イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【New Castle×Tottenham】シャドリ、ハリー・ケイン、エリクセン…役者が揃ったスパーズ快勝!

昨季までの5年間でプレミアリーグ4位が2回。モドリッチ、ファン・デル・ファールトを擁し、ガレス・ベイルがブレイクした2010-11シーズンにはチャンピオンズリーグでベスト8に進出していることを思い出せば、現在6位で来季の欧州へのチケットが獲れるかどうかわからないトッテナムの現状は、サポーターのみなさんにとっては不満なのかもしれません。しかし私は、ポチェッティーノ監督1年めの今季は収穫の多いシーズンだったのではないかと思います。マンチェスター・ユナイテッドの200億円超えを筆頭に、アーセナル約130億円、リヴァプール90億円、FFPペナルティを喰らったマンチェスター・シティでさえ50億円と、プレミアリーグの上位クラブは移籍収支で大きな赤字を出しながら補強を断行。モウリーニョ政権2年めのチェルシーはマイナス15億円に抑えましたが、ダヴィド・ルイスを5000万ポンドといわれる高額移籍金で売りさばいたうえでの収支です。

一方、トッテナムの移籍収支はマイナス10億円程度。ファシオ、エリック・ダイアー、フォルム、ベン・デイヴィスといった獲得選手の顔ぶれは上位と比べれば地味で、パウリーニョ、ラメラ、ソルダードなど、前評判はよかったものの1年めにパッとしないシーズンを過ごした選手を引き続き抱えていました。マンチェスター・シティがトップ4入りを果たしていなかった5年前と比べて競争環境が激化するなか、マンチェスター・ユナイテッドが復活してリヴァプールがスアレスの穴を埋めれば、トッテナムにとっては非常に苦しいシーズンになるのではないかと思われました。

ポジションだけ見ればCL出場権の望みはない6位と、特筆すべきことはないかもしれませんが、今季のスパースは若手選手がブレイク。ハリー・ケイン、ライアン・メイソン、ベンタレブ、そして昨季よりも凄みを増した天才クリスティアン・エリクセンは、それぞれ来季につながるいいシーズンを過ごしたのではないかと思います。サポーターの方の評価は分かれるのかもしれませんが、私はシャドリにも期待しています。昨日のゲームは、シャドリ、エリクセン、ハリー・ケインと、スパーズの今季ゴール数TOP3がそろい踏み。プレミアリーグ5連敗と完全に沈黙していたニューカッスルをアウェイで撃破し、サウサンプトンやリヴァプールと争うヨーロッパリーグ出場権獲得に向けて弾みをつける快勝となりました。

ASローマ時代にシーズン15ゴールを挙げながら、トッテナムに来てからはプレミアリーグ2シーズンでわずか1ゴールと完全に別な選手になってしまったラメラと、今季9ゴールを挙げたシャドリの大きな違いは、ゴールに対するどん欲さではないでしょうか。ニューカッスル戦の30分に決めた先制ミドルは、縦にコースが空いたとみるや、すかさず左足を振り抜いたシャドリの抜け目のなさが生んだ一撃でした。GKクルルが取れなかったのは、伸ばした右手の手前でバウンドするキーパー泣かせのボールだったからでしょう。計算して打ったのならひたすら拍手、そこまでは狙ってなかったのなら「シュートは目をつぶってでも打ってみるものだ」と深くうなずかされる見事な弾道です。アーセナルのアレクシス・サンチェスやチェルシーのアザールにも感じますが、多少厳しいシチュエーションからでも「打てば何かが起こる」と躊躇せずに狙う選手には、ときどき思わぬ幸運が舞い降りてくるものです。

後半開始早々にコルバックのゴールで追いつかれ、いやなムードになりかかっていたところを7分で断ち切ったエリクセンの決勝FKもまた、GKにとっていやらしいコースでした。左サイドからゴールに向かってカーブがかかり、殺到したトッテナムの選手たちの頭をかすめて急激に落ちてきたボールに、クルルは触るのが精一杯。ファーサイドのサイドネットに吸い込まれた瞬間、クラブの不甲斐なさに応援ボイコット騒動があった空席だらけのセント・ジェームズ・パークのゴール裏が完全にフリーズします。

そしてとどめはハリー・ケイン。72分の至近距離からの一撃はクルルのビッグセーブに阻まれたものの、91分に3対1の態勢となったカウンターからのひとり旅を確実にものにして、今季プレミアリーグ20ゴールめ。止まらないハリー・ケインは、カップ戦も入れればシーズン30ゴールとなり、23年前のレジェンド、ガリー・リネカーに並ぶという快挙を成し遂げました。1-3、文句なしの快勝。来週のサウサンプトンとの直接対決に向けて、チームの士気は上がっているのではないでしょうか。

若手が期待以上のスピードで伸びているトッテナムは、アデバヨル、ソルダード、パウリーニョ、ホルトビーらを夏にうまく売りさばき、中盤の再構築に成功すれば、2015-16シーズンはELでの活躍とCL出場権争いにおける一角崩しが期待できるのではないでしょうか。来季のためにも、ここはぜひともサウサンプトンを蹴落として6位を確保したいところですね。5月末のウェンブリー、FAカップ決勝で積年のライバル・アーセナルがアストン・ヴィラに勝つのを応援するなどという微妙な状況にならなくてもいいように。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【New Castle×Tottenham】シャドリ、ハリー・ケイン、エリクセン…役者が揃ったスパーズ快勝!” への2件のフィードバック

  1. スパーズ推し より:

    ぜひ自力でのEL確保をお願いしたいところです

    僕もシャドリには期待しています
    出場機会こそ少ないものの、イェドリンも化ける可能性があると思います
    一方、ラメラソルダドアデバヨル、パウとスタンブリ辺りは
    来季、少しでも高く売れるうちに売ってしまった方がいいと僕も思います
    メンツと1年目ということ、若手の成長を考慮すれば
    やはり、今年の出来は及第点でしょうね

  2. makoto より:

    スパーズ推しさん>
    イェドリンは楽しみですね!SBの充実ぶりはうらやましいです。右が本職ではないマンチェスター・ユナイテッドサポーターですので、特に。

コメントを残す