イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【LIVE観戦 MAN.UTD×WBA】 香川真司が戻ってきた!

2012年12月29日、マンチェスター、オールドトラフォード。香川真司が、2ヵ月ぶりに戻ってきました。この日、はじめて生でユナイテッドの勝利を目にしました。2-0、完勝でした。

ロンドンから前日、リヴァプールに入り、試合当日の昼過ぎにリヴァプールライムストリート駅から電車に乗り込みました。イングランド北部ののどかな景色を1時間足らず楽しめば、やがてレンガ色の建物やグレーのビルに風景の色は変わり、ほどなくマンチェスターオックスフォード駅に到着。そこからトラムに乗り、10分ほどすればオールドトラフォードです。イングランドに来てから、雨の降らない日は1日もありません。この日も小雨が降り続け、そしてロンドンより心なしか寒い。前日、ホテルで読んだインディペンデント紙の予想によれば、A.ヤング、バレンシア、ファン・ペルシー、チチャリートが先発、香川は控え。24日に全体練習に入ったと報道がありましたが、果たしてベンチに入るのでしょうか。せっかくの機会なので、できればピッチでその勇姿を観たい。そう思いながら、スタジアムのメガストアで26番のユニフォームを購入しました。10番(ルーニー)とどちらにしようか、少し迷ったのですが、彼の入団間もないこのタイミングでここに来たことを思えば、やはり。

香川入団の報道が出始めたときは、正直、複雑な心持ちでした。長きにわたり応援しているチームに、日本のエースが入るという夢のような話に興奮しつつ、トップ下というポジションのないマンチェスター・ユナイテッドで機能するのだろうか、試合に出してもらえないのなら他クラブにいったほうがいいのではないか、という不安や心配も半分。元来の天邪鬼な性格も手伝い、香川が入ったらうれしいかと聞かれると「アーセナルやリヴァプールのほうがフィットするのではないか」と答えていました。そんなに簡単にうまくいくものではない、と半ば自分に言い聞かせるように。

ところが、サー・アレックス・ファーガソンがプレミアリーグ最終戦の前日にドイツカップ決勝の視察に訪れ、そこからあっという間に契約がまとまり、チームに合流するとすぐに、今までこのチームに存在しなかったトップ下で練習試合にも出場し、開幕のエヴァートン戦でスタメン。サー・アレックスはリップサービスも多いので、香川は素晴らしいといくら言われても、どこか疑心暗鬼だったわけですが、ここまで来ると「彼は香川でチームに変革をもたらそうとしている」ことは事実だったのだと、いやおうがなくテンションが上がります。開幕戦で奮闘する赤いユニフォームの彼の姿をTVで見て、すぐに決めました。これは、現地にいくしかない、と。

この日取った席は、バックスタンドの前から2番目、目の前がすぐピッチという席でした。試合前の練習では香川は黒のジャージを履いており、これは控えかなと思えば、復帰戦でいきなりスタメン!試合前にメインスタンド前に並ぶ11人のなかに26番を見つけた時、最高に盛り上がりました。間に合って、よかった。

キックオフから間もなく、ユナイテッドが試合のペースをつかみます。香川は後ろに下がってビディッチやエヴァンスからパスを受け、シンプルにつなぎ、攻撃のリズムを作っていきます。そして9分、先制!アシュリー・ヤングからのパスを、香川が浮き球のワンツーで返すと、ディフェンダーが先に足を出すも対応しきれずヤングにこぼれ、中に折り返した強いボールがディフェンダーの足に当たり、オウンゴール。幸先いいスタートをきり、完全にユナイテッドがゲームを掌握します。33分には香川の右サイドへのスルーパスからバレンシアが中にグラウンダーの速いパスを送り、逆サイドから中央に詰めたヤングが打ったシュートがバーをたたくなど、いくつかチャンスがあったものの決めきれず、1-0でハーフタイム。最少得点差ながら、危なげない前半でした。
香川を起点にいくつかチャンスは作れたものの、彼自身は前半、シュートを打てず。相手のディフェンスラインギリギリにスペースを見つけて入り込み、半身でパスを待ってゴールを狙おうとする香川らしいシーンが数回、あったのですが、彼のほしいタイミング、ほしい形でボールが出てきません。これは今後、周囲との相互理解を高め、ひとつの崩しの形にまで熟成させてほしい。トッテナム戦でファン・ペルシーのスルーパスを受けて決めたときのような、彼らしいゴールを観たい。

後半に入って、香川はこの試合はじめてのシュートを放ちますが、ディフェンダーがブロック。66分までプレーして、ファン・ペルシーと交代しました。その後、なかなか追加点が奪えず、相手にボールを持たれる時間が増え、ストレスが徐々にたまり、今日は不完全燃焼のまま終わりそうだな、と思い始めた89分、エースが個人力で状況を打開します。ペナルティエリアすぐ外、中央やや右、得意の左足からの強いミドルシュート、ゴール!過密日程のため、この日は途中までベンチで休んでいたファン・ペルシーが試合を終わらせてくれました。GKデヘアは今季初のクリーンシート(=0点で抑えること)。

15時30分キックオフの試合でしたが、ハーフタイムには空はすでに暗くなっており、スタジアムを出る頃はすっかり夜。好きなクラブゆえ要求が高く、試合中はやきもきしましたが、終わってみればいい試合でした。クレバリーにかなり成長感があり、最近サイドでいまひとつだったウェルベックは、真ん中でプレーをすればおもしろいとあらためて実感。相手を選ばずコンビネーションをとれるので、ルーニーが戻ってきても、いいオプションとして機能するはずです。何よりも大きな収穫は、ビディッチの本格復帰です。身長はさほどありませんが、ヨミがよく、身体能力が高いので、クロスが入った時に落下点で最初に触る率が極めて高い。彼がいることでラインコントロールの安定感も増し、久しぶりにポカのないディフェンスラインを見ました。

2月になればルーニーが戻ってきて、香川のフィット感も高まる。そこで、レアルに勝つ。はじめて現地での勝利を味わい、その興奮をそのままに、マンチェスターピカデリー駅から、リヴァプールへ。翌日30日は、グディソンパークでエヴァートン対チェルシー戦です。


香川、バレンシア、スモーリングの絡みを間近で。香川はよく声も出ていました。

試合前、ウォームアップ中の香川とファン・ペルシーです。

—–

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す