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【MAN.CITY×Sunderland】マン・シティ痛恨の本拠地ドロー…ジャッケリーニに崩され、ついに3位転落!

スポーツは残酷なエンターテインメントです。戦っているチームが負けて失うものが大きければ大きいほど、われわれのようなファンは盛り上がるわけです。プレミアリーグ第26節の延期試合、マンチェスター・シティVSサンダーランドも、今季を見続けてきたサッカーファンなら、ワクワクする試合のひとつでしょう。負けたらプレミアリーグ優勝が遠ざかるマン・シティと、チャンピオンシップ降格という審判を受ける日が近づく最下位サンダーランド。キャピタルワンカップ決勝と同じカードである今回の対戦は、両者とも、より大きなものを賭けたゲームです。

アグエロがスタメンに戻ってきたものの、ヤヤ・トゥレが負傷で欠場し、ハビ・ガルシアとフェルナンジーニョがセンターMFに並ぶマンチェスター・シティ。サイドには、先週のリヴァプール戦でキレていたミルナーとナスリが入り、トップはネグレド。ダヴィド・シルヴァも不在です。サンダーランドが先に獲ったらおもしろい…とピッチに注目し始めて間もない50秒、ああ、マンチェスター・シティがあっけなく先制です。ネグレドが敵陣でボールを奪ったマン・シティは、アグエロがドリブルで持ち込むと、右サイドのフェルナンジーニョにきれいなスルーパス。ネグレドがスルーした後ろからゴール前に侵入したフェルナンジーニョは、丁寧にGKマンノーネの左手の外を通し、ニアを抜けたシュートが決まります。重すぎる1点。サンダーランドは、今季プレミアリーグで先制された試合は2分け15敗です。上位クラブですら勝てない要塞エティハドでの失点に、残り89分ありながらも、サポーターは敗戦を覚悟したことでしょう。

それでもサンダーランドは反撃します。2分、FKからオシェイがフリーでヘッド。12分にも、CKから競り合いに勝ったオシェイが競り勝ち、再びバーをかすめるヘディングシュート。17分には、右サイドを支配するアダム・ジョンソンから、オフサイドラインをかいくぐったボリーニに縦パス。ゴール右、角度のないところからクロスに打ったボリーニのシュートが、きわどくゴール前を横切ります。マンチェスター・シティのチャンスは、アグエロのミドルのこぼれ球をサバレタが落とし、ゴールエリア手前まで攻め上がっていたフェルナンジーニョが右足で狙った1本のみ。MFラーションとカッターモールが左右にボールをさばき、アダム・ジョンソンやマルコス・アロンソがサイドから仕掛けるサンダーランドが、負けられない試合らしく必死にボールを支配しています。

マンチェスター・シティの攻撃には、いつもの迫力がありません。ワントップのネグレドにいいボールが入らず、左右に流れるアグエロにパスが出たときだけしか攻撃の形が創れません。ダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレがいないとこうなる、というぎくしゃくした中盤。42分のコラロフのミドルシュートもゴールの上に大きく外れていきます。前半は1-0のまま、無理をしないホームチーム。残り45分で、サンダーランドがどこまでゴールに迫れるかがポイントです。

後半が始まり、最初の10分はマン・シティのペース。相変わらず、アグエロ頼みではあるものの、ドリブル突破からのシュートがGKマンノーネを襲うなど、シンプルに追加点に迫ります。57分、ペジェグリーニ監督は、大事をとったのかアグエロに代えてヨヴェティッチ。63分には、ナスリのパスからヨヴェティッチがゴール右隅を狙ったコントロールシュート。これはGKマンノーネが落ち着いてキャッチします。ヨヴェティッチは、65分にもFKをバイシクルで狙うなど、おとなしいマンチェスター・シティの攻撃陣のなかで、ひとり元気です。

サンダーランドは完全にトーンダウン。前半のような横の展開がなく、ロングボールで味方を走らせて勝負させるしか策がありません。67分、マンチェスター・シティはジェコ、サンダーランドはイタリア代表MFジャッケリーニとFWスコッコを投入。ここからが、勝負です。次の1点は、どちらに入るのでしょうか。

メンバーチェンジで変わったのは、サンダーランドのほうでした。70分、MFコルバックに決定的なチャンス。右からスルーパスに完全に抜けて、GKハートと1対1になり、至近距離からシュートをぶつけます。するとその直後、交代出場のスコッコが左サイドでボールキープ。彼の股抜きパスを受けて、縦にフリーで持ち込んだのは、同じく入ったばかりのジャッケリーニです。中をチラッとみたイタリア代表は、フリーで上がってきていたウィッカムに柔らかい浮き球のクロス。ウィッカムは、触るだけです。73分、サンダーランド、ついに同点!

ラスト15分、ようやく、マンチェスター・シティにスイッチが入ります。79分にはコラロフがドリブルで深くえぐってグラウンダーを通すと、ジェコがDFと競りながら左足シュート。何としても勝ちなければならない2位マン・シティでしたが、前がかりになったホームチームの守備の穴を、サンダーランドは見逃しませんでした。83分、自陣でボールを奪ったサンダーランドは、左サイドにいたジャッケリーニにつなぐと、ジャッケリーニがドリブルで上がり、右を走るウィッカムに丁寧なラストパス。ウィッカムは、GKハートのニアサイドをきれいに抜いて、ついに1-2!イングランド代表GKが、ニアに決められてはいけません。それにしても、エティハドで最下位チームが残り5分でリードしているという光景を、誰が想像できたでしょうか。

しかし、ここからがマンチェスター・シティです。簡単に、本拠地で負けるわけにはいきません。88分、ヨヴェティッチがペナルティエリア右から持ち込んで中に折り返すと、中央で空いていたナスリがインサイドでシュート。コースはGKの守備範囲でしたが、焦ったのか、マンノーネがこれをファンブル。ゲームは振り出しに戻ります。追加タイムは4分。やっとつかみかけた勝ち点1を守るべく、アダム・ジョンソンがサイドで必死にボールキープします。

やがて、エティハドにタイムアップの笛。マンチェスター・シティ、逆転ならず。痛いドローで、消化が1試合多いリヴァプールと勝ち点7差。チェルシーにも4差をつけられ、プレミアリーグ3位転落です。リヴァプールとチェルシーは直接対決があり、彼らが勝ち点を失えば一発で追いつける状況なので、諦めるには早すぎますが、それにしても厳しい…。

攻めきれなかったのは、ダヴィド・シルヴァとヤヤ・トゥレがおらず、ゲームを組み立てる選手がいなかったから。2点を奪われたのは、ジャッケリーニとスコッコ投入というポジェ監督の好采配に、DFラインが翻弄されたからでしょう。失うものが大きかったのは、マンチェスター・シティのほうでした。この先彼らにできることは、残り5試合を勝ち続け、静かに結果を待つことだけです。

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“【MAN.CITY×Sunderland】マン・シティ痛恨の本拠地ドロー…ジャッケリーニに崩され、ついに3位転落!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    いつも楽しく拝見させていただいてます。
    シティはサンダーランドとの相性がホントに良くないですね。今シーズンも勝てなかったですし、優勝した一昨シーズンも勝ち点3を取れなかったのはサンダーランドだけじゃなかったかな。そういうのもあるんですかね〜。

    —–
    にわかスパーズファンさん>
    アーセナルにとってのストークとか、チェルシーのヴィラパークとか、相性の良し悪しはあるようですね。選手のマインドへの影響がいちばんなのでしょう。

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