【Everton×Chelsea】壮絶な打ち合いはチェルシーに軍配。守備崩壊のエヴァートンは3戦未勝利!
グディソン・パークのどよめき冷めやらぬ3分、左に流れていたジエゴ・コスタの戻しを中央で受けたラミレスが、右のイヴァノヴィッチに短いスルーパス。オフサイドぎりぎりのシーンにラインズマンの旗は上がらず、完全に抜けた右SBが文句なしのシュートを叩き込み、あっという間の0-2。先週のプレミアリーグでは、アーセナルから2点を先に奪ったエヴァートンといえども、リードを奪ったチェルシーに追いつくのは至難の業です。
それでもエヴァートンは、5分を過ぎるとようやく落ち着きを取り戻し、必死の反撃を試みます。15分にはCKからルカクのヘッドをディスタンが押し込みますが、判定はオフサイド。2点差は変わりませんが、この後もゲームを支配するのはエヴァートンです。危険な存在は、右サイドを中心にルカク、コールマンに好配球を繰り返すマクギーディと、ルカクの裏からゴール前の嫌なスペースに飛び出してくるネイスミス。エヴァートンが1点を返したのは、前半終了直前でした。マクギーディが右SBコールマンを走らせるパスを出すと、コールマンは右サイドからダイレクトでクロス。これがゴール前のミララスの頭にピタリと合い、シュートは左のサイドネット!エヴァートンが1点差としてゲームへの興味をつなぐと、後半は壮絶な打ち合いとなります。
最初の20分は膠着していた後半が動き出したのは68分。きっかけは、左サイドでアザールがマッカーシーを抜き去ったプレイでした。ゴールライン際を進んだアザールがマイナスのクロスを出そうとすると、ブロックしたコールマンの足に当たったボールがファーポスト際に吸い込まれます。痛いオウンゴールを取り返すべく、エヴァートンは1分後に素晴らしい攻撃を披露。68分、ドリブルしながら中央をルックアップした危険なマクギーディは、ゴール前でルカクがおとりとなって右サイドにDFを連れていくのを見ると、逆の左に走り込んだフリーのネイスミスにラストパス。ネイスミスは、冷静にGKクルトワの左を破り、2-3。ホームチームは、再度同点まであと一歩となります。
1点差となった直後、エヴァートンは獲得したばかりのFWエトーを投入。前線を厚くして直線的な攻撃で同点をめざします。しかし、チェルシーの勢いは止まりません。74分、ペナルティエリア手前でボールを受けたマティッチが、左足のフェイントで軽くディスタンを外すと、有無をいわせぬミドルを右サイドネットに叩き込んで2-4。エヴァートンはここでもすぐさま反撃。2分後にレイトン・ベインズのFKをエトーがヘディングで左隅に落とし、クルトワが触れずまたも1点差。息をつく間もないゴールの奪い合いは、しかしこの2分後に決着です。78分、右サイドからDFラインの裏に入り込み、マティッチのスルーパスを軽く蹴り込んだのは、出場機会が減って危機感を高めているであろうラミレスでした。
3-5となっても、エヴァートンは諦めてはいませんでした。80分、クルトワのスローミスを右サイドでルカクがインターセプト。パスを受けたコールマンのクロスはミララスの後ろにずれますが、ミララスがヒールで放ったテクニカルなシュートはポスト!これが外れると、最後はチェルシー。90分、ルカクと代わって入ったベシッチが、不用意なヒールでのバックパスを途中出場のミケルに奪われ、ラストパスをフリーで受けたジエゴ・コスタがこの日2点めとなるダメ押しの一撃。エヴァートンは、プレミアリーグ優勝候補にホームで6失点!マンチェスター・ユナイテッドともども、今季初勝利は4節以降にお預けとなりました。
いきなり2点リードするという望外の展開に、中央でのパスミスが多くていつもの緊張感がなかったチェルシー守備陣でしたが、奪われた3ゴールはいずれもクルトワお手上げの完璧なシュート。これはエヴァートン攻撃陣をほめるべきでしょう。一方、プレミアリーグ開幕から10失点いちばん乗りとなった、エヴァートンのセンターの守備は要改善です。この冬、37歳になるディスタンには、もう多くは望めないのではないでしょうか。ジャギエルカとのベテラン同士らしい落ち着いたコンビを代えるのは勇気がいりますが、中央をあれだけスルーパスで崩されてしまえば、GKハワードといえども何もできません。ヨーロッパリーグが始まると、さらに戦い方が難しくなりそうなエヴァートンは、2週間後にアウェイでWBAと対戦。好調チェルシーの次戦は、3連勝同士の「プレミアリーグ頂上決戦」、スウォンジー戦です。
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