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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【West Ham×Chelsea】素晴らしきウェストハム、しかし0-1。ゴール前には冷静なクルトワ!

試合開始から6分。アザールのきわどいクロスがゴール前を横切った後、右のオスカルから中のセスクにパスが入ると、一瞬空いたシュートコースは打っても詰められると判断したのか、セスクはマークをかわしていたオスカルへ。このパスを見てタイミングよく中に走り込んだジエゴ・コスタに、オスカルは完璧なラストパスを合わせます。シュートは脛に当たり、先制点は奪えなかったものの、今季プレミアリーグ2位の57ゴールを積み上げてきたチェルシーらしい攻撃でした。一連のプレイのなかで、つながったパスは10本以上。右サイドでラミレスとイヴァノヴィッチが絡んで細かくパスをつないだ後、中のセスクにパスが通った瞬間、アザールとジエゴ・コスタが左に流れてDFを連れていったことによって、オスカルが空く形となっています。ウェストハムの最終ラインと中盤の選手が完全に戻ってきていたにも関わらず、連動性の高い攻撃でジエゴ・コスタのシュートに持ち込めるあたりが、昨季プレミアリーグで引いた相手を崩す手立てを欠いていたチェルシーとは別なチームです。

プレミアリーグ28節、ロンドンダービー、ウェストハムの本拠地アップトン・パーク。ホームチームにとって痛かったのは、22分にアザールにやられるまでのチャンスを活かせなかったことです。17分、CKのこぼれ球を拾ったオスカルのボールを奪い、右から走り込んだクヤテがGKと1対1になるものの、足元に飛び込んだクロトワがブロック。20分、右から中に斬り込んだクヤテのアウトにかけたラストパスに、サコは足を合わせられず。ウェストハムがいい攻撃を見せていたこの時間帯の直後、チェルシーの先制点、すなわちこの試合唯一のゴールはカウンターから始まりました。

左から持ち込むのは、いつもどおり危険なベルギー代表MFアザール。縦を切られて突破を諦めた10番がセスクに預けると、セスクは右で空いていたラミレスに展開。ラミレスが中に走り込んだ選手にラストパスを通すまでは、6分の攻撃の再現VTRを見ているかのようでした。違ったのは、ゴール前に走り込んだのがアザールであり、フィニッシュはヘッドだったこと。そしてこのシュートがゴールに突き刺さったことでした。チェルシー、完璧。しかし、この試合がおもしろかったのは、ここからです。ウェストハムに、トーンダウンする気配はみじんもありませんでした。36分、右サイドからの長いクロスはサコの頭にぴったり。打点の高いヘッドを叩きつけられると、多くの場合はGKはお手上げなのですが、何しろクルトワ、この試合2度めのビッグセーブです。前半、シュートシーンが多かったのはホームチーム。守備の要ウィンストン・リードを8分という早い時間に失い、コリンズが入っていたウェストハムは追加点を許さず、逆転への望みをつないで前半を0-1で折り返します。

後半は、最初の15分がエキサイティングでした。クルトワVSアドリアンのビッグセーブショーの始まりは53分。左からのダウニングのクロスが中央でこぼれたところをサコがプッシュ。クルトワが指先で弾いてコースを変えたために詰めていたケヴィン・ノーランは触れず、ズマがクリアで逃れます。55分、カウンターから自陣で3人をかわしたアザールがラミレスを走らせると、ペナルティエリアでひとりかわしたラミレスのシュートはポストに当たり、チェルシーは追加点を奪えません。57分、今度はウェストハムGKアドリアン。左のアザールがふわりと上げたクロスをファーで叩いたラミレスのヘッドは文句なし。これは入ったと思われた直後、足でブロックしたアドリアンのプレイにアップトン・パークが湧きます。さらに2分後、左から抜け出してボックスに侵入したサコが右隅を狙って放ったシュートは、クルトワ4度めのセーブに阻まれます。ここまで0-1はアンビリーバブル。この試合を観ていた人は、1-2でも2-1でも納得していたでしょう。

こと守備に関しては、チェルシーにキャピタルワンカップ決勝の素晴らしい集中力はなかったと思います。出足のいいウェストハムに押され、ただ蹴り出すようなクリアが目立ったチェルシーは、72分にまたもピンチを招きます。エネル・バレンシアの右からのミドルを、珍しくクロトワがファンブル。最初に反応したサコが押し込むかにみえたシーンは、横から入ってきたケーヒルがクリアし、難を逃れます。この試合最後のクライマックスもまた、ヒーローはDFでした。93分、アドリアンと1対1となったアザールが無理せず中のウィリアンにフィニッシュを託すと、ウィリアンのシュートをゴールマウスに入ってクリアしたのはアーロン・クレスウェル。結局、チェルシーが最少得点差でウェストハムに競り勝ち、1試合消化が多いマンチェスター・シティとの勝ち点差5をキープしました。

決定機の数は互角だったものの、シュート数18対12と、ウェストハムが押していた試合。ダウニングとクヤテのチャンスメイクが目立ち、ホームチームが勝ってもおかしくないゲームでした。しかし、勝ち点3はチェルシー。こういう試合を勝ち切るのがプレミアリーグ首位チームの強さです。セスク、ジエゴ・コスタ、そしてクルトワ。昨夏のチェルシーが、いかに効果的な補強をしたのかを思い知らされた一戦。それにしても、凄いですね、クルトワ…。

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