偏愛的プレミアリーグ見聞録

ランチタイムキックオフの首位チェルシーは、最下位ノリッジ相手に7発大勝。2ポイント差で追走するマンチェスター・シティは、相当苦戦するのではないかと思っていました。プレミアリーグ9節の相手は、ブライトン。4勝3分1敗で4位にいるチームは、レスターに競り勝ち、アーセナルには引き分けています。

ルカクとヴェルナーの負傷で、本職のストライカーがいなくなったチェルシーと同様に、ペップのチームもフェラン・トーレスとスターリングがリタイア。CFとしてプレイできるガブリエウ・ジェズスは今日も右サイドに入り、フォーデンが偽9番、左にグリーリッシュという並びです。中盤はギュンドアン、ロドリ、ベルナルド・シウヴァ。エデルソンの前の4人は、カイル・ウォーカー、ルベン・ディアス、ラポルテ、ジョアン・カンセロです。

昨季プレミアリーグ王者の最初のチャンスは、開始7分でした。左から仕掛けたグリーリッシュがニアのジョアン・カンセロに預けると、左のポスト際に打った鋭いミドルシュートはロベルト・サンチェスがぎりぎりで弾き出すビッグセーブ。11分の速攻は、ギュンドアンのスルーパスが右のジェズスに通って決定機になりました。ククレジャをかわして打ったシュートは、ロベルト・サンチェスが左足でブロック。枠に向かったボールは入るかと思いきや、ゴールライン上に足を伸ばしたルイス・ダンクが完璧なタッチでクリアしました。

GKの奮闘で2度のピンチを脱したブライトンは、GKのファンブルで13分という早い時間に失点を喫してしまいます。ベルナルド・シウヴァの落としをフォーデンがシュート。ダンクのブロックで高く浮いたボールをジェズスと競ったロベルト・サンチェスは、前に落としてしまいました。これに反応したベルナルド・シウヴァがつま先で背後に浮かすと、ゴール前にいたギュンドアンがプッシュ。0-0で相手の焦りを誘いたかったホームチームにとっては、痛い失点です。

ブライトンのチャンスは17分。縦パスで右から上がったパスカル・グロスが早いタイミングでグラウンダーを中央に入れると、トラップから振り向きざまに打ったトロサールのシュートは、左に逸れていきました。28分、ベルナルド・シウヴァが中央から仕掛けた鮮やかなカウンター。スルーパスを左で受けたグリーリッシュが、GKとの距離を詰めて右にラストパスを転がし、並走していたフォーデンが無人のゴールに流し込みました。

さらに31分、中央にいたジェズスがボックス左のグリーリッシュにパスを通すと、倒れ込みながら放った右足のシュートは、ロベルト・サンチェスが足でセーブ。リバウンドをジェズスが直接叩くと、フォーデンに当たってコースが変わり、GKの手を弾いて枠に飛び込みました。0-3は、勝負ありでしょう。

42分にボックス手前でロドリのパスミスをカットした決定機は、ソリー・マーチが打ち切れず、モデルのシュートをルベン・ディアスがブロック。1分後にソリー・マーチが右足で打ったミドルは、エデルソンが冷静にセーブしました。前半終了間際にギュンドアンが中央からドリブルで突進し、右にいたフォーデンに流すと、左足のコントロールショットはロベルト・サンチェスの守備範囲です。

後半のマン・シティは、マイボールの時間を増やして速攻をケアすればOK。49分に左からのパスを受けたフォーデンは、力んだシュートを左に外しました。55分、トロサールが左からファーに浮かすと、ゴールに背を向けてトラップしたパスカル・グロスのシュートは、エデルソンの正面にいってしまいました。

果敢に攻めるブライトン。62分にモデルのラストパスでフリーになったトロサールの一撃は決定的でしたが、エデルソンが素晴らしい反応で左に弾き出しました。いつになく守勢にまわる時間が長かったマン・シティは、ボックス内に人数を揃え、シュートとクロスをカットしています。ペップの最初のカードは、75分にギュンドアンをフェルナンジーニョ。77分にはグリーリッシュを下げ、デブライネを投入しました。

ブライトンが1点を返したのは81分。途中出場のムウェプがトロサールの縦パスでボックス左を突破すると、飛び出したエデルソンが倒してしまい、PKを宣告されました。マック・アリスターのキックがGKの手を弾いてゴールイン。1-3となった後は、ブライトンはいい形を創れなくなり、フォーデンに対応させられる時間が増えています。

95分、モデルのバックパスをダンクがうまく止められず、フォーデンが競ったこぼれ球を拾ったフェルナンジーニョがすかさず47番にリターン。87分に入ったばかりのマフレズがノーマークでラストパスを足元に収め、ゴール右に突き刺しました。1-4、マン・シティも快勝。シュート数23本、オンターゲット13本は、奇しくもチェルシーと同じ数字でした。

MVPは、2ゴール1アシストのフィル・フォーデン。シュート8本で枠内4本、パス成功率94%、クロス4本とキーパス2本は文句なしのパフォーマンスです。デブライネがアシストゼロという前代未聞のシーズンですが、右のジェズスと左のグリーリッシュがチャンスメーカーの役割を果たしており、偽9番のフォーデンと神出鬼没のベルナルド・シウヴァを活かすアタックは迫力があります。難敵を下したマン・シティ、次節のプレミアリーグはドロー地獄にはまっているクリスタル・パレスです。