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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Stoke×MAN.UTD】マン・ユナイテッドは最悪の3連敗…今こそ、選手と監督に激励を!

監督解任報道に反論したキャプテンは、ピッチにいません。プレミアリーグ18節、敵地ブリタニアに赴いたマンチェスター・ユナイテッドの前線にはマルシアルがおり、その下にフェライニ。デパイとマタを両サイドに配置し、セントラルMFにはエレーラとキャリックです。プレミアリーグで連敗中、最近6試合勝利なしのチームは、立ち上がりからピリッとしません。9分にはアルナウトヴィッチのFKが左ポストをかすめ、15分にはボージャン・クルキッチの危険なシュートがDFに当たります。19分、必勝を期した試合でいちばんやってはいけないプレイが出てしまいました。DFラインの裏にふわっとしたパスが落ちると、そこにいたのはSBのブリントではなくデパイ。ヘディングでのバックパスは到底デ・ヘアに届くものではなく、さらったグレン・ジョンソンがGKを引きつけて中央へ。ボージャン・クルキッチがワントラップでイージーなシュートを流し込みます。

縦パス1発で最終ラインが混乱してしまうマンチェスター・ユナイテッドに、長い間プレミアリーグ最少失点だった頃の面影はありません。そもそも、ペナルティエリアのすぐ外でFKを獲られすぎだったのですが、25分にボージャン・クルキッチが左からのFKを壁に当てると、リバウンドに右足を振り抜いたアルナウトヴィッチの容赦ない一撃に、さすがのデ・ヘアも何もできません。マン・ユナイテッドは、試合前にキャプテンが「われわれは誇り高い人間たちだ」と表現した集団には見えず、ストークに気持ちで負けています。28分にデパイが狙ったFKはバトランドが弾き、フォローしたフェライニはオフサイド。唯一の期待といっていいマルシアルは、ピーテルスとショークロスにケアされており、ドリブルで前線を切り裂くシーンは訪れません。

35分、オフサイドすれすれで最前線に抜け出し、デ・ヘアが出てきたところを狙ったアルナウトヴィッチのシュートは、左にそれて助かりました。中盤でのミスが多く、パスワークにリズムが生まれないアウェイチームは、かろうじてマルシアルが数多くのCKをもらってくれていたものの、空中での競り合いはストークの専売特許。キックが無策で、シュートを打つことすらできずにチャンスは潰えます。前半終了間際のCKが続いていた時間帯に、フェライニがヴォルシャイトにヘッドロックをかけるという余計なことをしてしまい、いつも通りの低調な出来でハーフタイム。今日のマンチェスター・ユナイテッドなら、2-0は勝負ありでしょう。前はシュートが打てず、最終ラインは裏への飛び出しに弱く、ここ1ヵ月の課題はひとつも解決しておりません。

後半頭から、デパイに代わってキャプテン・ルーニーが登場します。プレミアリーグ通算ゴール数187と、歴代2位タイに並ぶ百戦錬磨のストライカーは、劣勢をはね返すことができるでしょうか。49分、マタがアルナウトヴィッチにボールを奪われたピンチは、ペナルティエリアでパスを受けたボージャンがつまづいて倒れ、事なきをえました。なかなかチャンスが創れなかったマン・ユナイテッドは57分、エレーラがつぶれた後の右サイドをアシュリー・ヤングが持ち込み、高速クロスを上げるもルーニーに合わず。60分のストークのカウンターは、完全に抜け出したアルナウトヴィッチがボールに乗って転倒し、3点めは奪えません。64分、右サイドをドリブルで持ち込んだルーニーの折り返しは、フリーでボレーを放ったフェライニがあまりにも雑でした。ハーフスピードかつGK正面のシュートでは、名手バトランドに触られてしまいます。

この後は、85分にマルシアルが放った真ん中からのシュートと、試合終了間際に中央のルーニーが一瞬空いたシーンだけしかチャンスがなく、結局ノーゴールでは仕方がありません。途中出場のアンドレアス・ペレイラがお膳立てした絶好のチャンスに、今季プレミアリーグで2ゴールしかないキャプテンはシュートを打てず、右に流したパスをマタが苦手な足で外してしまいました。2-0、ストークの完勝。守備、攻撃、試合運び、采配…マンチェスター・ユナイテッドはいいところなく、プレミアリーグ3連敗です。

マンチェスター・ユナイテッドのメンバーのなかで、いちばん萎縮しているのは、嵐のような解任報道にストレスを抱えているファン・ハール監督なのかもしれません。アシュリー・ヤングの攻撃力を活かすなら、ゴールに向かっていく危険なボールを上げられる左のほうが期待値が高く、アルナウトヴィッチをケアすべくフィル・ジョーンズを右、今季の堅守の基本だったスモーリングとブリントのCBコンビでよかったのではないでしょうか。フェライニは、あくまでも最終盤のジョーカー。パスワークで崩しにいくなら、マタをトップ下、エレーラを右、キャリックとシュナイデルランをセントラルMFとするのが適材適所だと思います。

腹立たしいゲームでしたが、冷静になりましょう。ファン・ハール監督としては、こんなことをいいたいのではないかと想像してみました。「大量補強したのにといわれるが、ただ新戦力を入れただけではなく、売った選手も多い。ベースが弱っていたこのチームには血の入れ替えが必要だったのだ。2年でトップに返り咲くのは難しい。それでも初年度でチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、今季もまだプレミアリーグ6位で、TOP3は充分狙える位置にいるじゃないか。調子が悪い時期はいずれ終わらせるから、長い眼で見てほしい」。…今のやり方に全面的に賛成できなくても、若手の成長などいい面もあるわけで、現場のがんばりを応援する姿勢だけは崩さずにいたいものです。

ジョゼ・モウリーニョの名前が連呼されるスタジアムは、選手と監督のストレスをいたずらに増やすだけ。やみくもにプレッシャーをかけても何も生まれないでしょう。こういう苦しいときこそ、サポーターは選手の味方でいなければならず、いつも以上に万力込めて応援すべしとあらためて思いました。次は、チェルシーに勝ちましょう。モウリーニョのチャントを歌いたくなる試合ですが、それよりもひたすら選手の名前を高らかに叫んで、勝ち点3の瞬間を迎えたいと思います。

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“【Stoke×MAN.UTD】マン・ユナイテッドは最悪の3連敗…今こそ、選手と監督に激励を!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    安心して下さい

    また、また負けてますよ!

    —–
    更新ご苦労様です。
    ユナイテッド今がまさにどん底ですね。TOP6にいたチームとは思えないような出来でした。メンバーは揃っているのに、、、。
    ファギー時代と比較してはいけないのですが、あの黄金期を認識している者としては今の状態は観ていて辛いですね。
    次節チェルシー戦どこまで建て直し臨んでくるか観たいと思います。

  2. M より:

    求められるレベルが高すぎて、そこから考えるとこの数節は確かに結果も出ていないですが、やはりもう少し『長い目で』見た方が結果的にチームの安定・成長に繋がると思います
    最終的にはCl出場ラインに乗せてくると予想していますが、『それだけでは不十分』と言われればそれまでですが…
    まぁ貰うもんは貰っていますし、選手獲得にかなりの金額を投じているのも事実なんですが、何だか最近の監督解任関連の話は総じて『安易』に感じますね…フロントも経営の観点から悠長なことを言ってられないのもあるんでしょうが…
    怠慢なプレーには批判があってしかるべしですが、誰しも必死にやってもダメな時はあると思うので、監督・選手・フロントに対してもう少しの我慢・敬意があればなぁ…と悠長なことを考えてみました

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    完敗ですね
    良かった時間帯とかもなく終始低調でした
    結果だけでなく内容も悪いです
    この連敗でなにかポジティブになれる材料はありますか

  4. ぐら より:

    監督の解任が噂される中での大事な試合で一点目のデパイはあまりにも軽率なプレーだったのではないでしょうか
    フェライニも仕事がまったくできてなかったように思います
    選手たちのモチベーションも落ちているのですかね?
    二点目のアルナウトヴィッチのコースは素晴らしかったですね
    ストークとしては次にエヴァートンを叩けば上位進出も見えてきそうなので頑張ってほしいです!

  5. グローリーグローリー より:

    ファン・ハールを解任してもあまり意味がないのでは、誰がやってもこのチームはダメなのではないか、試合内容はほぼ頭に入らずそんな事ばかり考えてました。ユナイテッドはファン・ハールがタイトルを獲得できなかった唯一のクラブチームになりそうです。これはキャリックも言ってましたがチーム全体の問題ですね。昨季をそこそこの手応えを得て終え、充実したオフシーズンの過ごし方をしたチームがどうしてこうなったのかはわかりませんが。

    いつになるかわかりませんがファン・ハールの最後は見届けたいと思います。昨季のアンフィールドでのパフォーマンスやダービーでのパフォーマンスは本当に素晴らしかったので。

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