偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグをこよなく愛するみなさま、アンドレイ・アルシャヴィンという方を覚えてますでしょうか。古くからのグーナーなら、2009年4月のアンフィールドで決めた「伝説の4ゴール」の衝撃を呼び起こせるのではないかと思います。2018年にカザフスタンでスパイクを脱いだアタッカーが、イギリスメディア「888 Sport」のインタビューを受け、プレミアリーグで苦戦している現在のアーセナルについて語っています。最も興味深かったのは、メスト・エジルを外して他のアタッカーを使うべきといっていたことです。さっそく、そのクダリを紹介しましょう。

「ひとりの選手としてリスペクトしている。メストはワールドクラスだ。しかし、彼はゲームをスローダウンさせてしまう。私なら、他の選手を使いたい」
「彼はあまりシュートを打たないね。いつもパスを最優先と考えているように見える。それでは、守備陣は簡単に対応できてしまう」

アルシャビンのお気に入りは、ニコラ・ペペとガブリエウ・マルティネッリのようです。「スピードがあり、優れたフィニッシャーでもある。彼の才能を考えれば、ここまでの仕事は充分とはいえないが、プレミアリーグでスターになれる資質がある」と絶賛したのはニコラ・ペペ。マルティネッリについては、「ここまではうまくいっている。素晴らしいゴールをいくつか決めているしね。彼には技術的な才能があり、アーセナルでビッグな未来が待っていると思う」。ティエリ・アンリやロビン・ファン・ペルシのレベルに辿り着けるかと今いわれると、何ともいえないと言葉を濁しつつ、ブラジルから来た18歳にも多大な期待を寄せているようです。

「攻守のバランスがよくない」と、古巣について的確な指摘を続けた元ロシア代表に対して、ポジティブに異議申し立てをしたいと思います。言葉のトーンから判断すると、ドリブルに長けた右サイドのレフティのほうがマルティネッリより上と評価しているようですが、私の見立てはこうです。「ニコラ・ペペはプレミアリーグを代表するアタッカーになる可能性があるが、マルティネッリはいずれリーグNo.1と称されるようになる」。ブラジルU-23代表にも選ばれた35番こそが、アーセナルが最も手離してはいけないスーパースター候補なのではないかと楽しみにしているのであります。

公式戦26試合10ゴール4アシスト、プレミアリーグ14試合3ゴール。これだけで、既に普通の18歳が残せるスタッツではありませんが、先発した試合をピックアップすると、彼がいかに得点力があるかが一目瞭然となります。公式戦15試合10ゴール3アシスト、プレミアリーグ6戦3発！デビューシーズンのビッグロンドンダービー、しかも敵地スタンフォード・ブリッジで、反撃の狼煙となる同点ゴールを決められる選手など、そうそう簡単に現れるものではありません。

柔らかいボールタッチとシュートのタイミングのよさはウェイン・ルーニー、左サイドから中央に斬り込むスピーディーなドリブルは若き日のクリスティアーノ・ロナウド。例えがマンチェスター・ユナイテッドばかりで恐縮ですが、われわれの手持ちのカードでは極上の2枚をためらいなく出すあたりに、多大な期待を感じていただければと思います。いずれは伝統の背番号7…失礼、あの14番を背負って、エミレーツの王として振る舞う彼の姿を見られるものと確信しております。アルシャビンさん、いかがですか!?