ハリー・ケインとスターリング…破壊力がUPしたイングランドのWエースの足跡を振り返る。
ブルガリア戦の4発のうち圧巻だったのは、彼らがコンビで決めた先制ゴールと3点めです。24分のゴールシーンは、GKイリエフの緩いキックにいち早く反応したスターリングの瞬発力が光りました。ボックス右でインターセプトしたマン・シティのアタッカーは、ワンタッチでボジコフをかわすと冷静に中を見てラストパス。下がったほうが折り返しをもらいやすいと判断したハリー・ケインが優しいグラウンダーをインサイドで触り、無人のゴールに転がしました。
49分にPKを確実に蹴り込んだハリー・ケインは、55分のダメ押しゴールの起点となりました。ボドゥロフが縦に出した不用意なパスを敵陣でインターセプト。ラシュフォードがドリブルで仕掛け、ボドゥロフを引き付けてボックス左に流すとハリー・ケインがフリー。ファーからゴール前に走り込んだスターリングが、ボジコフを肩でブロックしながら左足のラストパスを腿に当て、母国の勝利を確定させました。プレミアリーグでマン・シティが得意としている形を、そのまま持ってきたようなゴールシーン。ペップと出会うまでは、決定機でミスが多いサイドアタッカーでしたが、戦術眼とフィニッシュの精度の成長をあらためて感じさせる一撃でした。
イングランド代表において不動のレギュラーとなった2人ですが、代表のキャップ数で上回っているのは、10代の頃から呼ばれているスターリングです。2012年に代表デビューを果たしたスピードスターは、通算52試合9ゴール。ここ2年で17試合7ゴールと確実にペースアップしています。3年遅れでスリーライオンズに合流したハリー・ケインは、71分に初めてピッチに立ったユーロ2016予選のリトアニア戦で、デビューから79秒で初ゴールという衝撃的な自己紹介に成功しています。このときのアシストもスターリング。最初の2年は17試合5ゴールとおとなしい数字に終わっていますが、2017年からの3年で23試合20ゴールとワールドクラスの得点力を見せつけています。
プレミアリーグ185試合128ゴールのハリー・ケインは、左右の足、ヘディング、ミドルとどんな形からも決めることができる正統派ストライカー。近年はパスセンスにも磨きがかかり、最前線で懐に収めたボールを味方に打たせたり、ロングフィードでカウンターのスピードを上げるシーンも目立ちます。230試合71ゴールと、決定率ではスパーズの10番に劣るスターリングですが、直近2シーズンで67試合35ゴールという素晴らしい数字を残し、マン・シティのプレミアリーグ連覇に貢献。前線ならどのポジションでもこなせるオールラウンダーに成長し、ラインの裏に抜ける動きに磨きをかけています。
ワールドカップでベスト4と確実に優勝に近づいているイングランドは、中盤の創造力の欠如がウィークポイントでしたが、メイソン・マウントやジェームズ・マディソンといった若いタレントが急成長を遂げています。Wエースと彼らがうまくはまれば、ユーロやワールドカップを勢いで制するというシーンが見られるかもしれません。プレミアリーグでは、何しろガチンコのライバル。ハリー・ケインとスターリングがいる試合は、応援するよりも決めてくれるなと祈ることが多いのですが、イングランド代表となると話は別です。類まれなる得点力で、サッカーの母国を大いに盛り上げていただければと期待しています。
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