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【Sunderland×MAN.UTD】新戦力が機能したサンダーランドがマン・ユナイテッドに貴重な勝利!

プレミアリーグ4位のマンチェスター・シティまで勝ち点6差。明日の上位対決の結果次第では、ライバルの背中が見えてくるマンチェスター・ユナイテッドは、サンダーランドに負ければ6位のウェストハムにひっくり返される可能性があります。現在19位と、プレミアリーグ降格圏に留まっているサンダーランドは、冬の移籍市場でアラダイス監督も納得の積極的な補強に成功。最終ラインにキルヒホフとラミーヌ・コネ、前線にはエンドイェとカズリが加わっており、開幕6戦未勝利でオールド・トラフォードを訪ねてきたおとなしいチームと侮ると、痛い目をみるでしょう。ルーニー、マルシアル、マタ、リンガード、シュナイデルラン、キャリックはなじみのある顔ぶれ。前節のチェルシー戦で活躍したボースウィック=ジャクソンと右のダルミアンがどれだけ攻撃に貢献できるかが、アウェイチームのチャンスの数を左右するはずです。

3分、思わぬ形でサンダーランドが先制しました。新加入のカズリが蹴った左からのFKがゴール前の選手たちの間を抜け、逆に動いてしまったデ・ヘアはボールに触れず、ファーサイドのポストに当たってゴールイン。アウェイチームは想定外のビハインドを背負って戦うことになりますが、サイドで優位に立ってもなかなかシュートに漕ぎ付けられません。8分にトップ下のマタが出したスルーパスは、ルーニーが追うもGKマンノーニがキャッチ。逆にサンダーランドは11分にチャンス。アグレッシブな左SBファン・アーンホルトがダルミアンからボールを奪い返し、中央に送ると、デフォーが強引に2人をかわしてシュート。スモーリングのブロックで事なきをえたものの、危ないシーンでした。13分には、今日はセントラルMFに入っていたキルヒホフがハムストリングを痛め、カッターモールにポジションを譲るアクシデントがあったものの、それ以降もサンダーランドは直線的な速攻でマンチェスター・ユナイテッドを苦しめます。

19分、スローインが流れてきたところをファン・アーンホルトが思い切りのいいミドル。26分にはキャリックの不用意なプレイをカッターモールが咎め、奪ったボールを素早く展開してミドルシュート。28分にもカズリにミドルを放たれたマンチェスター・ユナイテッドは、ダルミアンのサイドを狙われ、再三シュートを打たれています。久しぶりの攻撃は31分。左サイドからマルシアル、ルーニーとつながり、キャプテンが中央に出したラストパスをマタがボレー。いい流れではあったものの、最後はマンノーネの正面です。

37分、余裕がなかったダルミアンが競り合いで肩を痛めてしまい、リタイアすると、代わりに入ったのはドナルド・ラブ。マン・ユナイテッドは、両SBともU-21の選手という緊急事態です。しかし39分、マタの素晴らしいミドルシュートから、アウェイチームは同点に追いつきます。左隅を狙った背番号8の一撃はお見事。マンノーネが手を伸ばして何とか弾くと、ルーズボールに先着したのはマルシアルでした。冷静なチップキックがGKの脇を抜き、20歳のストライカーはプレミアリーグ7ゴールめ。1-1で終わった前半は、8本対5本のシュート数も決定機もサンダーランドが上回ってはいたものの、イーブンで後半に入れれば、最後は地力の違いで勝てるだろうと思っていました。根拠は、ありません。いや、残り10分を切るまで、勝てる根拠などどこにもないことに気づいていなかったのです。

後半も、ポゼッションはマン・ユナイテッドながらも、ペースを握っているのは明らかにプレミアリーグ降格候補です。51分のCKでオシェイにきわどいヘッドを打たれ、53分にはカッターモールのスルーパスで左のファン・アーンホルトが完全にフリー。グラウンダーを倒れながら触ったデフォーのシュートは、スライディングしたブリントが体に当てて外に押し出します。61分、カウンターからエンドイェが裏に抜け出し、フリーでクロスに放ったシュートはデ・ヘアが足でクリアするビッグセーブ。前線の動きが少なく、単調なサイド攻撃では埒が明かなくなっていたファン・ハール監督は、63分にリンガードをデパイに代えますが、この策は完全に空振りでした。

左からの崩しが多かったマン・ユナイテッド。ボースウィック=ジャクソンが再三上げるクロスは、GKとDFの間のエリアを突くおもしろいボールですが、ニアに走る選手がおらずサンダーランドDF陣がすべてクリア。デパイは中に持ってシュートを打とうとするワンパターンのプレイを読まれており、彼が不在となった左サイドをイェドリンに突かれます。ルーニーとマルシアルのオフ・ザ・ボールの動きにはメリハリがなく単調で、サンダーランドは守りやすかったでしょう。

82分、サンダーランドのCK。これまでも積極的にシュートを狙っていたCBのラミーヌ・コネがスモーリングのマークを外してヘディングシュート。直接的にはマークミスですが、絶好調時のデ・ヘアならキャッチしていたシュートではないでしょうか。GKがこぼし、ゴールの中にいたマルシアルが足で触れたボールは、デ・ヘアに当たりオウンゴール。マンチェスター・ユナイテッドは、10分強の時間を無為に過ごし、そのまま2-1で敗れました。

ブリントのCKがことごとく中とずれてしまい、触ることすらできなかったチームが、セットプレー2発に沈みました。ホームチームの攻撃は効率がよく、カズリのFKやカッターモールの縦へのチャレンジングなパス、ファン・アーンホルトの突破が効いており、今日の内容なら2-1の勝利は妥当でしょう。エンドイェ、コネ、カズリという冬の補強は、大当たりの予感です。サンダーランドは、本拠地スタジアム・オブ・ライトで戦ったプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドに勝ったのは初めてです。モイーズ監督より勝率が悪いファン・ハール監督はまたも上位を窺えず、次に敗れればモイーズ時代と同じプレミアリーグ7位にまで沈む可能性があります。最終ラインに負傷者が多いのは確かですが、主力が揃った前線が1点しか獲れないのが気になります。交代カードはデパイ、ウィル・キーンではなく、エレーラ、デパイの順番か、あるいはアンドレアス・ペレイラのほうが希望があったのではないかと思いましたが…。

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“【Sunderland×MAN.UTD】新戦力が機能したサンダーランドがマン・ユナイテッドに貴重な勝利!” への4件のフィードバック

  1. a より:

    情けない……ただただ情けないです。

  2. Uボマー より:

    流石にファンハールにはもう期待しませんが、選手も覇気がないのが気掛かりですね。デパイは…ちょっと下でやらせてたほうが良いのでしょうか。

  3. グローリーグローリー より:

    よほどデパイを信頼してるんでしょうね。見捨てるよりは使い続ける監督の方が魅力的だなとは思いますが。

    まあ、この試合は采配よりも選手達ですかね。敗戦して世間から総バッシングくらわないと気持ちの入ったプレーを見せてはくれないのでしょうか。先生に怒られたから少しの間は頑張るけどまたサボりだすみたいな成熟してない選手が多く見受けられます。CLに出たいとか優勝したいとか、そういう自己実現モデル的な選手はこのクラブには相当少なくなったんでしょうね。やっぱりフットボールってスピリットのスポーツだと思うんです。他所のクラブではどうか知りませんが私の知ってるマンチェスターユナイテッドではそうなんです。戦術どうこう以前の問題です。これで責任を取るのはファン・ハールだけ?彼にはいなくなって欲しいですが少し気の毒にも思いますね。ほんとこのチームはモイーズ時代以下のチームです

  4. makoto より:

    aさん>
    工夫と執念が感じられなかったのが残念です。

    Uボマーさん>
    覇気がなかったですね。デパイは下ではよかったらしいんですけどね…。投入するにしても、エレーラなど中盤で変化をつけられる選手を入れてからデパイのほうが、より機能するのではないかと思いました。

    グローリーグローリーさん>
    昔話で恐縮ですが、ファーガソン時代なら、残り15分で1-1は「勝ちパターン」でしたよね。チェルシーと違って、大事な場面でスプリントする選手がほとんどいなかったのが、今のチーム状況を物語っていますね。

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