【Norwich×Chelsea】モウリーニョ采配お見事!と言わざるをえない、あっという間の2ゴール
キックオフ直後から、ロングボールをデンバ・バやシュールレに集めるチェルシーですが、わずか4分で先制点を奪います。中盤からの縦へのロングパスに反応したデンバ・バが絶妙のトラップ(VTRを観ると右手に当たってました…)でこれを足元に収め、走り込んできたオスカルに落とすと、ペナルティエリアの左隅、いわゆる「デルピエロ・ゾーン」からのダイレクトシュートが見事に右サイドネットに突き刺さります。エトーを差し置いてスタメン起用されたデンバ・バは、その好調さがモウリーニョ監督の目に留まったのでしょう。13分には左サイドを縦に抜け出し、GKラディが何とか指先でクリアする好シュートを放ち、20分にもGKとの競り合いを制してあわや2点めというチャンスを作ります。23分のシュールレのミドルシュートのシーンもそうですが、チェルシーの攻撃は手数が少なく、とにかくシンプル。ダヴィド・ルイスやランパード、ラミレスからの前線へのフィードが早く、ノーウィッチDFは気が抜けません。
それでもチェルシーの攻撃をターナー、バソングを中心としたDF陣がしのぐと、前半途中からノーウィッチも反撃を開始します。22分、右からのクロスをハウソンがGKチェフの鼻先でプッシュした前半最大のチャンスは惜しくもブロックされてCKに。40分には、左からのクロスをヘッドで折り返したボールにハウソンが粘り、最後はテティがミドルを放つもシュートは枠の外。スノッドグラスのミドルもCKからのバソングのボレーも決まらず、0-1のままゲームは後半に入ります。
後半開始早々のデンバ・バのヒールシュートが外れると、その後はノーウィッチペース。チェルシーの運動量が明らかに落ち、ピルキントンを中心に、左サイドからのチャンスメイクでチェルシーDFを脅かします。サイドからのいい崩しはあるものの、ヴォルフスヴィンケルやスノッドグラスのフィニッシュがいま一歩及ばず、ゴールが遠かったノーウィッチでしたが、68分にゲームを振り出しに戻します。左からのクロスをヴォルフスヴィンケルがヘッドで中に折り返すと、そこに入ってきたのはピルキントン。ゴールラインに落としたヘディングシュートに、チェフは触るのがせいいっぱい。1-1の同点となり、かさにかかって攻めるホームチーム。逆転の期待に、スタジアムはこの日いちばんの盛り上がりを見せます。
この悪い流れを断ち切ったのは、モウリーニョ采配でした。デンバ・バを73分に諦め、エトーにスイッチすると、75分にはアシュリー・コールをアザールに変え、3バックにして前線を手厚くします。さらに81分、球離れのいいプレイとDFの裏をとる好配球で中盤を支えていたマタをウィリアンにチェンジ。この適材適所の起用が、ラスト5分からの2ゴールの起爆剤となります。
85分、CKからのこぼれ球をウィリアンが前線につないでカウンター開始。ゴール前でDFの中途半端なクリアをアザールが拾うと、右足シュートはGKラディの脇をすり抜け、チェルシーがついに勝ち越します。その1分後には、ウィリアンの右からのミドルがゴール左上に突き刺さり、あっという間の1-3。交代選手2人が立て続けに2点を決めたら、監督を称賛しないわけにはいかないでしょう。モウリーニョ監督が素晴らしいのは、交代の判断が早く、意図がわかりやすいところです。すっかり静かになったキャロー・ロード。タイムアップを待たずに帰るノーウィッチサポーターの背中が目立つようになると間もなく、タイムアップの笛の音。苦しいゲームでしたが、チェルシーにとって貴重な勝ち点3です。
ようやくマタが新しいチームにフィットし始め、ウィリアンがその実力を見せたのがチェルシーの収穫でしょう。後はプレイの波が激しいシュールレの覚醒と、ゴールを決められないFW陣の奮起だけ。ようやく波に乗れるのでしょうか。プレミアリーグ上位クラブは、戦力が豊富で、勝負師が指揮をとるこのチームを調子にのせてはいけません。(オスカル:写真著作者/Валерий Дудуш/Walerij Dudusz/Valey Dudush ウィリアン:写真著作者/Голубович Дмитрий)
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ノリッチは2失点目の喰らい方がなんとも残念でした。CKから失点まで5,6回ミスしてますね。「なんじゃそのCK、ああ、ああ、おい!おい!!止めっ!あぁ・・・」って感じになりました。
しかしおっしゃる通り、試合中の采配に関してモウは次元が違いますね。他に采配が上手いのはAVBとロジャースだと思ってますが、この2人とモウとの差もまた歴然です(そもそもロジャースにはあまり駒がないですが)。
スパーズ戦も采配で勝ち点奪ったようなもんでしたし、結局「モウの力でチェルシー優勝」ってシーズンになるんじゃないですかね。
トーレス下さい。あ、赤い方ね さん>
失礼しました。変な返信をしてしまいましたが、そちらは無視していただいて、これがお返事です。
「リスクを承知で攻める」「交代のタイミングやポジションを見極め、勝ちにいきながらもリスクを最小限にする」という相反する2つのテーマを両立する采配がとれるのが、マネジメントで勝利を創れる名監督のひとつの条件だと思います。これができるプレミアリーグの監督は、今やモウリーニョ、ロジャース、ポチェッティーノでしょう。(ヴィラス・ボアスとヴァンゲルは保守的、モイーズは決断力に欠け判断が遅い、ペジェグリーニも逆転されないと動かないことがある)
サー・アレックスのチチャリートやギグスの投入の仕方はときどき絶妙にうまくて、サポーターとして相当盛り上がりましたね。いい将棋を観戦しているような勝負をときどき楽しめるといいなと思います。
ポチェッティーノも采配上手なんですね、知りませんでした。リバポ攻略が非常に巧みなので分析力があるなとは思ってましたが。
しかし彼は英語覚える気ないんですかね。「まだ若いんだし甘えてないで覚えろい」と言いたくなります。
好きなんですよ、富も名声もある監督様が子供のような英語をインタビューで披露するとこが笑。マンチーニなんかは下手なりに愛嬌があって実に良かった。アンチェもベニも味がありましたね。