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【Aston Villa×Liverpool】負傷からの復帰組が爆発したリヴァプールは、6発楽勝!

スタリッジ、オリギ、コウチーニョ。負傷者が続々と復帰し、リヴァプールの最前線は、2週間前が嘘のように華やかになりました。最近5試合勝利なしのクロップ監督は、プレミアリーグ4位はさすがに厳しくなったものの、ここで勝利を収められればEL出場権には充分手が届きます。今季プレミアリーグでわずか3勝の最下位アストン・ヴィラが相手となれば、敵地ヴィラ・パークでも落とすわけにはいきません。前線にコウチーニョ、フィルミーノ、スタリッジが揃い、エムレ・ジャン、ヘンダーソン、ミルナーはベストに近い顔ぶれでしょう。アストン・ヴィラが積極的に仕掛けてきた立ち上がりをしのいだレッズは、しばらくは前線の3人がかみ合っていませんでした。

しかし15分、初めてつながったホットラインでレッズが先制します。左サイドからつっかけたアルベルト・モレノがコウチーニョに落とすと、ドライブをかけたクロスはスタリッジにぴったり。エースがフリーのヘディングを外すわけがありません。左隅に刺さったボールを見届けたスタリッジは、お約束のクネクネパフォーマンス。今季プレミアリーグで最少の20ゴールしか決めていないヴィラにとっては、厳しいビハインドです。24分、次の1点はまたもレッズでした。左からのFK。ミルナーが蹴ったゴールに向かって曲がるボールは、GKバンが触れないまま、ゴールに吸い込まれます。29分、フィルミーノが右に浮かしたボールをミルナーがヘッドで折り返すと、ヘンダーソンのダイレクトシュートはDFに当たってCK。ここまでの展開はリヴァプールのワンサイドで、アストン・ヴィラにゴールの匂いはありません。

39分、左サイドからの崩しでホームチームがようやくつかんだチャンスは、クロスを中央が活かせず、逆サイドで拾ったバクナのグラウンダーはミニョレの正面。44分、コウチーニョのスルーパスで左から抜け出したミルナーが中に入れたシーンは、スタリッジのコントロールショットをGKバンが弾いて3点めは免れます。とはいえハーフタイムで0-2は、決定的なギャップでしょう。後半に入って攻めに出たアストン・ヴィラは、47分にマイカ・リチャーズが切り返しから左足でシュートを放ちますが、これもミニョレがキャッチ。53分、アルベルト・モレノを走らせたコウチーニョのスルーパスは絶品でした。ラストパスは中が足りず、CKに逃げられましたが、アウェイチームにいつ3点めが入ってもおかしくありません。

ゲステデがいないアストン・ヴィラは、ただでさえアグボンラホルのワントップでは迫力を欠くのに、追い打ちをかけるように11番が頭を強く打ってリタイア。オプションががシンクレアでは、逆襲は難しいでしょう。58分、クロップ監督のチームらしい敵陣でのパスカットから、3点めが入ります。左から上がったフィルミーノがアウトにかけて出したパスを受けたエムレ・ジャンが、左隅を冷静に狙うとバンは触るのが精一杯。これでヴィラは完全に切れました。

スタリッジがオリギに代わった直後の63分、左サイドのボール奪取からヘンダーソンがコウチーニョにつなぐと、縦に出したパスに抜け出したのは、これがファーストタッチだったオリギ。右足で簡単に流し込んだゴールは、今季プレミアリーグ2点めです。さらにその2分後、フィルミーノがラインの裏に通したパスに、ナサニエル・クラインが反応してゴール前に持ち込みシュート。1発めとオリギが突っ込んだ2発めはGKが防ぐも、こぼれたボールをプッシュしたナサニエル・クラインの3つめは止まりません。0-5、レミ・ガルド監督にもはや打ち手はありません。

63分、クロップ監督は、本日2アシストのコウチーニョの肩を叩いてスチュワートを投入する余裕の采配。6点めは71分、CKにフリーになり、頭に当てるだけでよかったコロ・トゥレでした。クロップ監督のベンテケ投入は、バーゲンセールを指をくわえて見ているのは嫌だろうという親心でしょう。しかしここからのレッズはペースダウン。スチュワートはいい選手ですが、0-6のゲームでイエローをもらってはいけません。87分のナサニエル・クラインのグラウンダーは、ベンテケやオリギに届かず。ホームサポーターは続々と出口に向かい、ヴィラパークは空席で真っ青です。結局、0-6でタイムアップ。健闘を称え合う笑顔のクロップ監督と無表情のガルド監督のコントラストは残酷です。

リヴァプールのいちばんの収穫は、ワントップに入ったとき以外は今ひとつだったフィルミーノが、スタリッジやコウチーニョが加わったチームでゴールに絡めたことでしょう。アウグスブルクと戦うヨーロッパリーグの前に、負傷が癒えた選手たちがコンビネーションを確かめながらゴールを量産し、体力を消耗せずに勝てたのは最高の結末でした。アストン・ヴィラは残留どころか、プレミアリーグ最下位から脱出するのも難しくなりました。かつて欧州を制した名門の降格は残念ですが、冬に無理して補強に走らなかったのは賢明だったといえるよう、プレミアリーグへの即返り咲きを期待するしかありません。

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“【Aston Villa×Liverpool】負傷からの復帰組が爆発したリヴァプールは、6発楽勝!” への7件のフィードバック

  1. ヘンド より:

    お疲れ様です。
    53分のパスには驚きました!
    怪我をしないことも大切なことの一つだと思うので、怪我なく試合が終わってよかったです。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    スタリッジが無事にゲームを終えることができて一安心です。
    前節の事があったので、前半2-0で終えても安心出来ませんでしたが、まさかあそこまで得点を取るとは、、、これもヴィラの守備が酷すぎた故でしょうが、EL前に色々と試せたのは収穫です。

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    久々にすっきりした試合でした。
    今節の収穫はなんといってもスタリッジではないでしょうか。
    彼がこの調子を維持できれば、レッズの調子はさらによくなるでしょう。
    オリジも得点しましたし、コウチも2アシスト、フィルミーノ、ミルナー、ジャン、ヘンドと前線と中盤の駒がそろえば闘えることが確認できた試合でしたね。
    ここにララーナが加わればさらに楽しみです。
    欲をいえば、ベンテケの一発もあれば最高でしたが、これで前線のオプションは充実しました。
    今季のリヴァプールは攻め勝つチーム、前線の好調をどれだけ維持できるかが肝ですね。

  4. makoto より:

    ヘンドさん>
    コウチーニョ、素晴らしかったですね!新たな負傷者が出なければ、レッズは巻き返してくるのではないでしょうか。

    Mackiさん>
    こういう勝利は、選手たちが盛り上がりますよね。ELも期待してます。

    nyonsukeさん>
    スタリッジのポジショニングはさすがです。彼が元気でいてくれれば、5位までは充分射程距離ですね。そのうえは、どこかが落ちてくれないと厳しいですが。

  5. queen より:

    レッズサポの友人が「コウチーニョ、この調子続いたら、バルセロナに取られちゃう!」と言っておりましたが、それはさておき、核となる選手の健康状態もものすごく重要だと実感した試合でした(この試合に関しては、スタリッジがいなくとも勝てたとは思いますが)。
    今期の上位チームも、レスターがバーディー、スパーズがエリクセン、ガナーズがエジル、シティがアグエロをそれぞれ欠いてたら、順位表は違ったものになっていたと思われます。
    良い選手なので、スタリッジには今後大きなケガなく頑張ってほしいのですが。

  6. K より:

    久しぶりの快勝で、攻撃陣が揃ってヘンダーソン、ミルナー、エムレが上手く絡んでとサポーターとしては待ち望んだ試合でした。

    守備は相変わらず怖かったです。
    この調子を維持して、守備陣も戦線に復帰してくれればユナイテッドとリーグテーブルで争えそうですね‼︎

    イングスが戻ってきたら、ベンテケは本格的に居場所がなくなってしまいそうですね。
    オプションとしては有りですが、本人がそれで納得するのか、、、

    —–
    ビラDF酷かったですが、前線のプレイは満足出来る試合でした。
    コウチーニョのパスがあると周り、特にモレノが活きますし、フィルミーノはフリーマンとしてポジション変えながら攻撃の起点を作れるのが良いですね。オリギはフィジカルが凄くてポストプレイと裏の飛び出しといいCFですね。
    スタリッジが居ればまず70分程度で点を取れたら相手のスペース狙うオリギ投入、負けてたらベンテケで放り込み。これで4-2-3-1の1と3の左と真ん中のレギュラーが固まり、もうテイシェイラのポジションなくなり、獲得失敗して良かったかもしれません。マティプでDFのバックアッパーと将来のレギュラー候補獲得出来たので後はGKと多分給料上げるためのガセネタですが取れるなら右ウィングに報道があるルーカスモウラ。CHはチャンとブラナガンの2年後の成長に期待して様子見で来年への目処が見えてきました。今年の目標は次節のシティ戦に勝てなければ終戦ですが最後まで期待して応援したいチームです。

  7. makoto より:

    queenさん>
    コウチーニョ、さすがですね!巻き返しが楽しみです。

    しばおさん>
    勢いからすれば、あっさり抜かれてしまいそうです。何卒お手柔らかにお願いします。

    Kさん>
    マティブは楽しみですね。GKともうひとりCB、そしてウィンガーが獲れれば4位争いは確実で、今季のトッテナムのような躍進もあると思います。

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