「精神的に疲れている」アレクシス・サンチェス…今季で慣れて、来季がんばれ!
話題性たっぷりの華やかな移籍劇は、それ自体がクラブや選手にとって重荷になるリスクを孕んでいました。オフシーズンに戦術やコンビネーションを確かめられる夏の移籍に対して、戦い続けているチームに放り込まれる冬の合流は、ただでさえフィットするのに時間とパワーがかかるもの。ルイス・スアレスと同様にまずまずのスタートを切れるか、フェルナンド・トーレスのように後々まで苦しむことになるのか。後者が5000万ポンドという当時(2011年)のプレミアリーグ史上最高額の移籍で、好奇の目線に晒されていたことを思い出しましたが、前線の自由度が高いモウリーニョ監督のチームなら、個人技で守備網を崩すことができるアレクシスのようなタイプは悩まないのではないかと楽観視していました。
FAカップ4回戦のヨーヴィル・タウン戦で新チームの感触を確かめた7番は、1月31日のトッテナム戦がプレミアリーグ初登場。2月3日のハダースフィールド戦でPKを蹴ったアレクシス・サンチェスは、左に蹴って止められたものの、こぼれ球に先着して移籍後初ゴールを決めました。これで勢いに乗るかと思いきや、アレクシスに関する話題はゴールの本数ではなくなりました。ハダースフィールド戦では36回のボールロスト、ニューカッスル戦も36回、クリスタル・パレス戦は前半だけで12回のパスミスと19回のロストを数え、最終的には34回もマイボールを奪われました。「GIVEMESPORT」によると、チャンピオンズリーグのセヴィージャとのアウェイゲームは42回もロストしており、入団以来のトータルは247回!2位のアシュリー・ヤングを103も上回るダントツのクラブTOPで、FAカップ準々決勝のブライトン戦ではついにベンチで戦況を見守ることになりました。
「自分に期待しすぎていた。もっとできると思っていた。マンチェスター・ユナイテッドに移籍してからは変化のスピードが速く、適応が難しかった。こんな状態で、チリ代表に合流すべきか迷ったりした」「今回の移籍は突然で、冬にクラブを変えたのは初めてだった。生活面で、さまざまな困難が起こってしまったんだ」(アレクシス・サンチェス)
キャリントンで孤独に食事していると伝えられた7番は、今季どこかで浮上のきっかけをつかめるでしょうか。「思いつめるな」「来季の自分に期待しろ」といった言葉は、今の彼には届かないでしょう。最大の救いは、ボスが泰然と構えていることです。
「彼のコンディションは、これまでのキャリアで最悪かもしれない。私が冬のマーケットを嫌う理由はここにある。途中から加わった選手に過大な期待を寄せてはならない。彼がよくなるのは来季からだろう」(ジョゼ・モウリーニョ)
ブライトン戦のベンチスタートは、アレクシス・サンチェスのプロフェッショナリティを認めているモウリーニョ監督の「落ち着いてくれ」というメッセージだったのかもしれません。ムヒタリアンが大好きな私としては、今回のスワップに対して釈然としない思いはあったのですが、決まった以上は信じて応援し続けたいと思っています。2016-17シーズンのプレミアリーグで38試合24ゴールという出色の数字を残したアタッカーは、いずれオールド・トラフォードを手のうちに入れてくれるでしょう。戦い慣れたチリ代表でのプレイでリフレッシュし、デンマークから気分よく戻ってきていただければ…今は、それだけです。
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