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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヨーロッパリーグで11戦10発!オリヴィエ・ジルーの最後の舞台は古巣と戦うELファイナル!?

多くのグーナーが、今でも彼を愛しているのではないでしょうか。オリヴィエ・ジルー、32歳。明るくまっすぐなキャラでエミレーツを盛り上げたストライカーは、イケメンゆえにタブロイド紙のネタになることも多く、2014年2月にはアメリカ人モデルのセリア・ケイさんとの不倫が報じられました。「許してもらわなければ」としょげていたジルーの人気は衰えず、2015年2月にはブックメーカー「バディ・パワー」の調査で「プレミアリーグで最もセクシーなプレーヤー」に選ばれています。

男女問わずファンが多かったのは、献身的なプレイやエキサイティングなゴールシーンが印象に残ったからでもあるでしょう。2017年1月のクリスタル・パレス戦で、アレクシス・サンチェスのクロスを左足のヒールに当てるスコーピオンで決めたジルーは、その年の10月に開催された「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ2017」で、最も素晴らしいゴールに贈られるFIFAプスカシュ賞に輝いています。アクロバティックなゴールを積み上げる一方で、イージーなチャンスでダフッてしまうあたりも、サポーターの心を惹きつける理由のひとつだったのではないでしょうか。ひとことでいえば「憎めない末っ子キャラ」。チェルシー移籍は「同僚やサポーターに惜しまれつつ」という表現がぴったりでした。

2012年の夏にモンペリエからアーセナルに移籍したフランス代表ストライカーは、ティエリ・アンリに「アーセナルにはシーズン20発を決められる選手が必要」などとプレッシャーをかけられながらも、5シーズン連続でプレミアリーグ10ゴール以上という最低限の結果を残しています。ノースロンドンにおける最後のステージとなった2017-18シーズンは、ラカゼットの入団でサブにまわり、先発1試合と出場機会が激減。プレミアリーグ15試合4ゴールと思うように結果が出せなくなり、2018年1月に活躍の場を求めてチェルシーに移籍しました。

新しいクラブにはモラタがおり、やはりジルーは控えのストライカー。スペイン人のエースがスランプに陥り、アトレティコ・マドリードにレンタルされると、チェルシーはゴンサロ・イグアインを獲得して最前線に据えました。後半からの出場が多いジルーは、入団以来の1年半でプレミアリーグ37試合5ゴールと満足な数字を残せていません。ベテランと呼ばれるようになったストライカーに、ついに衰えが感じられるようになったかといえば、さにあらず。このたびジルーを取り上げたのは、ヨーロッパリーグにおける活躍ぶりがあまりにも眩しかったからです。

ELで準決勝進出を果たしたチェルシーは、11勝1分という素晴らしい戦績を残しており、プレミアリーグ勢の欧州大会におけるシーズン最多勝利記録を更新。ジルーはこちらでは12試合中10試合に先発するエースストライカーで、11試合10ゴール3アシストという出色の数字を叩き出しています。「Goal.com」は、「ヨーロッパリーグのクリスティアーノ・ロナウド」という微妙なネーミングでリスペクト。フィニッシュだけでなく、プレミアリーグ屈指のクオリティを誇るポストプレーも冴えまくっています。ディナモ・キエフ戦のハットトリックは、いかにも彼らしいハーフボレー2発と文句なしのヘディングシュートでした。

欧州の舞台でゴールセンスを証明し続けているジルーですが、プレミアリーグで思うようにプレイできないのが不満で、夏の契約満了時にどんな決断を下すかを考えているようです。チェルシーの公式サイトと「ガーディアン」が最新のコメントを紹介しておりますが、来季も同じ立場を求められれば、ジルーはプレミアリーグを去ることになるかもしれません。

「ここにいられるのはうれしいけど、2番手というポジションには満足していない。ワールドカップで優勝したけど、まだ引退はしたくない。困難な状況に陥ったら不満を抱くものだけど、ピッチではそれをポジティブなエネルギーに変えなければならない。来季はチームのなかでさらに重要な役割を果たさなければ」「他のクラブからいくつかのオファーがあった。詳しくはいえないけどね。今はチェルシーを優先すべきだ。ある程度は成果を出しているから、もう1年チャンスをもらえる可能性は高いけど、次のシーズンはもっとハッピーになれたらいいね」

ヨーロッパリーグは最大3試合、プレミアリーグは4試合。記憶に残るストライカーのプレイを、最後まで追いかけたいと思います。イングランドにおける最後の舞台が、ELファイナルのアーセナル戦だったら…。両チームのサポーターが、同じ気持ちで彼を見つめるのではないでしょうか。「決めてくれ、ジルー!」と。

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