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【Crystal Palace×MAN.CITY】絶好調クリスタル・パレスが負傷者続出のマン・シティに敗れた理由

本拠地セルハースト・パーク。ダヴィド・シルヴァの不在に加えて、プレミアリーグ4試合で既に新チームにフィットしていたスターリングも、試合前の練習で負傷し欠場が決定。25分には、スコット・ダンのタックルを受けて右ひざを痛めたアグエロまでリタイア。3勝1敗と好調なスタートを切り、プレミアリーグ2位につけていたクリスタル・パレスにとっては、チェルシーに続いてマンチェスター・シティまで倒す千載一遇のチャンスでした。昨季プレミアリーグでスランプに陥っていた頃のマンチェスター・シティなら守備陣が耐えられずに敗れ、一昨年に優勝を飾ったときのチームでも、アグエロやシルヴァ不在でとたんにアグレッシブさが失われ、アウェイでの弱さを露呈して勝ち点を落としていたかもしれません。

しかし、今季プレミアリーグで4連勝スタートを決め、すべてをクリーンシートで勝ち切っているマンチェスター・シティは、クリスタル・パレスにゴールを許さず0-1で勝利をおさめました。この試合は2位が勝ってもおかしくないゲームだったと思う一方で、チェルシーに勝ったチームがマン・シティに勝てなかったのには確かな理由があるとも感じました。チェルシーを怖れずにアウェイで番狂わせを演じたチームは、現在最強の相手を怖れ、呑まれ、チャンスに力んでしまいました。7分、今季になって覚醒した感のあるマンガラの裏に抜け出すというチャンスを得たボラシェは、マンガラの追走を察知すると外に逃げるドリブルをしてしまいました。直後にシュートを打った彼は、ゴールを直接狙いたかったのなら中に入って勝負すべきで、それをしないならシュートではなくパスを選ぶべきシーンだったと思います。

前半終了間際にザハの長いクロスをボレーで狙ったサコは、チェルシー戦でイヴァノヴィッチを振り回したときの余裕がなく力みが目立ちました。70分のパンチュンのヘッド、89分にゴール前にフリーで飛び出したドワイト・ゲイルも、プレイに遊びがあればジョー・ハートを困らせることができたかもしれません。マンチェスター・シティの守備はこれまでに比べれば不安定で、先にゴールを奪われる可能性もありましたが、結局は枠内シュートを2本しか許さなかったのは、心理的にも状況的にも彼らがゲームを支配し、ホームチームから冷静さを奪っていたからでしょう。

アグエロの負傷は、結果的に代わって入ったデブライネの素晴らしいプレミアリーグ復帰戦を呼びました。エースが軽傷で済めば、プラスマイナスでいえば大きくプラスだったといえるのではないでしょうか。50分にヘスス・ナバスがGKまでかわしながらシュートを外したシーンと、試合終了直前に見せた2本の完璧なスルーパスは、スターリングに続いてベルギー代表MFも早々にチームにフィットすることを予感させるものでした。出場機会が少なかったナスリのシュートのこぼれ球を、18歳の注目株イヘアナチョがプッシュした決勝点も、特定の選手ばかりが決めるよりもチームを盛り上げる要素となるでしょう。ペジェグリーニ監督のチームは、すべてがうまくまわっています。今の状態なら、多少主力を欠いても、チェルシーよりも出遅れスタートとなったセリエA1分け2敗のユヴェントス相手にチャンピオンズリーグ緒戦で勝ち点3をゲットできるでしょう。

昨季は、プレミアリーグ優勝を果たしたチェルシーこそが「相手から冷静さを奪うチーム」でした。モウリーニョ監督と相まみえるほとんどのチームが先制点を奪えませんでした。4月12日の第32節、QPR戦のチェルシーは最終盤までチャンスを創れず、枠内シュートゼロだったにも関わらず、最後にセスクが決めて1-0。その後当たったマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールも勝ち点3を奪うことができずに危なげない優勝を許しました。今季のモウリーニョ監督は、同じ立ち位置をペジェグリーニ監督に譲ってしまったように見えますが、あの強いチェルシーは帰ってくるのでしょうか。現在の不振はメンタルによるところが大きそうなので、アーセナル、ニューカッスルに勝てれば、堅守とゲーム運びのうまさを取り戻すと思われるのですが…。

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“【Crystal Palace×MAN.CITY】絶好調クリスタル・パレスが負傷者続出のマン・シティに敗れた理由” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    なんとか勝てました
    イヘアナチョのゴールは本人にとっても価値あるゴールだったでしょう
    怪我人が多いのが不安ですがCLも勝ってほしいですね

    —–
    イヘアナチョはごっつぁんゴールでしたが、プレミア初ゴールはうれしいですね。
    ナバスだったらあの場面でも外していたかも(笑)

    しかしアグエロ不在の今、ボニーが男を見せなければいけないのですが、彼は少し謙虚過ぎる気がします。
    ストライカーなのですからもうすこしエゴ出して強引に行ってもいいと思いますが・・・それだけの実力もフィジカルもあるのですし。

  2. シティズン より:

    ナバスの守備は間違いなく効いてるんだけども こうも得点できないとなるとナスリやデブライネにポジションを奪われそうな気がしてしまいます
    ナバスはナスリやデブライネと違って右WG以外攻撃ポジションが無いので シュート精度を上げて欲しいですね
    でないとユナイテッドのバレンシア同様SBまでポジションを下げる羽目になりそうです

  3. makoto より:

    シティさぽさん>
    イヘアナチョを楽しみにしていたので盛り上がりました。CL、いけるんじゃないでしょうか。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ボニーは私も気になっていました。時折身体能力を活かした凄いシュートを打つのをみると、もっと強引に狙ってもいいのにと思います。

    シティズンさん>
    決まりませんねぇ。昨日は2回ほど「GK見て打とうよ!」と叫んでしまいました。

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