ドーピング、訴訟…元チェルシーの「お騒がせ」アドリアン・ムトゥが遂に代表追放!
「ムトゥ自身のFacebookのページに、ルーマニア代表のビクトル・ピトゥルカ監督とイギリスのコメディアン、ミスター・ビーンの顔を合成させた写真を掲載して侮辱」。ああ…。
経緯は、こうです。ルーマニア代表は、ワールドカップ欧州予選プレーオフでギリシャと対戦することになりました。長年、代表の中心であったムトゥは、当然ギリシャに勝とうと準備していたわけですが、発表されたメンバーに彼の名前はありませんでした。結局、ルーマニアはギリシャに2試合トータル2-4で敗れ、ブラジルへのチケットを手に入れることはできず。これにご立腹されたのが、元エース・ムトゥ様です。彼は上記のような、子どもじみたとしか表現しようのない”抗議メッセージ”を出し、これを確認したルーマニアサッカー連盟から「一発レッドカード」、すなわち、もう2度と代表には召集しないという通達を受けてしまったのでした。ああ…ムトゥ。
これまでユヴェントス、チェルシー、パルマ、フィオレンティーナ、インテルと、セリエAやプレミアリーグのビッグクラブを渡り歩いて多くのゴールを挙げてきた才能にあふれたドリブラーは、再三繰り返してきた愚かな行いに対するペナルティから学習することなく、そのキャリアを終えることになりそうです。現在、彼が所属しているのはフランス・リーグアンの「ACアジャクシオ」。昨季、リーグ・ドゥから昇格したばかりの「1部⇔2部エレベータークラブ」で、プレミアリーグでいうならウィガンやハル・シティといったところでしょうか。もはや、これ以上のクラブから彼が声をかけられることはないでしょう。
彼がチェルシーに来たのは2003-04シーズンでしたが、このとき「コカイン摂取による7ヵ月の出場停止」というドーピング事件が発生。チェルシーに解雇され、罰金2万ポンドを払い、さらに追い打ちをかけるようにチェルシーから1700万ユーロの損害賠償を請求されて大きな借金をかかえ…と大変な人生を歩くことになったのです。中田英寿と一緒にパルマでプレイしていた頃は、マンチェスター・ユナイテッド時代のクリスティアーノ・ロナウドのようなキレのあるドリブルで相手DFを翻弄し、レアル・マドリードやバルセロナから多額のギャランティをもらってもおかしくない選手だったのですが…。
ワールドカップ欧州予選プレーオフでは、はじめてあと一歩でワールドカップ出場、というところまで登りつめたアイスランドがクロアチアにその夢を絶たれました。試合後、35歳のグジョンセンが涙をこらえながら「今日をもって代表を引退する」と語った感動的なシーンを見たもので、なおのこと「ミスター・ビーン」の情けなさが引き立ちます。「代表から去る」とひとことでいっても、その幕切れはホントに人それぞれ、悲喜こもごもです。ああ…ムトゥ。
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