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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Saints】絶品ウォード=プラウズ!セインツを勝利に導いたクロス連発!

アントニオ・コンテ就任以降のプレミアリーグは6勝3分1敗。カラバオカップと前節で激突したチェルシーには3連敗と、地力の違いを見せつけられましたが、それでもトッテナムはTOP4の有力候補といっていいでしょう。プレミアリーグ24節の相手は、12位のサウサンプトン。エンドンベレ、デル・アリ、ロ・チェルソ、ブライアン・ヒルを手離した指揮官は、ユーヴェから連れてきた2人の新戦力をベンチに置いています。

GKロリス、3バックはダヴィンソン・サンチェス、クリスティアン・ロメロ、ベン・デイヴィス。WBにレギロンとエメルソン、中盤センターはホイビュルクとハリー・ウィンクス、前線にソン・フンミン、ハリー・ケイン、ルーカス・モウラ。立ち上がりから攻めていたセインツが、4分に決定機を創りました。左のエルユヌシがゴール前に浮かすと、ファーから抜け出したチェ・アダムスが右足でボレー。至近距離からの一撃は、ロリスが体に当てて難を逃れました。

10分にハリー・ケインが放ったロングシュートは、GKフォースターの正面。今季プレミアリーグ5ゴールのエースは、押されている状況を変えたかったのでしょう。16分、セインツのハイラインの裏を切り裂くカウンター。ダヴィンソン・サンチェス、ルーカス・モウラ、ハリー・ケインとつながり、右からのグラウンダーをもらったレギロンはフリーでしたが、1対1になったフォースターが左足のフィニッシュをブロックしました。

18分、先制はスパーズ。ルーカス・モウラの素晴らしいスルーパスでホイビュルクがボックス右を突破し、ニアにラストパスを転がします。ボールはソン・フンミンと競ったベドナレクの足に触れ、逆を取られたフォースターは反応できず。セインツはすかさず反撃に転じました。21分のウォード=プラウズのミドルは、ロリスがセーブ。CKのクリアを叩いたスチュアート・アームストロングのボレーは、左に逸れていきます。

23分の同点ゴールは、自陣でスリップしたベン・デイヴィスのクリアミスがきっかけでした。チェ・アダムスが中央に浮かしたボールは何とか跳ね返しますが、プローの高速クロスがアルマンド・ブロヤの足元に届き、右足のボレーがネットを揺らしました。チェルシーからレンタルしたダニー・イングスの後継者は、今季プレミアリーグ6ゴールと大健闘。彼が決めた5試合は、2勝3分と負けなしです。

30分、左サイドからスプリントしたエルユヌシがクロスを上げると、スチュアート・アームストロングのヘッドはロリスが左に飛んでセーブ。36分にカイル・ウオーカー=ピータースのロングフィードで裏に抜けたアルマンド・ブロヤは、ロリスとの1対1を左に外してしまいました。40分のスチュアート・アームストロングのミドルは、右ポストぎりぎりにアウト。43分のペローのロングシュートはクロスバーに阻まれました。

セインツの猛攻を遮ったのは、ハーフタイムを告げるホイッスルです。前半のオンターゲットは2対6。後半の最初のチャンスはスパーズでした。レギロンが右に浮かしたFKがダヴィンソン・サンチェスの足元に届き、右足のボレーはニアポストの外。50分のCKのクリアに反応したロメウのダイレクトショットは、クロスバーを越えていきます。

後半のスパーズは、左のレギロンがいい形で持てるようになっています。53分のルーカス・モウラのボレーは左に流れ、1分後にファーに走り込んだハリー・ケインは、叩きつけたヘディングがニアポストの脇に外れました。コンテ監督の1枚めは60分。ホイビュルクのポジションに入ったのは、プレミアリーグデビューとなるベンタンクールです。

68分、セインツの2対2のカウンター。クロスのこぼれ球に先着したウォード=プラウズが強烈なミドルを放つと、コース上にいたベン・デイヴィスが頭でブロックします。スパーズの勝ち越しゴールは、この直後でした。ハリー・ケインが右に流したボールをルーカス・モウラがダイレクトで折り返すと、中央でフリーだったソン・フンミンの左足ボレーが右のサイドネットに決まりました。

75分、ルーカス・モウラが下がってクルゼフスキ。77分にハリー・ウィンクスから敵陣で奪ったアルマンド・ブロヤは、自ら持ち込んで放った決定的なシュートを浮かしてしまいました。ここまでは、スパーズの勝ちゲームだったのですが、セインツにはプレミアリーグ屈指のクロス職人がいます

80分、ウォード=プラウズが右から入れた完璧なクロスを頭で合わせたのは、エルユヌシ。左隅に飛んだボールにロリスが触れず2-2となると、その2分後、ウォード=プラウズがまったく同じような弾道のボールを入れ、今度はチェ・アダムズのヘッドが左隅に吸い込まれました。83分、レギロンに代わってベルフワイン。追加タイムは、トッテナムの猛攻にセインツが耐える時間です。

93分にロメロが頭で折り返したボールをボレーで枠に押し込んだのは、レスター戦の追加タイムにゴールを連発したベルフワイン。同点と思いきや、VARがオフサイドを指摘し、奇跡的な逆転勝利の再現とはなりませんでした。笛が鳴った瞬間、ハーゼンヒュットル監督はガッツポーズ。マン・シティの連勝をストップしたチームが、スパーズから3ポイントをもぎ取りました。

電光石火の逆転劇、スパーズにとっては悪夢の3分。最初のクロスでは、走り込んできたエルユヌシがノーマークで、裏をケアしていたエメルソンが対応しきれず、2発めはエメルソンが競りにいかなかったために、フリーのフィニッシュを許してしまいました。勝ち越されてもひるまず、アグレッシブに攻めたセインツの選手たちのメンタルをリスペクトしたい一戦でした。

押されていた展開をハーフタイムで改善し、勝ち越したときは、さすがコンテと思ったのですが、まさかの連発で勝ち点を失ってしまいました。次節はウルヴス、その次はマン・シティと堅守のチームとの対戦が続きます。彼らに勝ちたいなら、直近のプレミアリーグ3試合で7失点を喫した守備を立て直さなければなりません。週末は、コンテ監督の巻き返しプランをチェックしましょう。打開策はドハーティーか、エリック・ダイアーか…!?


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