【Chelsea×Sunderland】相手は最下位…モウリーニョ監督、本拠地のプレミアリーグで初の敗戦!
アザールとGKチェフを欠いたのは痛かったものの、エトー、ウィリアン、マティッチ、ラミレス、サラー、オスカルなら問題なし。中盤の落ち着いたパス回しで、立ち上がりは上々。12分のCKで、カッターモールのマークを外してエトーが左足ボレーで合わせると、GKマンノーネは反応できず。今季、先に点を獲られたゲームで、サンダーランドは2分け15敗と勝利がありません。数字を見れば、どこをどう取ってもチェルシー勝利です。怖いのは、アダム・ジョンソンのクロスとラッキーなミドルシュートぐらい。私は、このままチェルシーが押し切るものと疑いませんでした。
ところが18分、まさに「ミドル一発」から、サンダーランドが同点に追いつきます。CKをペナルティエリア外で受けて、シュートを打ったのは左SBマルコス・アロンソ。コースは甘く、GKがキャッチできるボールでしたが、これをシュウォーツァーが弾きます。ああ、チェフなら間違いなくキャッチしていたでしょう。ルーズボールに先に追いついたのは、ミッドウィークのプレミアリーグでマンチェスター・シティから2点を奪っている21歳のFWコナー・ウィッカム。軽く右足で浮かしたシュートに、控えGKは触れず、1-1。チェルシーはいま一度、ゴールを奪いにいかないといけません。
36分、CKを完璧に叩いたイヴァノヴィッチのヘディングは、マンノーネが何とか弾いて、サンダーランドはバーに救われます。43分、右サイドからサラーが上げたクロスにニアでウィリアンが競り合うと、後ろに流れたボールにフリーで現われたのはラミレス。これは決まった…と一瞬、思いましたが、ぎりぎりで戻ったラーションのプレッシャーにラミレスはシュートをコントロールできず、ここでも勝ち越しはなりません。ホームチームがゲームを優位に進めながらも、スコアはイーブン。勝負は残り45分に持ち越されます。
後半が始まってすぐの47分、チェルシーのカウンター。自陣右サイドのイヴァノヴィッチから、中央でフリーになっていたウィリアンにパスが渡ると、ウィリアンはペナルティエリア手前までドリブルで侵入。すぐ左にいたフリーのエトーに優しいパスを送ると、エトーが右足で逆サイドを狙います。ボールはマンノーネの左手の先を走り、今度こそ勝ち越し…いや、わずかに右。チェルシー、同点後3度めの決定機も、ゴールを決められません。
51分、ドリブルからオスカルがミドル。54分、ウィリアンのロングパスから、前線に飛び出したアスピリクエタがスライディングシュート。相変わらず、押しているのはチェルシー。サンダーランドにチャンスはありません。58分、モウリーニョ監督が選んだ最初のカードは、このところ勝負強さを発揮しているデンバ・バ。オスカルを下げて、前線を厚くします。
64分、ウィリアンがデンバ・バをポストに使って右から抜け出し、グラウンダーをデンバ・バに折り返すも、フリーのFWの左足は合わず、シュートは大きく外へ。66分、チェルシー2人めの交代は、サラーをシュールレです。運動量の多いウィリアンが中盤を掌握。エトーは前線でサンダーランドの最終ラインを慌てさせ、苦しまぎれのロングボールに落ち着いて対応するテリーとケーヒルのCBコンビに失点の予感はありません。とにかくほしいのは1点。F.トーレスが入ったのは74分。エトーが疲れたという判断でしょう。残り15分、依然としてスコアは1-1です。
75分、シュールレのシュートに反応して、GKマンノーネの前でこぼれ球をシュートしたデンバ・バ、これも決まらず。サンダーランドは防戦一方です。F.トーレスのオーバーヘッドは枠の上。これだけシュートを放って、なぜ入らないのか。ウィリアンの運動量は衰えません。チェルシー、勝てるか、それともドローか。ここに至っても、私のなかにはこの2つの結末しか思い浮かびませんでした。しかし…。
残り10分、左サイドでアスピリクエタがボールキープ。彼はおそらく、中に戻して組み立てなおそうと考えていたのだと思いますが…28番はここでスリップ、致命的な転倒。そこに全力で走り込み、ボールを奪ったのは途中出場のアルティドール。ミスを取り返そうと、アスピリクエタはアルティドールを追いかけ、ゴールライン際でクロスを阻もうとするスライディング。彼は理性的で、敵の足を引っかけないよう、充分にケアをしてコースだけ切っていたと思います。しかし、横からだとファールに「見えた」であろうこのシーンにラインズマンが旗を上げ、マイク・ディーン主審のジャッジはPK!モウリーニョ監督の薄笑いは「それはないだろう」といっているように見えます。
ボリーニのキックは、GKシュウォーツァーをあざ笑うかのようなど真ん中。後半、ひとつとしてチャンスがなかったサンダーランドが、信じられない勝ち越しです。直後、すかさず放ったシュールレの素晴らしいミドルが、チェルシー最後のチャンスでした。マンノーネがこれを上に弾くと、その後の時間は「サンダーランドが追加点を逃した」という表現が適切でしょう。シュート31本もむなしく、モウリーニョ監督、本拠地スタンフォード・ブリッジのプレミアリーグで初の敗戦。相手は、マンチェスター勢でもアーセナルでも、マージ―サイドでもなく、何とプレミアリーグ最下位クラブ、枠内シュート4本のサンダーランドです。
シュートが不正確だった、バイタルエリアを使いきれなかった、攻撃が中央に寄り過ぎていた…等々、敗因探しはいくらでもできそうですが、どの理由をとっても、すっきりしません。ひとつだけ、「それはある」といえそうなのは、ヘッドギアをつけた姿がすっかり定着した正GKの不在です。シュートが入る・入らないは紙一重。味方のチャンスはことごとく枠に嫌われ、敵のたった2回のチャンスは、いずれもゴールイン。明日のリヴァプールの結果を見る前に絶望することもありませんが、チェルシーはこの敗戦で、自力優勝の可能性を失いました。(コナー・ウィッカム:写真著作者/Just-an-Ipswich-fan ファビオ・ボリーニ:写真著作者/Илья Хохлов)
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これぞプレミアリーグの醍醐味よと言わんばかりの試合でしたね(cityと飴のサポの方には申し訳ないですが…
これがレッズ選手陣のメンタルにどう影響するのでしょうか…?逆に落とせないと体が固まったりしてしまいそうです。優勝経験がない面子ばかりですし
スアレスの大好物のノリッジとはいえ今日の試合は見ものですね
菅楽さん>
軸となるスアレスやジェラードは、代表チームでの大試合の経験があって、精神的にもタフ(=ワールドカップ無得点のランパードよりも、ジェラードのほうが力を発揮している印象)なようなので、あっさり勝っちゃうかもしれません。今日、リヴァプールが勝って、明日マン・シティが勝ち点を落とそうものなら8割方決まり、というところまで一気にいきますね。楽しみです。
更新お疲れさまです
遂に要塞が落ちてしまいましたね…
たられば言っても仕方ないですが一点目はチェフなら、二点目も判定はともかく転けなければ、その前にいくつかあった決定機を決めてればと悔しすぎる敗戦ですね(^^;
勝負の三連戦の前にまさか優勝の可能性が消えると思ってなかったのでショックですが切り替えてCLに集中してもらいたいです
更新お疲れ様です。
wbaとクリスタルパレス、サンダーランドは、番狂わせを起こすチームですね。
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更新お疲れさまです
ほんと目を疑いました
先日スカパーの某解説者が言っていたのですが今シーズンはリバプールが優勝するように周りのチームも協力しているようだと言っていましたが本当にそんな気がしますね。
ジェラードのことを考えると彼ほどの選手がタイトルないのは確かにおかしいですもんね!
チェルシーさん>
そうなんです!今季、ここぞというところで絶対に前にこぼさないチェフを見続けてきたので、チェフなら…と思ってしまいますね。イヴァノヴィッチかエトーか、どちらかが決まっていれば、まったく違う試合になっていたでしょう。またも、サッカーの怖さを思い知らされたようなゲームでした。
リバサポさん>
WBAと、ピューリス監督率いるクリスタル・パレスは元々やっかい度が高かったのですが、ここにきてサンダーランド、やりますね。リヴァプールにはダブルを喫しているので、モウリーニョ、ペジェグリーニ両氏にとっては、いまいましいことこのうえなし、です。
ウィルシェアさん>
確かに、「すべての出来事がリヴァプール優勝に向かって動いている」とすら感じます。優勝の瞬間のジェラードを観たいです。
チェルシーのファンたちがショック受けていますが。。。早くゴール入れるほど追加点困難、ゲーム支配しても決定機を活かせない、レフェリーのディーン氏要注意とのアーセナル負ける大原則がチェルシーにも成り立つんですね
蒙古グナーさん>
負けるときのチェルシーは、ペナルティエリアの中から打てないですね…。