【Everton×MAN.UTD】スタメンにも交代にも狙いを欠いたモイーズ監督、古巣に今季2度めの完敗!
試合が始まり、ゲームを支配しているのはアウェイのマンチェスター・ユナイテッド。シュートこそないものの、マタが左右にボールを散らし、ナニと香川真司が積極的に真ん中のペナルティエリア手前のスペースに顔を出します。15分を過ぎても、エヴァートンのチャンスはロス・バークリーが放ったミドルシュートのみ。ミララスがゴールライン付近まで下がって守っている状況では、ボールを奪っても早い攻撃は仕掛けれられません。
19分、レイトン・ベインズが起点となり、サイドチェンジから中に入ったクロスをネイスミスがシュート。ジョニー・エヴァンスの手に当たったかに見えたシーンに、クラッテンバーグ主審はノーホイッスルです。命拾いしたマンチェスター・ユナイテッドは、21分にもFKからのルカクの落としをネイスミスにフリーで打たれ、ヒヤリとさせられます。徐々にペースをつかみ始めたエヴァートン。しばらく、ルーニーがボールを触るシーンを観ていません。
20分過ぎから互角の攻防が続きましたが、26分、ついに試合が動きました。ルカクの左足シュートを手に当ててしまったのはフィル・ジョーンズ。さすがに2度めのジャッジはPKとなり、レイトン・ベインズのキックは正面。GKデ・ヘアは足に当てたものの外に弾けず、ホームチームがリードを奪います。逆襲に転じたいマン・ユナイテッドでしたが、中盤でボールキープはできても、やはりシュートが打てません。35分、自陣でのエヴァートンのミスパスをルーニーがさらうも、ドリブルはブロック。直後に右SBコールマン、ミララスとつながれ、縦パスからネイスミスがルカクに危険なラストパス。これはルカクに通らず、エヴァートンの2点めはなりませんでしたが、決定的なチャンスが多いのはホームチームです。
そして42分、カウンターからついに2点めが決まってしまいました。右サイド、ネイスミスからコールマンへとつながり、スルーパスから完全フリーになったのはケヴィン・ミララス。右からの強いクロスのシュートにデ・ヘアは反応できません。ビュットナーが残っていたためにオフサイドが獲れなかったのが痛かった…。つい最近まで試し続けたスタメンは50通り以上。シーズンの終わりまで、ついに主力メンバーを固定できず、ナニやジョニー・エヴァンスを久しぶりにスタメン起用しただけで組織がギクシャクしてしまうのが、今季のマンチェスター・ユナイテッドです。前半2-0は致命的なビハインドでしょう。残り45分で、これをひっくり返せるイメージはまったく持てません。
後半開始直後、ゴール前でDFをフェイントでかわし、一瞬シュートコースが空いたルーニーは、ここというタイミングでシュートできず。47分の香川真司の強いミドルもGKハワードのほぼ正面。61分、モイーズ監督はエヴァンスとナニを下げ、SBにバレンシア、CBスモーリング、トップにチチャリートとフォーメーションを変えますが、攻撃に変化は生まれません。以前はサイド偏重のサッカーが批判されたマンチェスター・ユナイテッドでしたが、この日は逆に中央に寄り過ぎ、頭数が揃ったエヴァートンの守備を崩せません。2時間前のアーセナルのように、シンプルに攻められればともかく、中で手数が多く、難しいプレイを選んでしまうシーンが多かったことが、結局エヴァートンを守りやすくさせてしまったように思います。
後半も決定機が多かったのは、むしろホームチームのほうでした。76分にはミララスからネイスミスとつなぎ、最後はボレーシュート。79分、カウンターから4対3のシチュエーションを創ると、またもネイスミスがシュートを狙いますが、GKデ・ヘアがファインセーブ。香川真司をウェルベックにスイッチしたマンチェスター・ユナイテッドは、途中出場の選手が機能しないまま、残り時間を消費していきます。87分、ルーニーがGKハワードと1対1になった決定的なシーンに、シュートをGKにぶつけたのがラストチャンス。最後まで集中を切らさなかったエヴァートンが、2-0のクリーンシートで完勝。来季のヨーロッパリーグ出場権獲得を確実なものにしました。
この日のモイーズ監督は、エヴァートンとの大一番を勝ちにいくのではなく、テストマッチを戦っているかのようでした。60分でCBを代えなければならなくなるというのは、由々しきことです。プレミアリーグ下位のクラブ相手ならともかく、なぜ大事なゲームでエヴァンスとナニ先発だったのでしょうか。前回のニューカッスル戦でゴールを奪っているヤヌザイには、この日まったく使わなかった理由をどう説明するのでしょうか。そして、ルーニーです。「つま先のケガが悪く、プレミアリーグの残り試合をすべて欠場する」という報道すらあった、明らかにコンディションの悪い選手に、こだわり続けたのはなぜでしょう。47分に迎えた絶好のシュートチャンス、トゥキックで狙えばおもしろかったシーンで足が動かないエースを観て、「ニューカッスル戦で、香川真司やマタとの連携がよかったチチャリート先発だったら…」という思いが胸をよぎりました。
まさか「エースと心中」などという浪花節のつもりだったのでしょうか。であればせめて、サイドに入れるべきは今季出場機会が少ないために連携が取れないナニではなく、計算できるバレンシアかヤヌザイでしょう。コンディション優先でもなく、結果主義でもなく。特段狙いがあるわけでもなく、好調な選手をしっかり使い続けることもなく、だから納得感もなく。マンチェスター・ユナイテッドは、今季何度となく観せてきた「負けるべくして負けた試合」を、この夜もトレース。来季のヨーロッパへのチケット獲得が絶望的になるという最悪の結果と、現監督の古巣に史上初めてダブルを喰らうという屈辱だけ残して、グディソン・パークを後にしました。(レイトン・ベインズ 写真著作者/Nick)
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ウェルベックは何故使われないのでしょうか?
今のユナイテッドに彼以上に頑張る選手はいない気がするのですが
今更ですが、去年とほぼ同じスカッドでここまで成績が違うと‥。
いくらファーガソンの後とはいえ、厳しいですね。
ファンとしては大きな変化が欲しいですね。
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グッバイモイモイ
とうとう首になってしまいましたね… 後任の監督が立て直してくれるのを祈るばかりです
こーこさん スパサポさん クロップさん>
なぜこのメンバーなのか、なぜ使うのか、使わないのかなどがわからないところが、モイーズ監督の最大の問題です。リオが以前に「準備ができなくてストレス」といってましたね。私は、なぜ前半戦で香川真司が冷遇され、なぜ今スタメンなのか、どちらもその意図がよくわかりません。
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karbyryさん>
正式にはまだですよね。今日明日で出ますかね。「香川真司とファン・ぺルシとウェルベックは、モイーズ解任で移籍を思いとどまる」(Welbeck, Kagawa and Van Persie put Man Utd exit plans on hold with Moyes set to be sacked)という報道まで出てますが…。