偏愛的プレミアリーグ見聞録

トゥヘル、スールシャール、ペップは納得、クロップは微妙…!?　プレミアリーグからTOP4が参加するチャンピオンズリーグ2021-22シーズンのグループステージ組み合わせ抽選が実施されました。プレミアリーグ勢で最も厳しいグループに入ったのは、リヴァプールでしょう。最大のライバルは、アトレティコ・マドリード。2019-20シーズンのラウンド16で、延長戦に入ってから3発喰らって逆転負けを喫した相手です。

スペイン王者に加えて、昨季のベスト8でチェルシーと競り合ったポルト、セリエAで2位にジャンプアップしたACミランが同じ組にいます。要注意はミラン。絶対的守護神のドンナルンマはパリに旅立ちましたが、オリヴィエ・ジルー、フィカヨ・トモリといった即戦力が加わりました。負傷で出遅れたズラタン・イブラヒモヴィッチとフランク・ケシエも、9月にはトップフォームを取り戻すでしょう。百戦錬磨のワイナルドゥムが抜けたチームは、厳しい戦いを強いられるかもしれません。

【チャンピオンズリーグ2021-22シーズン　グループステージ組み合わせ】
グループA：マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、ライプツィヒ、クラブ・ブルッヘ
グループB：アトレティコ・マドリード、リヴァプール、ポルト、ACミラン
グループC：スポルティングCP、ドルトムント、アヤックス、ベシクタシュ
グループD：インテル、レアル・マドリード、シャフタール・ドネツク、シェリフ
グループE：バイエルン、バルセロナ、ベンフィカ、ディナモ・キエフ
グループF：ビジャレアル、マンチェスター・ユナイテッド、アタランタ、ヤングボーイズ
グループG：リール、セヴィージャ、ザルツブルク、ヴォルフスブルク
グループH：チェルシー、ユヴェントス、ゼニト、マルモ

3ヵ月前のファイナルでチェルシーに敗れ、悲願のビッグイヤーに1歩及ばなかったマンチェスター・シティは、準決勝でダブルを喰らわせたパリ・サンジェルマンと戦うことになりました。メッシ、ネイマール。セルヒオ・ラモスを欠きながらリーグアン3連勝のチームは、新戦力のハキミとワイナルドゥムがスムーズにフィットしています。ムバッペがレアル・マドリードに移籍したとしても、前回の対決よりパワーアップしたと考えたほうがいいでしょう。

パリ以外の相手を見ると、2020-21シーズンの「死のグループ」でマンチェスター・ユナイテッドを蹴落としたライプツィヒが不気味ですが、ナーゲルスマンの後継者ジェシー・マーシュは、さほど怖れなくてもいいのではないかと思います。ウパメカヌ＆コナテという2枚のCBを失ったダメージは大きく、シマカシとオルバンを軸に強度を取り戻すまでに、しばらく時間がかかるのではないでしょうか。

昨季はグループステージ敗退のマンチェスター・ユナイテッドは、ヨーロッパリーグの決勝で敗れたビジャレアルと再度ぶつかります。発音しにくいチーム名を聞くたびに、デ・ヘアが中途半端なキックをストップされたシーンが脳裏をよぎりますが、スペインの3強やバイエルン、パリと当たらなかった幸運を喜びましょう。11月のアンフィールドでリヴァプールに完勝したアタランタも要注意ではありますが、パリとライプツィヒに苦しめられた前年よりもいい相手に恵まれたと考えるべきでしょう。

連覇をめざすチェルシーは、ユヴェントス、ゼニト、マルモ。アッレグリが復帰したイタリアのクラブとの2試合をイーブン以上として、アウトサイダーに全勝という着地は極めて現実的です。ルカクが加わって穴がなくなったチームは、ダークホースから優勝候補の一角に昇格したと評価していいのではないでしょうか。パリ、バイエルン、レアル・マドリード、マンチェスター・シティは脅威ですが、勝てないと諦めるような相手ではないと思います。

ビッグイヤーの行方を占うのは、トランスファーマーケットが締まってからにしましょう。過去3シーズンのファイナルで、プレミアリーグ対決が2回実現しており、スペイン勢が思うように強化できていない今季もチャンスは充分にあるでしょう。メッシとネイマールがタッグを組むサッカーを見ていないからいえるのかもしれませんが…。開幕は9月14日。楽しみです！