プレミアリーグに残ってほしい…ブライトン戦の決勝ミドルにエリクセンの真髄を見た!
昔ながらのプレーメイカーの香りを漂わせながらも、キックやトラップの精度と判断スピードは現在のプレミアリーグのトップレベル。今季のトッテナムはアーセナルに次いでリーグ2位の走行距離を記録していますが、チェイシングも帰陣も厭わないエリクセンの豊富な運動量が、ポチェッティーノ流「走るサッカー」のベースを支えています。FKやミドルシュートの美しさが目を引く選手ではありますが、彼の真骨頂は未来予測力ではないでしょうか。ボールをもらう際に適切なプレイを選ぶのは、プレミアリーグのTOP6においては標準装備ですが、パスをもらう前に自分のプレイの結果まで読み切って動ける選手は希少です。
ミッドウィークに開催されたブライトン戦で89分に叩き込んだ決勝ゴールは、エリクセンの素晴らしさが凝縮された1発でした。中央からのパスを右で受けた23番は、「ワンタッチでシュートコースを作ってニアに決める」「GKの手前でバウンドさせてセービングを困難にする」という2つのイメージを明確にしていたのだと思われます。トラップ直後のタッチと、さほど力を入れずに蹴ったフィニッシュは、GKマシュー・ライアンの動きまで想定できていなければ、あれほど速くスムーズにはいかなかったと思います。
彼に似たタイプの選手として、メスト・エジルとケヴィン・デブライネがいます。パスセンスではエリクセンに引けを取らないエジルに、ときどきもの足りなさを覚えるのは、決定的なシーンやフリーで打てる状況でなければシュートを選択しないことです。ブライトン戦のあのシーンでは、エジルは前線に走った選手に浮き球を送っていたでしょう。
デブライネの高速グラウンダーや鋭いシュートもワールドクラスですが、彼のプレイをひとことで表現すれば「剛」。弾道をコントロールしてゴールをめざすより、速いボールを枠の両端に送り込むのを好みます。あの形ならデブライネも狙いにいったでしょう。しかし、その弾道はおそらく直線的で、マシュー・ライアンの手が届きやすい高さに飛んだのではないかと想像します。えこひいきを承知でいいますが、プレミアリーグTOP4フィニッシュにつながる貴重な勝ち点3をゲットしたゴールは、エリクセンだから決められた一撃だったと思えるのです。
高速FKをGKの目の前に落として見せたり、DFがぎりぎりで届かない浮き球をラインの裏に落とすなど、前後高低緩急自在のエリクセンのキックには、華麗な詰め将棋を見ているような爽快感があります。「クリスティアンがわれわれと一緒にいてくれることを願っている。彼とはとてもオープンに話し合っているよ。特別な状況であり、特別な人物だ。何が起こるか見てみよう」。ポチェッティーノ監督の願いは、稀代のプレーメイカーに届くのでしょうか。来季もエリクセンのプレイを…いや、その前に今戦っているチャンピオンズリーグですね。6月1日、エスタディオ・メトロポリターノで彼らしいプレイを堪能できればと楽しみにしています。ファン・ダイクとのマッチアップや、アリソンとの駆け引きが見られることを。
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現在のプレミアリーグのゲームメイカーの双璧はエリクセンとデ・ブライネでしょうね。次点でエジルとポグバかな。
世界的に見てもエリクセン、デ・ブライネの二人をはっきりと上回る選手は正直言って思いつかない。モドリッチやクロースがほとんど同じレベルにいる感じでしょうか。
今年のベストイレブン、ポグバではなくエリクセンで良かったのでは…。
そしてトッテナムは仮にエリクセン放出となると痛すぎる。
デレ・アリ、ウィンクス中心にゲームを作ることは引き続きできるでしょうが、困ったときの打開策がなくなってしまう。