偏愛的プレミアリーグ見聞録

昨日お伝えした「ヤヤ・トゥレ退団騒動」ですが、さっそく続報です。こちらはスペイン紙からの情報ですが、「ヤヤ・トゥレはバルセロナ復帰を望んでおり、年棒がダウンしてでも戻りたいと思っている」とのこと。片やイギリスの「スカイスポーツ」は、代理人ディミトリ・セルク氏が「ヤヤはマンチェスター・シティに引退後の仕事を求めている」と語ったと伝えています。

「たとえばレアル・マドリーはジネディーヌ・ジダンがプレイを終えた後、クラブでの仕事をオファーした。ヤヤは、お金や長期契約ではなく、クラブにおける将来を必要としている。クラブがもっとヤヤを気にかけてくれれば、彼は満足するだろう」（ディミトリ・セルク代理人）

…やはり、ツッコミどころ満載です。バルサに戻りたいだけなら、「誕生日を祝ってもらえなかったから退団検討」などといわないほうが得策。フロント入りに関しては、なぜ突然そんな話が出てきたのかわかりません。ヤヤ・トゥレはキャリアの絶頂期で、引退後のことは5年後にでも話せばいいでしょう。また、本当にそれを望んでいるなら、誕生日の件で騒ぐのは大きなマイナスポイントです。どうも、セルクさんは怪しいですね。

ヤヤ・トゥレ本人は「明日のことはわからない。今はワールドカップに集中している」と語っているので、プレミアリーグ残留か、スペイン復帰となるのかは、ワールドカップ終了後ということになりますが、ひとつだけ、私はヤヤ・トゥレに謝らないといけないようです。昨日の本ブログで「誕生日って、祝ってもらえなかったら転職するほど大事なものですか？」と書きましたが、さすがにヤヤの気持ちもわかる、という動画を発見しました。UAEツアーで、マンチェスター・シティのメンバーが飛行機で移動中に、CAのみなさんがケーキを用意してハッピーバースデーを歌うシーンがあるのですが（2分50秒くらいです）、これがかなりビミョーな空気です。

何、この雰囲気…。手拍子して歌ってるのはCAさんたちとナスリだけ!?

周囲の選手は、よっぽど疲れてるのか、よっぽどヤヤ・トゥレが嫌いなのかどちらかにしか見えません。ときどき、サッカークラブのロッカールームや合宿先の映像を観る機会がありますが、大抵のチームは選手たちが体育会的な仲のよさを発揮して、じゃれ合ったりしてますよね。いやいや、これは雰囲気が悪すぎます。私が彼だったら、夜、ベッドに横になったとき、やはり「他のチームいこうかな…」とつぶやいてしまうでしょう。ようやく、ヤヤがショックを受けたというのがどういうことなのか理解できました。「誕生日を祝ってもらえなかった」とだけ聞くと、幼すぎる、ピュアすぎると思ってしまいますが、もし、彼が「人間関係がうまくいっていなくてストレスを抱えている」のなら、それは納得です。ヤヤ・トゥレさん、確かにがっかりしますね、これ。すみませんでした。

彼がスペイン復帰を選んだら、プレミアリーグ王者は一気に苦しくなります。冬に獲ろうとして、時間切れで断念したフェルナンドあたりで穴を埋めるのでしょうが、昨季のヤヤ・トゥレの代わりができる選手など、この地球上にはいないのではないかと思います。ああ…。（ヤヤ・トゥレ　写真著作者/Oemar）