【Watford×MAN.UTD】執念を見せたマン・ユナイテッド、値千金のオウンゴールで2位ゲット!
11分、最前線に入ったデパイが気持ちいいボレーを決めてくれました。この先制点は、最終ラインと駆け引きしながら落下点に飛び込んだデパイの瞬発力もさることながら、アシュリー・ヤングが戻したボールをダイレクトで蹴ったエレーラの正確なクロスが勝因でした。リードを得たものの、勢いがつかないのが今のマンチェスター・ユナイテッドです。シュナイデルランは守備の面倒を見るために後ろに引きこもり、中盤を仕切ってほしいシュヴァインシュタイガーにはミスパスが目立ちます。
20分、アシュリー・ヤングがカプェにボールを奪われ、あっという間に2対1のピンチ。これは1点モノでしたが、イガロにボールが渡ったところをシュヴァインシュタイガーがよく戻って対応し、シュートミスで終わらせることができました。25分、エレーラが負傷退場となると、ファン・ハール監督はロホを投入して3バックにスイッチ。攻撃の枚数が薄くなりがちなアウェイチームは、アシュリー・ヤングとブリントが後ろに吸い込まれて5枚にならないよう、前からのチェックを強めたいところです。
27分、マタのFKからロホが中央にクロスを入れると、シュナイデルランのボレーはわずかに上。31分のCKは、いつもニアに入るバスティがヘッドで流すも、ファーサイドのシュナイデルランが触れません。シュートが枠内にいかないワトフォードは、35分にクロスのこぼれ球を狙ったカプェの右足も大きく上に外れてしまいます。アウェイチームは反撃に転じ、39分のデパイのロングシュートは、GKゴメスが右に弾いてCK。ここまでのプレミアリーグでいちばんボールポゼッション率が高いマンチェスター・ユナイテッドは、この前半も60%を記録しながら、決して優勢とはいえません。追加点がほしければ、サイドの選手を有効に使い、シュヴァインシュタイガーが攻撃に関与する機会を増やさなければなりません。
後半開始早々、カプェのミスパスをさらったデパイが右に持ち込み、左に流れたフリーのリンガードへラストパス。先週、プレミアリーグ初ゴールを決めたリンガードのシュートは正直すぎて、ゴメスにセーブされてしまいます。セカンドハーフは、ホームのワトフォードのほうがより多くの決定機を創っていました。55分、左から攻め上がったナタン・アケのセンスあふれるグラウンダーをイガロが軽く落としてディーニーがシュート。強烈な一撃に、デ・ヘアはパンチで弾くのが精一杯です。3分後のCKで、ノーマークだったイガロが倒れながら放ったボレーは、シュナイデルランがブロック。速攻が頼みのマン・ユナイテッドは、リンガード、マタとつないだ67分の攻撃も、デパイの左足のフィニッシュがポストの脇に外れてゴールならず。71分にはまたもワトフォードがチャンスをつかみますが、デ・ヘアが信じられないビッグセーブでこれを防ぎます。
アブディが右足を振り抜いた強烈なシュートは、スモーリングがヘッドに当ててコースが変わり、ゴール左隅へ。並みのGKなら一歩も動けずゴールを許していたシーンを、デ・ヘアはディフレクションがなかったかのように右に飛んで外に弾き出します。私は、このプレイを見た瞬間、あまりに興奮してしまい「絶対勝てる!」という根拠のない確信に満たされました。しかし86分、突如舞台は暗転します。ロホがイガロを抱えて後ろから足を出して倒してしまい、レフェリーの笛。微妙なジャッジでしたが、左足が触れた瞬間ストライカーが転倒したのはまぎれもない事実です。
ディーニーの迷いのないキックをデ・ヘアは止められず、1-1。プレミアリーグで4試合連続クリーンシートだったマン・ユナイテッドは、久しぶりの失点です。その2分前、ブリントが出したロングフィードで最終ラインの裏に抜け出したリンガードがループシュートをしくじらなければ、勝負がもつれることはなかったでしょう。残り時間はありません。これまでのペースが変わらなければ、両者勝ち点1でゲームセットです。
しかしここから、マンチェスター・ユナイテッドは勝利への強いこだわりを見せてくれました。ファーガソン時代には当たり前だった、最終盤の怒涛の猛攻を目の当たりにするのは久しぶりです。90分のCKにスモーリングが右足アウトで合わせますが、ゴメスがセーブ。必死の攻撃が実ったのはその1分後でした。左からの崩しから、ペナルティエリアの角にいたリンガードが左足でシュート。ゴメスが手に当てて右に流れたボールを追いかけたのはシュヴァインシュタイガー。中に折り返した強いボールは、スライディングで止めようとしたディーニーが体もろともゴールのなかに押し込んでしまいました。
1-2、シュヴァインシュタイガーに折り重なって歓喜に湧く選手たち。マンチェスター・ユナイテッドは最後の最後で勝ち点3をもぎ取り、開幕5連勝と最高のスタートを切ったマンチェスター・シティと10月頭に完敗したアーセナルをかわし、プレミアリーグ2位にジャンプアップしました。内容的にはほめられたゲームではありませんでしたが、思うように結果が残せず苦しんでいたデパイと、ミスパスやボールロストが多くいいプレイと悪いプレイがはっきりしていたバスティがゴールに絡んだのはよかったと思います。こういう勝ち点3が大きいことは、ファーガソンさんが20数年を費してわれわれに教えてくれたことのひとつです。負傷者が続出しているのが気がかりではあるものの、チームのムードはよくなっていくでしょう。
さあ、チャンピオンズリーグでPSVに勝ってグループステージ突破を決めたら、次のプレミアリーグは…、おお、レスターではないですか!この一戦が首位を争う天王山の戦いとなるとは、サッカーの神様も決めたのは土曜日のお昼ぐらいなのではないでしょうか。あちらさんは4連勝中、われわれはチャレンジャーです。プレミアリーグ得点王レースを独走中のヴァーディさんにゴールの奪い方をご教授いただかなくてもいいように、慎重に戦って、勝ち点3をゲットできればと思います。楽しみです!(バスティアン・シュヴァインシュタイガー 写真著作者/Matt Janzer)
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ベストメンバーではなかったとはいえかなり危ない試合でした。さすがのデ・ヘア!!
デパイはやっぱり前線の方がいい気がします。
対するワトフォード冷静に考えると昇格チームとは思えないですね。何気に失点数も少なかったり
プレミアリーグ大好き!さん>
いや、ホントにデ・ヘア様な試合でした。ワトフォードは「史上最高の多国籍軍」で、激しく補強したチームをキケ・フローレスさんはよくまとめていると思います。デパイが出るときは、より動きやすそうな2トップにしてもおもしろいかもしれませんね。