【MAN.CITY×Tottenham】中盤の不安を個人技で払拭!アグエロ4発で、昨季王者が快勝!
アフリカ帰りのアデバヨルとヤヤ・トゥレが欠場。チームの核を欠いた影響がより出ていたのは、ホームのマンチェスター・シティのほうでした。彼らの守備は、ペナルティエリアの外を空けてしまうことが多く、2列め・3列めから飛び出してくる選手を捕まえきれずにシュートを喰らうシーンが目立ちます。8分にいきなり、トッテナムに大チャンス。右から斜めにドリブルで切り込んだラメラがペナルティエリアの左手前でソルダードに落とすと、右から中央に走り込んでソルダードのスルーパスを受けたのは、23歳のMFライアン・メイソン。GKハートと1対1という絶好の先制機は、メイソンがハートの左足に当ててしまい、ゴールならず。するとその5分後、ランパードのパスを左サイドで受けたアグエロが、ワンタッチでCBカブールをかわしてシュートコースを創り、GKロリスの左を破る見事なシュートを叩き込みます。
しかし、1-0とリードしたマンチェスター・シティのリードは、たった2分でなくなります。15分、中盤の不安の原因となっていたフェルナンドが自陣でソルダードにボールを奪われると、ソルダードはドリブルから右でフリーとなったエリクセンへ軽くラストパス。エリクセンの強烈なシュートは、GKハートに当たりながらもゴールに飛び込み、あっという間に1-1の同点です。
せっかく追いついたトッテナムでしたが、この日の彼らはディフェンスに冷静さを欠き、マンチェスター・シティMF陣の裏への抜け出しを止められません。20分には、左サイドのミルナーが自分にマークを引きつけてランパードに落とすと、ラメラが後ろから倒してしまい、PK。アグエロのキックは、GKロリスの逆に飛んで2-1。31分、今度はダヴィド・シルヴァのドリブルにスライディングを仕掛けたカブールがボールに触れず、またもPK。アグエロが正面を狙ったシュートは、GKロリスが早く動き過ぎずに体を残してブロック。リバウンドをアグエロがボレーで狙うものの、シュートはバーの上に消え、トッテナムは2点差に引き離されるピンチを乗り切ります。
前半は2-1でマンチェスター・シティがリードのまま終わりますが、26分にランパードが負傷し、サニャとクリシーの攻め上がりが弱いホームチームにいつもの怖さがありません。守備においても、フェルナンジーニョとフェルナンドの連携が悪く、自陣でボールを失うシーンが目立ちます。ソルダード、ラメラ、エリクセンが縦に速い攻撃をみせるトッテナムに次の1点が入れば、試合はどちらに転ぶかわかりません。
後半に入っても、流れは変わらず。ボールを支配するマンチェスター・シティと、ショートカウンターに活路を見出そうとするスパーズ。絶好調のアグエロさえ抑えられれば、マンチェスター・シティはそれほどチャンスを創れないでしょう。ポチェッティーノ監督は、60分にラメラとカプエを諦め、タウンゼントとデンベレ投入で同点をめざします。冒頭に書いた最大のチャンスを迎えたのは、この直後でした。ソルダードがPKを外すと、昨季プレミアリーグ王者がとどめを刺したのは、そのわずか6分後でした。ヘスス・ナバスが右サイドを完全に破り、ゴール正面に走ったアグエロに追いつけなかったCBファシオが、背番号16のユニフォームを引っ張ってしまい、一発レッド&PK。この日3発目のPKは、アグエロが1発めと同じ左隅にきちんと決めて、勝負あり。75分にも、アグエロがフェルナンジーニョの縦パスをぺナルティエリア右で受けると、メイソンに代わって入ったフェルトンゲンを軽くかわして左足の4点め。トッテナムは、最後までアルゼンチン代表FWを止めることができませんでした。
トッテナム、もったいなかったですね。珍しくミスが多かったこの日のマンチェスター・シティなら、同点にさえ追いつければ、シュート以外は悪くなかったソルダード、エリクセン、シャドリらのカウンターで、マン・シティを窮地に追いつめることもできたのではないかと思います。実力で上をいくチーム相手に、自ら2回の決定機を逃し、3回もPKをプレゼントして10人で戦う羽目になったのがすべてでした。
一方のマンチェスター・シティは、悪いなりにもここぞという場面でトッテナムの焦りを誘い、きっちりゴールを奪うあたりはさすがです。ケガ人が止まらずもたつき続けるアーセナル、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドを尻目に、チェルシーとマンチェスター・シティが順調に勝ち点を伸ばしている今季のプレミアリーグは、どうやら2強のマッチレースとなりそうです。この日8-0と圧勝した3位のセインツは…いや、まさか、さすがに。
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