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契約交渉は難航!? これからのアーセナルにジャック・ウィルシャーは必要か?

アーセン・ヴェンゲル監督の去就と同様に、ジャック・ウィルシャーが自らのキャリアについてどんな決断を下すのかが注目されています。ノースロンドンのクラブの門を叩いたのは9歳というバリバリの生え抜き。16歳でプレミアリーグデビューを果たし、18歳で35試合1ゴールとレギュラーに定着。以来、7年という長い月日を愛するクラブで過ごしたセントラルMFは、プレミアリーグで30試合以上出場したシーズンは1度もありません。昨季終了までの負傷離脱日数は900日を超え、2010年以降にプレミアリーグでプレイした選手のなかでは、ぶっちぎりのNo.1。「BBC」が、「ヴェンゲル監督が、夏に移籍のチャンスをくれていた。(契約期間の残りが1年となったが)新契約を提示するつもりはないから、移籍してもいいといわれた」という本人のコメントを紹介しており、ワールドカップを控えた今季は背水の陣という言葉がぴったりのシーズンでした。

公式戦31試合2ゴール5アシスト、プレミアリーグ17試合1ゴール2アシスト。この数字を、あるいは彼のプレイそのものを、グーナーはどう評価しているのでしょうか。負傷が癒えてチームに合流してからしばらくはベンチが定位置だったウィルシャーは、12月中旬のウェストハム戦以降はプレミアリーグ先発出場10試合。3勝4分3敗という数字は、90分を通じてめざましい活躍を見せた試合が少ないことを物語っています。最終ラインの裏に落とす柔らかい浮き球や、サイドの選手をフリーにするタイミングのいいパスでチャンスメイクしながらも、強引なドリブルによって攻撃のスピードを鈍らせてしまうシーンや危険なボールロストも目立ちます。

何しろ生え抜きで、欠場時もサポーターのようにクラブに声援を送る根っからのグーナー。ウィルシャーだけはアンタッチャブルと主張する熱きジャックマニアには、ラシュフォードが決めると涙腺が緩む別なクラブのサポーターとして共感できます。しかし一方で、負傷の多さや調子の波があるプレイに不安を覚え、「10番はエジルに譲ってほしい」「成長が止まったのなら放出してもいいのではないか」という声もあるようです。

ウィルシャーを見ていて感じるのは、プレミアリーグのトップクラスといえるようなストロングポイントがないことです。運動量はデンベレやラムジーが上。決定的なラストパスの脅威ではポグバやセスクに劣り、守備力ならエムレ・ジャン、マティッチ、カンテを買いたくなります。悩ましいのは得点力がないことで、前線からのプレスとショートカウンターを戦術の軸に据えるチームなら、年に1~2回しかゴールを決めないMFをインサイドに置くのはためらうでしょう。ご本人ばかりでなく、使われ方にも問題があるのかもしれませんが、今のウィルシャーを主力としてほしがるTOP6のクラブは、エムレ・ジャンの後釜を検討しなければならないレッズぐらいではないかと思います。

サッカーセンスのよさは疑いがないものの、「このポジションでこう活かせばはまる」と明快にいえないところに、もどかしさがあります。彼がめざすべきは、マンチェスター・シティの中盤の底から左右に素晴らしいボールを供給するフェルナンジーニョなのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。

「Goal.com」によると、今季のプレイを評価したアーセナルのオファーに、ウィルシャーが不満を覚えているとのこと。週給9万ポンド(約1300万円)にプラスして出場試合ごとに3万ポンド(約440万円)を出すというクラブに対して、週給11万ポンド(約1600万円)のMFが納得できないとすれば、エジルの新契約やオーバメヤン&ミキの相場に合わせてほしいということなのでしょうか。復活の兆しは見えたものの、フルシーズン活躍したわけではない選手に対して、クラブがリスクヘッジするのは理解できます。ウィルシャーが強気な姿勢を変えないなら、伸びしろのあるセントラルMFを獲得するという方向に舵を切ることも検討すべきでしょう。

「アーセナルに、ウィルシャーは必要か?」…今、そう問われれば私の答えはイエスですが、それはあくまでも生え抜きポイントを加味した評価です。来季以降、チームが4-4-2や3-4-2-1を志向すれば、今のままでは最初にスタメンから弾き出される選手になると思われます。10番が満遍なくサポーターの支持を得るためには、「彼がいない試合は不安」といわれるぐらいの活躍をシーズンを通じて見せなければなりません。もう26歳。長年愛し続けたクラブに残るとしても、新天地にチャンスを求めるとしても、この先3年が勝負です。

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“契約交渉は難航!? これからのアーセナルにジャック・ウィルシャーは必要か?” への4件のフィードバック

  1. 凹んで より:

    アーセナル以上にジャックを評価しているチームはないと思うのですが、本人はそうは思っていないのでしょうね。出番が増えたけど、相変わらずの状況判断の悪さとボールロストで、特にプレーの質が向上したようには思えません。イングランド代表に返り咲いたので、見る人が見れば違うのかも知れませんが。

  2. むん より:

    グーナーが気になるジャックの去就問題、更新ありがとうございます。

    彼のストロングポイントを挙げるなら、ターンの巧さではないでしょうか。密集地帯を抜け出すターン、時にはボールに触れることなく抜け出す巧さから生まれる前への推進力は、見ていて惚れ惚れします。

    ただ彼について語るときによく出る10-11CLバルサ戦(2-1)と比べると、彼が前へ出た穴を強靭なフィジカルで埋めていたソングや、チャンスをさらに広げるための交通整理をしていたセスク、サイドで鬼キープ出来たナスリや独力で勝負出来たアルシャビンがいない。もちろんロビンも。

    抜け出して『から』が、あの頃と今のチームとの大きな違いだなぁと思います。思いっきりウィルシャー擁護派の意見ですが笑

    周りのレベルが落ちた分、彼の粗が目立つようになったのかなーと。いやそこは成長しろよ、とも思いますが、怪我がねぇ…。

    ファンとしても、なんとも口惜しい選手です。何とか大成してほしいです。、

  3. makoto より:

    凹んでさん>

    私も、ボーンマスにいったときからボールロストが気になっていました(多さよりも、ロストするときの状況の悪さ)。昇給よりも、フルシーズンで結果を出すことが先なのでは?と思ったりします。

    むんさん>
    ターンと狭いスペースの使い方はうまいですね。状況判断を的確にできるようになり、ゴール前に入り込む術とアンカーとしてのポジショニングのいずれかを身につければ、格段によくなると思います。

  4. ウェイン より:

    誰がなんと言おう私はウィルシャーがイングランド人の中で一番上手い選手だと思っています。

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