【MAN.CITY×Liverpool】勝負は最終ラインの完成度の差。王者マン・シティ、リヴァプールに3-1完勝!
今季、開幕直後から厳しい日程を強いられるのは、プレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ。5節までに、リヴァプール、アーセナル、チェルシーです。ここを踏ん張るか、負けが先行するかで、その後の戦い方が変わってきます。対する昨季2位のリヴァプールは、チームのベースは変わらないものの、スアレスのスペイン移籍とともに大型補強を行って2014-15シーズンに臨んでいます。開幕戦は、リヴァプールはセインツに苦戦し、ニューカッスルと戦ったマン・シティは出来がよくありませんでした。2試合めというこのタイミングで、それぞれどこまで仕上がっているのでしょうか。
マンチェスター・シティのホーム、エティハドでのゲームながら、試合開始直後から元気なのはリヴァプールでした。4分には速攻からスタリッジ、8分には中央への長い縦パス1本にスターリングが反応し、コンパニとデミチェリスの最終ラインを崩しにかかります。マンチェスター・シティは、当初は左サイドからのクロスで攻略を図ります。12分、ヨヴェティッチがヒールで流したボールをオーバーラップしたクリシーがファーサイドに上げ、サバレタがボレーを狙いますが、ボールは枠の上に飛んでいきます。
20分を過ぎると、リヴァプールに合流したばかりの左のスペシャリスト、アルベルト・モレノが本領を発揮し始めます。再三狙ったGKとDFの間の守りにくいスペースをつくグラウンダーはおもしろいボールでしたが、マン・シティDF陣がことごとくクリア。32分には、マン・シティの攻撃をカットしたジェラードから右のスターリングにつながり、ここから逆サイドに通したクロスをスタリッジがトラップ。背番号15はフェイントでコンパニをかわし、ニアに強いシュートを放ちますが、GKジョー・ハートが落ち着いてブロック。リヴァプールの先制はなりません。
前半、残り5分まではほぼ互角といっていいでしょう。手数が多かったのはリヴァプールでしたが、マンチェスター・シティはMFフェルナンドが効いており、センターで危険なラストパスを許しません。リヴァプールも、デヤン・ロブレンの出足がよく、危ないエリアはシュクルテルがカバーします。このまま0-0、後半勝負と思われた40分、マンチェスター・シティが右からの崩しでリードを奪います。
右サイドから、中央に飛び出したダヴィド・シルヴァに合わせたナスリの絶妙な浮き球に、ジェラードがマークを外します。ダヴィド・シルヴァがキープしようとしたボールをロブレンがヘッドで弾き返し、アルベルト・モレノがクリアしようと足を上げますが、これを後ろからさらったのはヨヴェティッチ。このゴールは、彼をほめるべきでしょう。トラップからシュートまでよどみのない動きで、GKミニョレの股間を抜いた見事な一撃。前半は1-0でホームチームが優位に立ちますが、攻撃陣の動きが悪くないリヴァプールにも、充分チャンスはあるはずです。
後半開始直後、右からのクロスにフリーになったスタリッジがシュートをネットに突き刺しますが、これはぎりぎりでオフサイド。直後のジェコの左からの突破は、カバーに入ったアルベルト・モレノがスライディングで逃れます。マンチェスター・シティは、ここからが老獪でした。ペジェグリーニ監督の狙いは、デヤン・ロブレンの裏のスペース。54分、しっかりラインを敷いて守っていたリヴァプールの守備をあざ笑うかのような、見事な追加点が入ります。
ロブレンの裏に走ったナスリに完璧なダイレクトパスを通したのは、またもヨヴェティッチ。右サイドを抜けたナスリは、ファーサイドに走り込んだフリーの選手にラストパスを通しますが、何とこれもヨヴェティッチです。パスを出した後、フィニッシュのイメージが完璧に出来ていた背番号35のフリーのシュートに、GKミニョレは反応できません。
60分、ロジャース監督はコウチーニョに代えて、マルコヴィッチを投入します。いや、おもしろいですね、マルコヴィッチ。新加入の20歳は、何年も前からこのチームでプレイしていたかのようなふてぶてしさで、アルベルト・モレノとのコンビで左サイドを崩し、リヴァプールの反撃を演出。65分、マルコヴィッチのクロスに、DFより先に反応したスタリッジがヘッドでゴールを狙うも、惜しくも枠に収められません。この時間帯で1点返していれば、ゲームはどう転んだかわからなかったでしょう。しかし、次の1点もまた、マンチェスター・シティのものでした。さすがはペジェグリーニ監督。途中出場の2人の刺客が、またもデヤン・ロブレンを襲います。69分、GKハートが右につないだボールを、グラウンダーで裏に通したのはヘスス・ナバス。ロブレンに競り勝ち、ゴールに流し込んだのは、1分前に入ったばかりのセルヒオ・アグエロ。
リヴァプールがゴールを挙げたのは、残り7分になってからでした。右サイドでデミチェリスからボールを奪ったスタリッジが、ファーサイドにクロスを通すと、そこにいたのは79分にピッチに入ったリッキー・リー・ランバート。渾身のヘッドをGKハートが弾くと、これがサバレタに当たってゴールイン。この直後、ランバートは、右サイドの攻防からこぼれてきたボールを左でフリーで受けますが、絶好のチャンスになぜかシュートを打たず、ゴール前へのパスを選択。戻ったコンパニがクリアした瞬間、リヴァプールの同点への道はついえました。3-1、マンチェスター・シティ完勝。
勝敗を分けたのは、最終ラインの完成度の差でしょう。スタリッジとの1対1では再三負けながらも、フィニッシュのシーンでは相手を自由にさせなかったコンパニと、スターリングやヘンダーソンのラストパスを冷静にブロックし続けたデミチェリス。対するリヴァプールは、先制点以降、新加入のロブレンとアルベルト・モレノのサイドを徹底的に狙われました。とはいえ、今回はプレミアリーグ最強チームにやられたものの、この2人の能力が高いのは間違いなく、中盤との連携がとれてくれば簡単に破られるシーンは減っていくでしょう。それだけに、2戦めでの激突は残念。昨季からメンバーがほとんど変わらず、絶好調ヨヴェティッチという「積み上げ」があったマンチェスター・シティに、熟成度で一日の長がありました。
チェルシーとマンチェスター・シティはどちらが強いのでしょうね。アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドのクオリティが上がらないなか、早くもマッチレースムードが漂い始めています。毎年、シーズン当初の予想など、あっけなく裏切られるのがプレミアリーグですが、今季の青い2強はプレミアリーグはおろか、ヨーロッパの頂点まで狙える勢い。派手な補強をしたスペインの2強は凄そうですが、ジエゴ・コスタを擁するチェルシーと、ヨヴェティッチがフィットし始めたマンチェスター・シティも守備力と決定力が明確に上がっており、1点を争うホーム&アウェイなら充分戦えそう。リヴァプールのチャレンジもアーセナルのリベンジも含め、今季は欧州戦線も楽しみですね!
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リバプールも中々良かったと思うのですがね。
単純にシティがそれ以上だったと。
アグエロ、ナバス、フェルナンジーニョがベンチにいてマンガラまでこれに加わる訳ですからやはりとんでもない戦力。
チェルシーも素晴らしい補強をしましたが個人的には今季もシティが本命ですね。
マルコヴィッチは確かまだ20歳だと思います。
リバプール今年は4位以内厳しそうですね
エバートンやトッテナムより下に行きそう
パックンさん>
おっしゃるとおりです。ロブレンやアルベルト・モレノも、多少マークの受け渡しが気になった程度で、特に前半はよかったと思いますが、マンチェスター・シティがその上をいきました。ペジェグリーニ体制2年めで、昨季のような取りこぼしは確実に減りそうです。上位対決の星勘定がどうなるかですね。
緑黄色野菜さん>
すみません。訂正させていただきました。ありがとうございます。
kopさん>
内容的には、そんなに悲観したものでもないと思いました。むしろ、同じマージ―サイドでも、明らかに出来がよくなかったアーセナルにお付き合いしたエヴァートンは、昨季のようにはいかないかもしれません。
ロジャースさんそろそろ守備どうにかしましょうという感じの試合でした。あのCBコンビを固定するなら中盤のプレスで要所を抑えながら、相手のプレー精度を落とさないときつそうです。攻撃はスアレスがいなくなったので昨シーズンとはアプローチが変わっている感じです。
まあ、エティハドでの負けはある程度想定内だったのでショックは受けませんでした。むしろ前半は上手な戦いができたこと、これからバロテッリ、ララーナ加わることを考えればCL圏確保への未来は明るいのではと思います。
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絶好調のヨヴェティッチ、中盤の守備力を上げたフェルナンドと、昨年から確実にパワーアップしていますね。
マンガラ等がフィットして、ヤヤ、シルバ等がコンディションを上げていけば、リーグだけでなく、チャンピオンズリーグもかなり勝ち残れそうです(21人しか登録できませんが…)
サバレタとコラロフの昨年スタメンコンビではなく、クリシが出場しているのは、守備の安定のためでしょうか。