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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×MAN.CITY】最終ラインが落ち着かないマン・シティ、負けなくてよかった!

プレミアリーグの番狂わせメーカー、ウェストハムは、開始1分も経たないうちにマンチェスター・シティから先制ゴールをもぎ取りました。左からヤヤ・トゥレを簡単に抜き去ったクヤテのグラウンダーがデルフに当たると、中でノーマークだったエネル・バレンシアが素晴らしいボレー。これだけ鋭い一撃なら、GKに当てなければど真ん中でも決まります。コンパニのいないアウェイチームの最終ラインは、オタメンディとデミチェリスがセンター、サニャとクリシーのサイドですが、相変わらずピリッとしません。

すかさず反撃に出たマン・シティは7分、ヤヤ・トゥレのロングボールを左で受けたアグエロが、コリンズをかいくぐるループシュート。GKアドリアンの頭上を越えたボールは右のサイドネットに向かいますが、惜しくもポストに阻まれ、同点はなりません。しかしその3分後、キレキレだった昨季プレミアリーグ得点王は、ジェンキンソンのファールを誘ってPKをゲットします。自らスポットに立ち、右に動いたアドリアンの逆に決めたアグエロは、今季プレミアリーグで11点め。1-1となった12分、ジェンキンソンが足を痛めてしまい、ビリッチ監督はバイラムという切りたくなかったカードを優勝候補相手にさらすことになりました。

20分、CKの流れからデミチェリスとのワンツーを決めたダヴィド・シルヴァが強烈な左足シュート。マンチェスター・シティは、ゲームのペースを完全に手のうちに入れました。直線的なウェストハムの攻撃は、エネル・バレンシアを最終ラインと勝負させる単調なボールが多く、シュートにつながるイメージが持てません。すっかりチームになじんだデルフが前線に飛び出してくると、マン・シティの攻めに厚みが生まれます。30分にクリシーが左サイドをえぐった折り返しはヘスス・ナバスが打ちきれず。33分、ウェストハムに久しぶりのチャンス。パイェの直接FKがゴール右隅を捉えますが、ジョー・ハートがビッグセーブで左に弾き出し、1-1の均衡は崩れません。

前半の残り10分は、デブライネやダヴィド・シルヴァが消え、ホームチームが巻き返す時間でした。40分にパイェが軽快なルーレットを披露し、クレスウェルとのワンツーを決めると、クロスはジョー・ハートが必死でクリア。1-1のままハーフタイムを迎えたゲームは、後半もウェストハムペースです。50分、パイェの縦パスでフリーになったノーブルの右からのクロスは、ファーのアントニオが競り勝ちヘッドで叩くも、左にアウト。55分、逆襲に転じたマン・シティは、アグエロのパスを受けたデルフが左足を振り抜きますが、ポストに阻まれボールは外に流れていきます。

やはり、勝ち越しゴールはウェストハムでした。56分、ゴール前に出したアントニオのロングスローは何でもないボールに見えましたが、エネル・バレンシアが巧みにオタメンディの裏に入り、ジョー・ハートの足元を抜きます。前半、1度はゲームを支配したアウェイチームは、中盤の組み立てにスムーズさを欠き、決定機を創れません。60分、ヘスス・ナバスの高速グラウンダーはアドリアンがキャッチ。65分にビリッチ監督がアントニオを下げ、ヴィクター・モーゼスを入れたのは、カウンターでもう1点という狙いでしょうか。67分、ペジェグリーニ監督の1枚めは、ヘスス・ナバスをスターリング。残り20分を過ぎても、ウェストハムが1点リードです。

プレミアリーグデビューのバイラムが右サイドをよく抑えており、思うようにボールをキープできないアグエロは明らかに焦れています。しかし75分、デルフに代わってイヘアナチョが入ると、前にポイントが増えた効果で縦パスが入るようになり、ホームチームが押し込まれるシーンが目立つようになります。81分、イヘアナチョがやってくれました。アグエロとのポストプレーで72番が抜け出しかけると、クレスウェルがクリアミスしたボールをアグエロがプッシュ。2-2、首位を追いかけるマン・シティには、もう1点必要です。

ところがここからの10数分は、マン・シティ守備陣がモヒカンの27番の正確なキックに手を焼く時間となりました。パイェのボールに、途中出場のイェラヴィッチが何度もチャレンジを繰り返し、マン・シティは時間を消費させられます。94分のラストプレーは、パイェの直接FK。クヤテの頭にぴったりのボールが入り、劇的な勝ち越しかとゴール裏が立ち上がった瞬間、シュートがバーを叩く音が響き、続いてタイムアップを知らせる笛が鳴りました。

何が何でも勝ちにいくなら、「相手がスターリングに慣れた後にイヘアナチョ」よりも、イヘアナチョで厚みを築いてからスターリングというスピードを注入してクロスに殺到、という順番のほうがよかったのではないかと思いつつ、最後にパイェにかき回されたのをみると、リスクが高い時間を長くしなかったのは妥当だったという見方もあるでしょう。いずれにしても、マン・シティにとっては、「負けなくてよかった」とつぶやいて終わらせるべきゲームでした。怖いですね、パイェ。今季のウェストハムは、イングランドがフェアプレーランキング上位となった恩恵ではなく、自力でプレミアリーグの上位に進出し、欧州へのチケットを奪取するかもしれません。

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“【West Ham×MAN.CITY】最終ラインが落ち着かないマン・シティ、負けなくてよかった!” への4件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    またしても上位陣に勝てませんでした
    アグエロだけはキレがあって数少ない良いところのひとつでした
    全体的に不調な選手が多いのかなと思いました
    それに加えてウェストハムはかなり集中していて
    負けても全くおかしくなかったです
    次はカップ戦ですがペジェはどこに重きを置くのか気になりますね

  2. ディコフ より:

    やはりコンパニの不在は痛いですね。オタメンディやマンガラは個々の能力は高いですがやはりコンパニがいないとまとまりがなくDFライン全体に安定感が無いように見えます。
    一つ気になったのはヤヤとデルフのコンビです。どちらともいい選手ですが中盤の守備という事を考えると

  3. ディコフ より:

    すみません。途中で送信してしまいました。
    私はフェルナンドかフェルナンジーニョと彼ら二人を組ませた方がチームとして見ると機能するのではと思いました。シティは前線の選手は揃ってるだけに、もっと高い位置でボールを奪えれば自由で質の高い攻撃ができるのではと考えています。
    もちろんヤヤとデルフのコンビは攻撃面では魅力的ですが、ハマーズのようなインテンシティの高いチーム相手には、守備面において貢献度の高い選手を置いた方が良かったのかなと思います。

  4. makoto より:

    シティさぽさん>
    ダヴィド・シルヴァ、デブライネ、スターリングにいいときの怖さがなかったですね。クレスウェル、バイラム、クヤテががんばっていた、ということもありますが。

    ディコフさん>
    ヤヤとデルフが並ぶと、デルフの魅力が出ない感じがしますね。守備面では、相性も含めればフェルナンジーニョとデルフが、いちばん安定するのではないでしょうか。

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