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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Everton】プレミアリーグらしいスピーディーなせめぎ合い。制したのはアデバヨル!

 今週のプレミアリーグの目玉である「マージ―サイドVSノースロンドン対決」第二弾。昨日の第一弾は、マージ―サイドが20分で4点ぶち込んでプレミアリーグ首位を戦意喪失させるという意外なゲームでしたが、この日はロンドン、ホワイト・ハート・レーンでの対決であり、トッテナムはエヴァートンのやりたいようにはさせないでしょう。1点を争う緊張感の高い展開か、さもなければどちらかの圧勝か。そんな予想をしながら注目の試合を観ましたが、さすがシャーウッド監督とマルティネス監督です。スピードあふれる攻撃と、対応の早いディフェンス。プレミアリーグらしいきびきびした試合運びは、1点を争う「シブすぎるナイスゲーム」でした。

試合は、どちらがホームかわからなくなるような、エヴァートンの圧倒的な攻勢で幕を開けました。2分にレオン・オスマンが最初のシュートを放つと、6分のネイスミスの一撃は、GKロリスが横っ飛びでビッグセーブ。ルカクという大黒柱を欠き、若手のトップ下、ロス・バークリーをベンチスタートと守備的な布陣で臨んだエヴァートンでしたが、前線に入ったレオン・オスマンとネイスミス、左のピーナールの運動量が素晴らしく、攻撃のキーマン不在を感じさせないサッカーを展開します。

対するトッテナムも、すっかりエースに定着したアデバヨルがDFの裏を伺い、完全復帰したパウリーニョとデンベレが中盤をまとめ、エヴァートンのペースに持ち込ませない落ち着いた対応をみせます。この日は、攻撃を仕切るMFエリクセンのキラーパスは不発でしたが、DFラインは終始冷静。激しい中盤での攻防は見どころたっぷりで、前半半ばを過ぎると両者ともシュートを簡単に打たせないゲームへとシフトします。前半は0-0。勝負はラスト45分に持ち越されます。

おそらく、マルティネス監督は勝負をかけにいったのでしょう。後半開始からしばらくは、ピーナールやレイトン・ベインズが左サイドを制圧したエヴァートンのペース。ゴールライン際までえぐる突破を再三仕掛けますが、トッテナムは中央でこれを抑え、決定的なチャンスを創らせません。63分にはピーナールをロス・バークリーに代え、エヴァートンが勝負を決めにいきます。このままエヴァートン攻勢、トッテナム受けのまま終盤に流れ込むのかと思われた65分、ホームチームが一瞬のスキをついて先制します。

中盤でトッテナムがファールを受け、一瞬エヴァートンの選手たちが足を止めたとき、ひとりだけゲームを再開している選手がいました。ディスタンの裏でボールを呼ぶ合図をするのは、トッテナムのエース、エマニュエル・アデバヨル。これに気づいたキッカーのカイル・ウォーカーは、すかさず前線にフィード。ここからのアデバヨルは、トラップも左ゴールポストスレスレのシュートも完璧でした。1-0、リードを奪ったのは、チャンスの数ではエヴァートンに負けていたトッテナムでした。

リードされたマルティネス監督は、73分に疲れのみえたネイスミスとレオン・オスマンを代え、この冬新加入のアイルランド代表MFマクギーディと、背番号10の隠し玉デュルフォーに攻撃を託します。ところが、ここから先でチャンスが多かったのは、リードを奪ってからは直線的でシンプルな攻撃に徹したトッテナムのほうでした。85分に登場したのは、この試合でプレミアリーグを去るジャーメイン・デフォー。彼の最後の挨拶は、追加タイムに右から突破して放った強烈なシュート。力んだのか、うまくボールを捉えきれず、ラストゴールはなりませんでしたが、ゴール裏のスパーズサポーターは大歓声です。結局、1-0でタイムアップ。エヴァートンは、直接のライバルとのシックスポインターで勝ち点を失い、6位に後退しました。

両者の差は、決定力でしたね。先週、スパーズがハル・シティとドローに終わったときは、マンチェスター・シティ戦で大敗したショックが残っているのかと心配しましたが、この日のクリーンシートで完全に払拭したでしょう。片やエヴァートンのほうは、年末にサンダーランドにグディソン・パークで不覚をとってからというもの、すっかりアウェイで勝てなくなり、停滞気味です。少人数で激しい運動量を求めるマルティネスサッカーを続けているので、疲れがたまっているのだと思われますが、であればフレッシュなマクギーディ、ケガから戻ったデュルフォー、モナコから獲得したラシナ・トラオレらの早期の活躍が求められます。ライバルが多い混戦状態なので、ここで落ちたチームは、春からの巻き返しはきかないでしょう。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ出場権をめぐる戦いは、この2月が正念場です。

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