタメンを張れる存在だと散々聞かされてたのでデビュー戦から追ってましたが、パッション溢れるプレイの中に知性をエッセンスしたスタイルには、ケインよりも惹かれるものがありました。
今回のニュースはプレミアファンとしてはただただ悲しいとしか言いようのないものですが、メイソンの今後がこれまでとは違った素晴らしい景色であることを願うばかりです。
フィジカルに秀でた選手ではなかったものの、どんな場面でも常にスロットル全開のプレイを見せてくれたことは忘れません!
ありがとうメイソン
またWHLでフットボールに情熱を燃やす姿を観れると信じています
思い返すと15-16シーズンの序盤戦、オウンゴールで開幕戦を落とし、2点リードから追いつかれて引き分け、ケイン不発、怪我人多数であまりいいムードとは言えない中、初勝利をもぎ取ったのがメイソンのゴールでした。
まさにそのシュート時にDFと交錯して負傷、巡ってきた抜擢のチャンスを見事つかんだデレアリが台頭していったことを考えると、なんとも言えない気持ちになります。
今に繋がるための第一歩にいた選手でした。
開幕戦から勝てないでいたスパーズがカップ戦のノッティンガムフォレストにも苦戦をしていたときに交代で入り、ファーストタッチでミドルを決めて不遇の流れが一気に変わり、駆け上がっていった姿は昨日のようです。
one of our ownと愛される選手はケインだけではなくメイソンもそうでした。
タウンゼントやプリチャード等の同期のアカデミー出身者からのメッセージを見て、みんなで歌っていたstand by meの動画を見ると泣きそうになりました。
https://youtu.be/M4QPqwPkw6s
こういうニュースを取り上げてくれる管理人さん素晴らしい。上の方が紹介してくれたYouTubeも素敵です。メイソンの次の人生に多くの幸福が生まれることを願います。
私も皆さんと同じようにメイソンのコメントからどこか前向きな姿勢を感じられて嬉しく思いました。ポチェッティーノのコメントからも恐らくまずはスパーズの育成部門のコーチになるんじゃないかと思います。彼が指導者として成功し、再びピッチに立つ姿を今から楽しみにしておきます。個人的にはノースロンドンダービーでケインがゴールを奪った時に誰よりも喜んでる姿がとても印象的でした
死んだわけではなし、まだまだサッカーに携わりながら活躍していけると思います。
ライアンの前向きな言葉と姿勢が報われるように願います。