【Chelsea×Tottenham】 トッテナム、CL出場権が遠のく無念のドロー
ゲーム開始からしばらくは、両チームとも慎重モード。時間が進むにつれ、プレミアリーグでの得点量産はないものの最近動きがよくなっているF.トーレスとマタを中心に、チェルシーがチャンスを作り始めます。先制は11分。マタの右からのCKをニアサイドにいたケーヒルがヘッドで角度を変え、ゴール左隅でDFのマークを外したオスカルが頭で叩き込みました。ボールが入る前にオスカルはゴール前に飛び出しており、おそらくこれは練習を重ねたサインプレーなのでしょう。ここ一番で、左のオスカルにピタリと合わせたケーヒルのファインプレイです。
この1点で、ホームチームが勢いづくかと思いきや、ここからトッテナムの逆襲が始まりました。26分のアデバヨルの同点弾は、完全なる個人技。左から40メートルほどを単独で持ち上がり、GKの位置を見てゴール右上に狙いすましたコントロールショット。名手チェフが、その弾道を見つめることしかできない完璧な1発でした。ドリブルで抜かれることを恐れ、ナーバスになりすぎたチェルシーDF陣が間合いを詰められず、アデバヨルを自由にしたことが失点につながってしまいました。
しかし39分、チェルシーが再度、勝ち越します。F.トーレスが右からドリブルで突破を図り、一瞬縦のコースが空いたところをタイミングよく短いスルーパス。これに反応したラミレスが、GKロリスの飛出しより一瞬早くトゥキックでシュート。これがゴール左に突き刺さり、ホームのスタンフォードブリッジでは負けられないチェルシーが1点リードのまま、後半に入ります。
後半も、トッテナムの自由を奪い続け、速攻を仕掛けるチェルシー。56分、アザールが裏へ抜け出し、GKロリスと1対1。追加点を重ねる絶好のチャンスでしたが、シュートはゴール上へ。これを決められれば、攻めあぐむトッテナムを絶望の淵に追い込めたのですが…。両者決め手を欠き、残り時間がなくなっていくなか、最近のゲームで効果的な選手交代が当たっているヴィラス・ボアス監督は、状況を変えるべくカードを切り始めます。62分にレノンを下げ、シグルズソン。70分にはホルトビーをデンプシー。必死の打開策が実ったのは80分。決めたのは、交代で入ったシグルズソン。またもやヴィラス・ボアスの打ち手がドンピシャで当たりました。左DFアス・エコトが裏を狙ったパスに、オフサイド気味に飛び出したアデバヨルが追いつき、ヒールで流すと、それを受けたシグルズソンがインフロントで巻いて右隅を狙います。ボールはダイブするチェフの左手の先を抜け、同点!トッテナムは、あと1点で、アーセナルをかわして4位に浮上します。入るのか、入らないのか。来季の可能性を大きく変える、今季、いちばん重みのある1点の攻防です。攻めるトッテナム。しかし…。
2-2になってからは両者ともこれといったチャンスを作れず、このままタイムアップ。チェルシーは3位をキープし、トッテナムにとっては自力での4位以上獲得の芽がつぶれる痛いドローとなりました。
残り2試合となりましたが、3位チェルシーは、アストンヴィラとエヴァートン。4位アーセナルはウィガン、ニューカッスル。5位トッテナムはストーク、サンダーランドとのゲームを残しています。エヴァートンとストーク以外は残留争い真っただ中とあって、波乱含みではありますが、アーセナルが崩れない限り、トッテナムは来季もELで戦うことになります。どんでん返しは起こるのでしょうか。今週末、プレミアリーグ37節。3チームの行方を見守りながら、もうひとつの大事なゲームを見届けたいと思います。
そう、サー・アレックス・ファーガソン監督、オールドトラフォードでのラストマッチです。
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