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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「BBC」「スカイスポーツ」の評論家が語る、アレクシス・サンチェスの不振の理由。

現地メディアの主張を鵜呑みにすれば、マンチェスター・ユナイテッドは1月に主力のバーゲンセールを開催することになります。8900万ポンドで獲得したポグバはスペインに渡り、プレミアリーグ出場182分のエリック・バイリーも勝手知ったるラ・リーガでしょうか。そしてもうひとり、プレミアリーグ最高額の週給39万ポンド(約5800万円)を得ているアレクシス・サンチェスも、有力な放出候補と煽られています。公式戦4ゴール2アシストとそれなりに結果を出しているポグバや、カラバオカップで先発起用されたバイリーよりも、より気になるのが7番の状態です。アーセナルで過ごした3年半で、166試合80ゴール41アシストという素晴らしい記録を残したチリ代表のアタッカーは、マンチェスター・ユナイテッドでは23試合3ゴール6アシスト。プレミアリーグで831分ノーゴールを続けており、シビアなサポーターたちは、不発に終わったラダメル・ファルカオと比較し始めています。

最も気になるスタッツは、入団以来347回を数えるボールロストです。冬に入団したアレクシスが、最初の半年でフィットしなかったことには目をつぶったとしても、ワールドカップに出場せずに備えた新シーズンの緒戦で、レスターの選手たちに23回もボールを奪われればさすがに焦ります。ここまでサラーが打ったシュートは25本、アザール、マネ、ペドロ、スターリングが15本以上を積み上げているなかで、アレクシスは9本。オンターゲットは4本しかなく、アーロン・ラムジーやマイケル・キーンを下回っています。プレミアリーグに来てからの1試合あたりのパス本数は44.3本ですが、今季の5試合は30.4本。ガナーズ時代よりもよくなっている数字は、ひとつもありません。

「スカイスポーツ」と「BBC」がほぼ同時に7番のスランプを報じたのは、ウルヴズ戦の出来が目に見えて悪かったからでしょう。「BBC」ではガナーズOBのイアン・ライト氏が「マンチェスター・ユナイテッドは、どうやって投資を回収したらいいのかと頭を抱えているだろう。今の彼のプレイにフィーを払いたいクラブはないね」と率直にコメント。「ラシュフォードやマルシアルが待ち構えている。束縛はなく、自由にプレイさせてもらっているのだから、ポジションにふさわしいところを見せないと」と語っています。同じく「BBC」で解説しているクリス・サットン氏は、「完全に自信を失っている」「アーセナルでは同じように自由があり、笑顔もあった。今は世界じゅうの重荷を背負っているように見える」と、不振の理由をメンタルに求めています。

「ジョゼ・モウリーニョのスタイルは彼に合っていない」と指摘するのは、「スカイスポーツ」のポール・マーソン氏です。「アーセナルでは彼はトップマンだった。すべてが彼を経由していた」「ジョゼ・モウリーニョが、チェルシーでアザールとともにいたのを見ただろう。SBをフォローするために戻って来なければ、その選手はオフをもらい、プレイできなくなる」。マンチェスター・ユナイテッドがアレクシスを獲得するメリットとモチベーションは、ライバルのマン・シティとの契約を阻むことで、彼らが本当に欲しかったかどうかはわからないと語る評論家は、今はラシュフォードもアレクシスも輝いていないと嘆いています。

指揮官のオーダー、チームメイトとの関係、高額給与ゆえに厳しいマスコミ…。アレクシス・サンチェスが自信を失っているとすれば、いくつもの要素が重なった結果なのでしょう。7番が右サイドも持ち場にできればチームの戦術は多彩になったのですが、若手2人と左サイドを争うことになったために、全員のモチベーションが下がってしまった感があります。残念だったのは、モウリーニョ監督がヤングボーイズ戦とダービー・カウンティ戦でアレクシスを起用しなかったことです。ボールを持たせてくれるチームとの試合は、自信を取り戻すゴールをゲットする絶好のチャンスだったのではないかと思います。

カーディフ戦とオックスフォード戦で3ゴールを決めたリヤド・マフレズを観ながら、アレクシスとマン・ユナイテッドのことを思いました。あの冬、元バルサのアタッカーがペップの下に走っていたら、レスターで輝いていたレフティはどこに移籍していただろう。個人力で右サイドを崩せる彼こそが、モウリーニョ監督のチームでより輝けるタレントだったのではないか…。水色のシャツがすっかりなじんだ26番は、ペップしか見ていなかったのかもしれませんが、われわれが出会えなかった別の世界の可能性について、ついつい考えてしまうのです。

マーソンさんのいうとおり、マンチェスター・ユナイテッドは、獲りたい選手ではなく獲られたくない選手に大金を投じてしまったのかもしれません。ズラタン、バイリー、ポグバ、ムヒタリアン、リンデロフ、フレッジなど派手な補強を続けながら、ルカク&マティッチという元チェルシーの選手しか活躍していないモウリーニョ監督のチームの現状を見ると、夏に指揮官が希望する選手の獲得を進めなかった経営ボードの判断もわかるような気がします。新戦力がことごとく燻れば、リスクのほうが気になるのは当然でしょう。

ただし、今までのチョイスが間違いだったと決まったわけでもありません。モウリーニョさんが納得いくチームを創りたいなら、獲得した選手たちのポテンシャルを引き出し、投資をすれば大きなリターンがあると経営ボードに実感させればいいのです。勝負は、これから。最も期待したいのは、やはりアレクシス・サンチェスです。

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“「BBC」「スカイスポーツ」の評論家が語る、アレクシス・サンチェスの不振の理由。” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    まさにブログ主さんのおっしゃる通り、新戦力をことごとく活かせなかったモウリーニョの限界ですよね。
    しまいにはサンチェスでさえ燻らせるとは。
    はやく解任すべき。

  2. ペップの街 より:

    本当に必要な選手を時間がかかっても取りに行く。リヴァプールがファンダイク獲得で見せた粘り強さが際立ちます。
    そういう意味でフロントと監督の獲得、育成方針が一致しているチームはそんなに無いのでしょう。
    シティのカーディフ戦を観ていると育成中のフォデンがもう一流の域に近付いているし、CBで獲ったストーンズがフェルナンジーニョのポジションを無難にこなしている。
    バイエルンでもCBがいない状況でキミッヒを大化けさせました。ラームしかり。
    モウリーニョは選手やメディアと揉めるのは辞めて現有人員で最適解を見つけるべきです。

  3. エミリー より:

    獲られたくない選手に大金を払う、ですか。
    ビッグクラブあるある?な話ですね。

    アーセナルファンにとって、サンチェスの移籍志願は悲しかった。
    戦力ダウンよりも、チャンピオンになれないチームと、エース選手に判断されたことが悲しかったですね。
    ファンも、わかっちゃいましたけどね(泣)
    ラカゼットとサンチェスの競演を楽しみにしてたのになぁ。
    ベンゲルの優柔不断が招いた、妥協案みたいなトレードで、サンチェスはユナイテッドで輝けず。
    ムヒタリアンも、まだ監督の信頼を掴みきれずで、玉突きで出ていったジルーが、一番上手くやってる。
    タイミング、適材適所、相性、色んなことを考えてしまいますね。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    サンチェスの場合は戦術の問題もあるのかもしれませんが年齢による衰えが出ているのでは?とも思ってしまいます。
    ガナ時代からボールロストはそこそこ多い選手でしたがドリブルからの突破も上手い選手でした。
    ユナイテッドに来てからは自力での突破はほとんど失敗しているような気がします。
    アジリティが昔に比べて少し落ちてきているのではないかと思います。

  5. グナ より:

    1トップのときは大活躍するんです。
    実はスアレスやアグエロのようなタイプの選手だと思います。

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