2022.03.19 プレミアリーグ観戦記2021-22プレミアリーグ観戦記
【Wolves×Leeds】負傷者トータル5人、追加タイムは20分以上…大荒れの一戦はリーズの大逆転勝利!
前半は11分30秒、後半は9分10秒。イングランドリーグとプレミアリーグを観戦し続けてきたなかで、追加タイムが20分を超えるなどというのは前代未聞です。フライデーナイトのプレミアリーグ30節、ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズVSリーズ・ユナイテッド。大荒れのゲームは、ドラマティックな結末で幕を閉じました。
両者のここまでの足跡は、対照的なラインを描いていました。ホームのウルヴスは、29試合で23失点という堅守を武器に、一時はTOP4争いに食い込む大健闘。2月末からロンドン勢に3連敗を喫したものの、ワトフォード戦とエヴァートン戦でクリーンシートの勝利を収め、満を持してこの試合に臨んでいます。
アウェイのリーズは、15節のブレントフォード戦で主軸のカルヴァン・フィリップスを失ってから、プレミアリーグ14戦3勝1分10敗という絶不調に陥りました。この間は、1試合あたり3点を超える43失点。混乱した守備陣を立て直せないまま、2月末にマルセロ・ビエルサ監督がチームを去り、後任のジェシー・マーシュ監督も課題を解決できずにいます。
23失点しか喫していないチームと、リーグ最多の67失点の対戦と聞いたら、大半のプレミアリーグファンが前者の勝ちと予想するでしょう。さらに「前半はウルヴスが2-0でリード」といわれれば、リーズのサポーターでもホームチームの3ポイントに転ぶのではないかと思われます。何しろ、今季のウルヴスは、1試合3失点以上がゼロ。ビッグ6との8試合で7失点しかしていないチームです。
さて、ここからは前半の展開をレポート。史上稀に見る長い追加タイムの理由を説明しつつ、リーズがいかに不利だったかをアピールすることとしましょう。最初の事件は、21分。ロゴリゴの浮き球を追ったバンフォードが、着地した際に足を痛め、プレー続行不可能となりました。半年の長期離脱から戻ったばかりのエースストライカーは、3試合100分で再びリタイアです。
その直後、ルベン・ネヴェスも負傷リタイアとなり、トリンコンがピッチへ。右サイドに入ったばかりの11番は、ジョアン・モウティーニョが縦に出した完璧なスルーパスで、いきなり右サイドを突破します。ニアで待っていたホニー・カストロが左隅に決め、1-0。リーズは重いビハインドを背負い込む展開になりました。
カルヴァン・フィリップスもエースもいないチームは、40分に2人めの離脱者を出しました。腰を押さえてピッチサイドに戻ってきたのは、最終ラインの軸としてプレイしていたディエゴ・ジョレンテ。3人の負傷もあって止まりがちだった前半は、追加タイム8分と表示されていたのですが、3分を過ぎてからクリヒが頭を強打し、ピッチ上で応急処置を施されました。
代役は、19歳のチャーリー・クレスウェル。カルヴァン・フィリップスもエースもセントラルMFもCBも失ったチームは、「前半56分」にポデンスの折り返しをトリンコンに決められ、2-0でハーフタイムを迎えました。チームの背骨となる中央の選手を失い続けていたジェシー・マーシュ監督は、キックオフから5分も経たないうちに転倒した選手を心配そうに見つめています。
右サイドから飛び出してきたラウル・ヒメネスと激突したのは、GKのイラン・メシエ。試合が始まってから1時間も経たないうちに、リーズは4人の主力が負傷リタイアとなってしまいました。クリヒは頭部の打撃でピッチを離れていたため、4枚めのカードが認められ、ゴールマウスにはクラーセン。絶体絶命となったリーズですが、勝負のターニングポイントとなったのは、激しいコンタクトに対して掲げられたラウル・ヒメネスへの2枚めのイエローカードでした。
10人対11人となったゲームが動いたのは、63分。コッホのサイドチェンジをクリアしようとしたアイ・ヌーリがヘッドを空振りし、アイリングに裏を取られてしまいました。最初のシュートは左のポスト。リバウンドを取った2番は、2本めもゴールラインまで戻ったコーディーにクリアされますが、ジャック・ハリソンが冷静にプッシュしてギャップは1点に詰まりました。
さらび3分後、アイリングの素晴らしいロングフィードでダニエル・ジェームズが裏に抜け出します。ダイレクトでふわりと浮かしたボレーがバーにヒットし、左に落ちたボールを再度叩くと、GKジョゼ・サが体を張ってブロック。逆サイドにいたサイスがクリアして終わるはずだったのですが…!痛恨のミスキックでボールは真上へ。競って奪ったグリーンウッドがロドリゴに落とすと、ジョゼ・サを抜き去って打ったシュートがコーディーに当たってネットを揺らしました。
あっという間の2-2。こうなると、もうわかりません。元気を取り戻したリーズの猛攻は実らず、90分を超えてすぐに、メシエの治療時間をカウントした追加タイムが「8」と表示されました。右からのFKがファーに上がり、アイリングがヘッドで折り返すと、混戦からこぼれたボールが2番の足元に転がります。ジョゼ・サにぶつける強引なシュートがネットに刺さり、2-3!アイリングは、3つのゴールに絡む大活躍です。
96分にコッホがピッチに座り込むと、マーシュ監督はピッチに背を向けて俯いています。5番は大事に至らず、3分後にようやくタイムアップ。大逆転勝利は代償も大きく、クリヒ以外は復帰に時間を要するかもしれません。ベンチにいたカルヴァン・フィリップスは、次戦からスタメンに戻るのでしょうか。必死のアタックでウルヴス守備陣の動揺を誘い、ライバルを引き離す貴重な3ポイントをゲットしたリーズですが、最後まで苦しい戦いが続きそうです。(ルーク・アイリング 写真著作者/Nsythe)
両者のここまでの足跡は、対照的なラインを描いていました。ホームのウルヴスは、29試合で23失点という堅守を武器に、一時はTOP4争いに食い込む大健闘。2月末からロンドン勢に3連敗を喫したものの、ワトフォード戦とエヴァートン戦でクリーンシートの勝利を収め、満を持してこの試合に臨んでいます。
アウェイのリーズは、15節のブレントフォード戦で主軸のカルヴァン・フィリップスを失ってから、プレミアリーグ14戦3勝1分10敗という絶不調に陥りました。この間は、1試合あたり3点を超える43失点。混乱した守備陣を立て直せないまま、2月末にマルセロ・ビエルサ監督がチームを去り、後任のジェシー・マーシュ監督も課題を解決できずにいます。
23失点しか喫していないチームと、リーグ最多の67失点の対戦と聞いたら、大半のプレミアリーグファンが前者の勝ちと予想するでしょう。さらに「前半はウルヴスが2-0でリード」といわれれば、リーズのサポーターでもホームチームの3ポイントに転ぶのではないかと思われます。何しろ、今季のウルヴスは、1試合3失点以上がゼロ。ビッグ6との8試合で7失点しかしていないチームです。
さて、ここからは前半の展開をレポート。史上稀に見る長い追加タイムの理由を説明しつつ、リーズがいかに不利だったかをアピールすることとしましょう。最初の事件は、21分。ロゴリゴの浮き球を追ったバンフォードが、着地した際に足を痛め、プレー続行不可能となりました。半年の長期離脱から戻ったばかりのエースストライカーは、3試合100分で再びリタイアです。
その直後、ルベン・ネヴェスも負傷リタイアとなり、トリンコンがピッチへ。右サイドに入ったばかりの11番は、ジョアン・モウティーニョが縦に出した完璧なスルーパスで、いきなり右サイドを突破します。ニアで待っていたホニー・カストロが左隅に決め、1-0。リーズは重いビハインドを背負い込む展開になりました。
カルヴァン・フィリップスもエースもいないチームは、40分に2人めの離脱者を出しました。腰を押さえてピッチサイドに戻ってきたのは、最終ラインの軸としてプレイしていたディエゴ・ジョレンテ。3人の負傷もあって止まりがちだった前半は、追加タイム8分と表示されていたのですが、3分を過ぎてからクリヒが頭を強打し、ピッチ上で応急処置を施されました。
代役は、19歳のチャーリー・クレスウェル。カルヴァン・フィリップスもエースもセントラルMFもCBも失ったチームは、「前半56分」にポデンスの折り返しをトリンコンに決められ、2-0でハーフタイムを迎えました。チームの背骨となる中央の選手を失い続けていたジェシー・マーシュ監督は、キックオフから5分も経たないうちに転倒した選手を心配そうに見つめています。
右サイドから飛び出してきたラウル・ヒメネスと激突したのは、GKのイラン・メシエ。試合が始まってから1時間も経たないうちに、リーズは4人の主力が負傷リタイアとなってしまいました。クリヒは頭部の打撃でピッチを離れていたため、4枚めのカードが認められ、ゴールマウスにはクラーセン。絶体絶命となったリーズですが、勝負のターニングポイントとなったのは、激しいコンタクトに対して掲げられたラウル・ヒメネスへの2枚めのイエローカードでした。
10人対11人となったゲームが動いたのは、63分。コッホのサイドチェンジをクリアしようとしたアイ・ヌーリがヘッドを空振りし、アイリングに裏を取られてしまいました。最初のシュートは左のポスト。リバウンドを取った2番は、2本めもゴールラインまで戻ったコーディーにクリアされますが、ジャック・ハリソンが冷静にプッシュしてギャップは1点に詰まりました。
さらび3分後、アイリングの素晴らしいロングフィードでダニエル・ジェームズが裏に抜け出します。ダイレクトでふわりと浮かしたボレーがバーにヒットし、左に落ちたボールを再度叩くと、GKジョゼ・サが体を張ってブロック。逆サイドにいたサイスがクリアして終わるはずだったのですが…!痛恨のミスキックでボールは真上へ。競って奪ったグリーンウッドがロドリゴに落とすと、ジョゼ・サを抜き去って打ったシュートがコーディーに当たってネットを揺らしました。
あっという間の2-2。こうなると、もうわかりません。元気を取り戻したリーズの猛攻は実らず、90分を超えてすぐに、メシエの治療時間をカウントした追加タイムが「8」と表示されました。右からのFKがファーに上がり、アイリングがヘッドで折り返すと、混戦からこぼれたボールが2番の足元に転がります。ジョゼ・サにぶつける強引なシュートがネットに刺さり、2-3!アイリングは、3つのゴールに絡む大活躍です。
96分にコッホがピッチに座り込むと、マーシュ監督はピッチに背を向けて俯いています。5番は大事に至らず、3分後にようやくタイムアップ。大逆転勝利は代償も大きく、クリヒ以外は復帰に時間を要するかもしれません。ベンチにいたカルヴァン・フィリップスは、次戦からスタメンに戻るのでしょうか。必死のアタックでウルヴス守備陣の動揺を誘い、ライバルを引き離す貴重な3ポイントをゲットしたリーズですが、最後まで苦しい戦いが続きそうです。(ルーク・アイリング 写真著作者/Nsythe)
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