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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Aston Villa】ベンテケ、覚醒。完璧なヘッドを許したトッテナムが激痛の敗戦!

ポール・ランバート監督解任の後を受けて、チームを立て直しつつあるアストン・ヴィラのシャーウッド監督ですが、勝ち点29はプレミアリーグ降格ゾーンから3差と予断を許さない状況。ミッドウィークのQPR戦は、ベンテケが火を噴いてハットトリックを決めたものの、3-3のドローで勝ち点を伸ばせませんでした。本日のトッテナム戦では、最終ラインに2試合続けてオランダ代表のロン・フラール。前線にはベンテケ、アグボンラホル、グリーリッシュが並び、オコレ、ヴァイマン、エンゾクビアはベンチに控えています。シャーウッド監督は、古巣のトッテナムから勝ち点を奪うことができるのでしょうか。ヨーロッパリーグ出場権が得られるプレミアリーグ5位~6位をリヴァプール、サウサンプトンと争うホームのトッテナム。ハリー・ケイン、エリクセン、シャドリ、ベンタレブ、タウンゼント、ライアン・メイソンは、現在のベストメンバーでしょう。

静かな立ち上がりとなった前半。ベンテケ、アグボンラホルらがカウンターから突破を狙うヴィラに対し、トッテナムの守備陣は落ち着いています。16分、アストン・ヴィラはクラークが負傷退場となり、ベイカーを投入。直後にベンテケのドリブルからチャンスをつかんだヴィラは、バクナがDFを気にしてシュートを大きく外してしまいます。なかなかシュートに持ち込めないトッテナムは、25分のCKをファシオがヘッド。当たりは悪くなかったものの、ボールはクロスバーを越えていきます。28分、タウンゼントからエリクセンへとつないだスパーズは、左から走り込んだダニー・ローズにつなぐもシュートはGKグザンがブロック。優勢はホームチームですが、アストン・ヴィラの最終ラインはマークをずらすことなく対応。30分を過ぎても、ハリー・ケインは消えたままです。

35分、アストン・ヴィラがワンチャンスを活かします。右サイドを上がったバクナのクロスに頭で合わせたのは、やはりベンテケ。ワンバウンドでポストを叩いた一撃に、負傷のロリスの代役フォルムはまったく動けません。0-1となり、ようやくエンジンがかかり始めたトッテナムですが、エリクセンのシュートは大きく枠を外れ、ハリー・ケインの無回転シュートもグザンがキャッチ。ダニー・ローズが再三突破を図る左サイドは元気ですが、アストン・ヴィラの守備陣にラストパスをカットされ、同点に追いつく気配はありません。前半終了間際には、最終ラインからのロングフィードをベンテケがヘッドでつなぎ、抜け出したアグボンラホルのシュートがポストを直撃。最初の45分はカウンター主体のアウェイチームぺースです。後半、ハリー・ケインやシャドリ、エリクセンが輝くシーンは訪れるのでしょうか。

セカンドハーフ最初のシュートは、CKをアグボンラホルが落としたところを狙ったフラール。サイドを執拗に突くトッテナムは、キリケシュやタウンゼントのロングクロスが中に合いません。54分、エリクセンからのラストパスに走り込んで合わせたダニー・ローズの左足はベイカーがブロック。CKからのシャドリのヘッドも当たりが薄く、59分のハリー・ケインの左足もバーの上。残り30分をまわっても1点のビハインドは埋まりません。62分、ポチェッティーノ監督はシャドリをソルダード、その1分後にシャーウッド監督はグリーリッシュをヴァイマン。69分、2人めの負傷者アグボンラホルに代わったのは、おお、ジョー・コールです。

トッテナムの攻撃が実を結ばないのは、ライアン・メイソンとベンタレブのセンター2人がつなぎ役でしかなく、サイドでボールを持ったときに中が薄いからではないでしょうか。残り10分、タウンゼントとキリケシュが下がり、ラメラと期待の快速右SBイェドリンが入っても、トッテナムのスタメンの選手たちに交代メンバーを使いこなそうとする意識が薄く、状況は変わりません。84分、決定機をつかんだのはアウェイのアストン・ヴィラでした。ベンテケの完璧なスルーパスでGKと1対1になったデルフは、シュートを打つ決断に時間がかかり、フォルムに詰められ追加点はなりません。追加タイム2分、ラメラからのパスを受けたエリクセンがソルダードを走らせる絶妙なパスを通すも、シュートはグザンに弾かれ、結局オフサイドの判定。アストン・ヴィラの最終ラインを崩せなかったスパーズはクリーンシートの敗戦を喫し、2-0で完勝したセインツにかわされプレミアリーグ7位に後退しました。

2月までわずか1ゴールだったベンテケは、ここ6試合で8ゴール。今日のヴィラの決定機は、すべて彼を経由したものでした。トッテナムの敗因は、攻撃時の狙いが明確でなく意外性のないパス回しに終わったことと、相手のエースを充分にケアできなかったことではないでしょうか。残留争い中のアウェイチームには大きな勝ち点3、欧州を狙うホームチームは激痛の敗戦。この時期のプレミアリーグには、下剋上のない週末はほとんどありません。

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