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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Arsenal】「モヤモヤダービー」を制したのは開始直後のゴールを守ったアーセナル!

最初の10分しか自分たちのサッカーができなかったアーセナルと、フィニッシュのアイデアがなさすぎて圧倒的なボールポゼッションを結果につなげられなかったトッテナム。プレミアリーグ第30節、エキサイティングなバトルを期待していたノースロンドンダービーは、現在の両者の苦しさが浮き彫りになったサバイバルゲーム。前半2分にロシツキのスーパーゴールで挙げた1点を守り切ったアーセナルが勝ち点3をゲットして、2時間半前に勝利したリヴァプールとともにチェルシーとの差を詰め、プレミアリーグの優勝争いに残りました。

開始早々、右サイドでボールを受けたロシツキは、すぐ内側から裏に抜けようとしたチェンバレンにタイミングのいいパスを通しますが、チェンバレンがうまくボールをさばけず、ボールは内に入ろうとしたロシツキの足元にこぼれます。この1点は、瞬時の判断でシュートを選択したこと自体がファインプレーでした。ロシツキの迷いのないミドルは、トッテナムGKロリスの右手の先を抜け、ゴール左隅に突き刺さります。あっという間の0-1。マンチェスター・シティ相手の11失点をはじめ、今季のプレミアリーグで大量失点の多いトッテナムは、この後の88分で何点奪われるのかと不安にさせられるスタートです。しかし、ライバルの幸先いい先制点は、むしろ彼らのエンジンに燃料をつぎこむきっかけとなりました。

アーセナルの先制ゴールから10分を過ぎると、ホームチームが完全にボールを支配しますが、残念ながらアデバヨルにラストパスを出す以外にゴールへの道筋がなく、アーセナルに再三、カウンターを許します。15分にはチェンバレンがハーフライン付近から独走し、GKロリスの飛び出しをみてシュートを放ちますが、焦ったシュートは左に逸れていきます。27分には左からポドルスキがドリブルで仕掛け、グラウンダーのラストパス。これはロシツキとの呼吸が合わず、フォローしたチェンバレンのシュートもうまく当たりません。トッテナムのチャンスは29分のFK。右の絶好の位置からのシュートは名手エリクセンが枠を捉えきれず。35分にはまたもアーセナルが逆襲からチャンスをつかみ、ポドルスキがニアサイドを狙ってGKロリスをあわてさせます。アーセナル攻撃陣でいちばん動きがよかったチェンバレンは、いざシュートとなるとことごとく枠を外し、39分のロシツキのお膳立てを活かせません。

前線からの積極的なチェックはよかったものの、DFラインの背後に脆さを抱えるトッテナムでしたが、アーセナルもまたシュートの精度を欠き、お互いにゴールが遠い展開。縦へのパスを焦るアーセナルは、トッテナムの圧力に抗しきれず、ビルドアップの段で囲まれて苦し紛れのパスを奪われます。点差はわずか1点。このまま勝ちきるには、あまりにも長い残り時間。後半、アウェイチームはどういう形で逆襲に転じるのか。お互いのミスをつつき合う試合展開に、レベルの高い攻防は望むべくもありませんが、こういったゲームで勝ちきることができるかどうかが、長いプレミアリーグの最終的な結果を左右するはずです。

後半に入り、GKシュチェスニーのファンブルからピンチを招いたアーセナルでしたが、コシールニーとメルテザッカーの落ち着いたカバーで最大のピンチを逃れます。51分には、タウンゼントの突破からシャドリがシュートを放ちますが、これも枠を捉えることができません。この後のトッテナムは、相変わらずのアデバヨル頼み。シャーウッド体制になって絶対的なエースとなった背番号10は、64分に左からのクロスに飛び込むものの、得意のヘッドはわずかにゴール右に外れ、やはりスコアは動きません。シャーウッド監督はサンドロとシャドリを下げ、パウリーニョ、シグルズソンを投入して攻撃のバリエーションを増やしにかかり、ヴェンゲル監督のカードはフラミニ、モンレアル。アウェイチームの指揮官は「この状況では追加点は難しい」と判断したのでしょう。1-0キープで試合を畳もうとします。

77分にFKのこぼれを拾ったメルテザッカーのシュートが、この試合最後のクライマックスでした。トッテナムは最後まで攻めあぐみ、終了直前にアデバヨルが放った左からのシュートも勢いがなく、GKシュチェスニーが落ち着いてキャッチ。結局、0-1でタイムアップです。双方課題山積みのビミョーな試合でしたが、それでもケガ人だらけのヴェンゲル監督はガッツポーズでしょう。今のア―セナルに必要なのは美しいサッカーではなく、泥臭くてもOKの勝ち点3。上位とのシックスポインターに勝って、自力でプレミアリーグを制するチャンスも残されています。

それにしても、何ともいえないモヤモヤする試合でした。トッテナムの欧州チャレンジは風前の灯。シャーウッド監督に、来季はないでしょうね。「何が何でもアデバヨル」のサッカーはそろそろ限界。ホワイトハートレインのサポーターの我慢もまた、限界寸前でしょう。ああ…。

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“【Tottenham×Arsenal】「モヤモヤダービー」を制したのは開始直後のゴールを守ったアーセナル!” への3件のフィードバック

  1. 福岡 より:

    更新おつかれさまです。

    確かにどんな内容であれ勝つことが1番大事ですのでしっかり守り切ったのはよかったです。
    しかし、ラムジーがいなくなってからビルドアップが全然できなくなってしまいました。その課題が年明けからまったく修正出来てないのが問題です。これじゃチェルシー、シティに勝てる気がしないです。

    —–
    信じられないくらいDFラインが高かったですね!ポドルスキとギブスがならんで裏にパスを要求しているのをみて笑ってしまいました(笑)

  2. makoto より:

    福岡さん せおさん>
    トッテナムの高すぎるラインは、ラムジーやウィルシャーがいればアーセナルはもう2~3点いけてたかもしれませんね。

  3. あああ より:

    スパーズのアイデアの無さには驚きましたね。
    アデバヨール頼みしかなくあれだけ攻めていても全く得点できず。
    アーセナルも相手を煽れる程の試合はできず。
    正直こんなサッカーでアーセナルは優勝狙えるのでしょうか

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