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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×Liverpool】 ジェラードとアグエロ、これぞ名人芸!

マン・シティは首位にこれ以上離されたくない、リヴァプールは勝ち点の伸びない上位に喰らいついていきたい、それぞれの思惑が交差する好カード。スタメンは、両チームとも現在考えうるベストです。これは、ワクワクしますねぇ…。

開始早々から、シティのチェイシングの深いこと。リヴァプールDFがまわすボールをペナルティエリアの前まで追いかけるジェコやアグエロの背中から、この試合に賭ける意気込みが伝わってきます。1分、ダヴィド・シルバが挨拶代わりのミドル。これはレイナがフィスティングで上にクリア。その後しばらくはシティの時間が続きますが、リヴァプールも対抗してカウンターからシティゴールを脅かします。

カウンターがうまいFWの条件は、ひとりふたりなら瞬時にかわせる速いドリブルがあること、判断が早くタイミングが読めること、ボールタッチが柔らかいことだと思います。リヴァプールの前線2人は、カウンターアタックをさせたらプレミアトップクラスですね。スタリッジのスピードとボールタッチ、スアレスのパスタイミングやGKとの間合いを読む力は、素晴らしいのひとことです。

13分にスタリッジがGKジョー・ハートをトラップで交わすもサバレタが戻ってブロック。その後さらにカウンターから左サイドをスタリッジが抜け出し、スアレスにラストパスを送るもシュートはうまくヒットせず。速い攻撃で再三、ゴールを脅かされ、シティペースだった試合は徐々にリヴァプールのものに傾いていきます。その流れを遮断したのは、23分にダヴィド・シルバが左サイドでミルナーに出した一発のダイレクト・スルーパスでした。縦に抜けてフリーになったミルナーからの正確なグラウンダーを、ゴール前にフリーで現れたジェコが簡単に合わせ、シティが先制します。

そのままシティの流れになるかと思われましたが、28分、リヴァプールが同点に追いつきます。ジェコが倒れ、うずくまっている間に前線に持ち込んだリヴァプール。シティサポーターからは「倒れているのだから外にボールを出せ」と大ブーイング。リヴァプールは球をまわしながら、続行しても差し支えないと判断したのでしょう、スタリッジの有無をいわせぬ高速ミドルシュートにハート触れず、1-1。ボールを出すのか出さないのかがはっきりしないなかで、シティのディフェンスも集中力を欠いていたように見えました。鳴り止まないブーイング。決めたスタリッジは喜びを表現しません。ともあれ、試合は振り出しに戻りました。

前半は同点のまま終了。ゴールの匂いのするシーンは、リヴァプールのほうが多かったのではないでしょうか。後半に入っても、先に攻勢をかけたのはアウェイの赤いユニフォーム。スアレス、スタリッジ、ダウニングを中心に、ボールを奪うと少人数で一気に攻め上がります。53分にはスタリッジがゴールエリア内で倒されるも、シミュレーションの判定でイエローカード。リヴァプールペースかと思われたこのあたりから、シティが戦術の修正をかけてきます。コラロフを投入し、常に後ろに人数がいる状態をキープ。両チームとも「攻めは少人数ですばやく、守りは安全に」で時間が過ぎていきます。

このにらみ合いを打開する、名人芸ともいうべき一発が出たのが72分。ゴール前に上がったクロスをディフェンダーがヘッドでクリア、そこにいたのがスティーブン・ジェラードでした。ゴール左隅に飛んだミドルシュートは、ゴールラインの直前でバウンドするキーパーがいちばん触りにくい弾道。ここにシュートすれば、ゴール前の枚数など関係ないだろ?といわんばかり。これで勝ち越し!

リヴァプール、アウェイで勝利か?しかし、このアドバンテージは5分しか持ちませんでした。名人芸には名人芸を、とばかりに決めたのはアグエロ。77分、左サイドに出た縦パスを取ろうと、GKレイナが中途半端にゴールマウスを出たところを鼻先でさらい、角度のないところから「ここしかない」というコースに柔らかい浮き球シュート。入った瞬間、表情が動かないレイナ!今夜は眠れないでしょう。またもやイーブンに戻った試合は、89分にスタリッジのミドルをハートが止めると、その後はどちらもチャンスを作れないまま、2-2で終了。お互い痛いドロー。

ダヴィド・シルバとジェラード、アグエロとスタリッジ。両チームの司令塔とスピードスターの競演で、双方一歩も譲らない見ごたえのあるゲームでした。「コンパニとヤヤ・トゥレの不在が痛いマン・シティ」「新戦力がフィットし、好調キープのリヴァプール」といったところでしょうか。個人的には、いちばん言いたいのは「なんでスタリッジ出しちゃったの?チェルシー!」かな。

(写真著作者:Nigel Wilson)

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