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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×Arsenal】魔の10分…キャロルにハットトリックを許したアーセナル、激痛のドロー!

勝てば追撃続行、負ければ4位争いへ。プレミアリーグ33節、アップトン・パークに乗り込んだアーセナルにとっては、大一番という表現が大げさではない大事なゲームです。GKオスピナ、最終ラインに入ったガブリエウ、コシールニー、ベジェリン、モンレアルの4枚は万全。エルネニー、コクラン、イオビ、エジル、アレクシス・サンチェスの中盤とトップのウェルベックは、前節のワトフォード戦と同じフォーメーションです。プレミアリーグ4位と勝ち点3差のウェストハムは、パイェとマイケル・アントニオが絶好調。クレスウェルやランジーニ、ノーブルにサイドからの侵入を許せば、キャロルの高さやパイェの正確なシュートはやっかいです。開始早々、右からの長いクロスにクレスウェルが左足ボレー!的確に芯を捉えた一撃にランシーニが飛び込んでコースを変えますが、ボールはポストの左、ラインズマンはオフサイド。序盤の勢いはホームのハマーズにあります。

押されながら時折見せるアーセナルの速攻はうまくパスが通らず、14分にはハマーズに2回めの決定機。パイェのパスで左サイドに出たノーブルが右足のアウトで絶妙なクロスを上げると、キャロルのオーバーヘッドがゴール前に通り、フリーで抜けてきたランジーニがヘディングシュート!オスピナを破り、ネットに突き刺さった瞬間の歓喜は、オフサイドを示す旗に萎んでいきます。しかし18分、先制はアウェイのガナーズでした。ショートコーナーから突破できず、クリアをエルネニーが拾うと、コクラン、イオビとつながりスルーパスがラインぎりぎりにいたエジルへ。GKアドリアンしか前にいないチャンスに、プレミアリーグアシスト王は冷静に右隅に蹴り込みました。しかし0-1となっても主導権はハマーズ。マイケル・アントニオの突破は、やはり脅威です。

25分、マイケル・アントニオの超ロングスローを中央のクヤテがヘッドで狙うも、左にアウト。26分のアーセナルのFKは、コシールニーのヘッドがGKの正面です。それにしても、パイェのドリブルは懐が深い!2人がかりでも奪えないキープ力に、ガナーズ守備陣は最後まで苦しむでしょう。30分、小気味いいパスワークで中央突破を図ったアーセナルは、アレクシス・サンチェスのフィニッシュに強さがありません。どちらが次の1点を決めてもおかしくない展開でしたが、35分の2点めもアーセナルでした。コクランが前にいたイオビにパスを通すと、ワントラップしたイオビが裏に走ったアレクシス・サンチェスに浮き球のラストパス。完全にフリーになったチリ代表のストライカーが、アドリアンしかいない絶好機を外すわけがありません。GKの脇でバウンドするシュートというチョイスはセンスの塊。ガナーズが順調に2点をリードしました。

ところが、早く1本返したいハマーズに気落ちした雰囲気はありません。39分、キャロルの強烈な左足ミドルはオスピナがキャッチ。43分のクレスウェルのロングクロスも、キャロルのヘディングが弱くGKが余裕で抑えます。しかしその1分後、同じコンビで今度は文句なしのゴールを決めました。クレスウェルがファーに上げたボールをゴールの右に押し込んだのは、打点の高いキャロルのヘッド。気をよくした長身のストライカーは、前半終了間際にもうひとつ大きな仕事をします。右のノーブルからのクロスをワントラップでシュートすると、ダフった1発めはガブリエウに阻まれるも、体を寝かせた左足のジャンピングボレーはCBに当たってゴールへ一直線。まさかの2-2で終わったハーフタイム、ヴェンゲル監督はチームを落ち着かせることができるでしょうか。

後半も優勢はウェストハム。49分のランジーニの突破はベジェリンに止められ、直後にキャロルとコシールニーがもつれたこぼれ球をパイェが決めたシーンは、キャロルがファールを取られます。しかし52分、やはりマイケル・アントニオにモンレアルがちぎられ、やはりキャロルの高さにベジェリンがやられました。今季プレミアリーグで4ゴールしか決めていなかったタワーの狂い咲きで、ついに3-2。アーセナルは、プレミアリーグ優勝に望みを残すためには2点が必要です。

60分、ハーフタイムにトムキンスと交代していたエメニケがマイケル・アントニオにラストパス。飛び出したオスピナが先着するも、これも危険なシーンでした。61分にコクランに代わったラムジーは、68分のエジルのパスに右サイドで角度がなく、シュートをブロックされます。このCKのルーズボールを狙ったモンレアルの決定的な一撃は、枠の中にいたランジーニがライン上でカット。アーセナルの3点めはこの直後でした。右からのクロスを素晴らしいヒールで落としたのは、エルネニーと代わったばかりのジルー。ウェルベック、右のエジルとつながったボールをゴール右上に叩き込んだのは、コシールニーでした。

76分、クレスウェルのミドルはオスピナがセーブ。この時間帯は、両者互角のオープンな展開です。81分、左に抜け出したアレクシスは左足で打てなかったか。1分後に左サイドから中に斬り込んだパイェはシュートではなかったか。気力でぶつかり合っているようなゲームに戦術的な狙いはなく、これという決定機がないまま追加タイムに入ります。たとえレスターが敗れても、実質的な勝ち点差7では、ガナーズは3回もライバルの失敗を祈らないといけません。3分の間に2回あったエジルのFKはいずれもシュートにつながらず。アーセナルは、終了直前にエジルとウェルベックで決めたレスター戦の奇跡的な勝利をトレースすることはできませんでした。

サイドを抑えられなかった。アーセナルの「敗因」の最たるものは、これでしょう。キャロルにピンポイントで合うボールをあれだけ入れさせては、3点獲っても勝利には届きません。2-0とした後の「魔の10分」を無策で過ごしてしまったのが激痛でした。特に前半追加タイムの同点ゴールは、マイボールをゆっくりキープして時間を遣っていれば回避できたはずです。クレスウェル、キャロル、ノーブルが素晴らしかったのは間違いありませんが、やられた時間帯が悪すぎました。アーセナルは、明日のスタジアム・オブ・ライトで、プレミアリーグ首位チームがサンダーランドに敗れるのを期待するしかありません。下からは、マンチェスター勢の足音が聞こえてくるかもしれません。勝てる展開だっただけに、残念でした。

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“【West Ham×Arsenal】魔の10分…キャロルにハットトリックを許したアーセナル、激痛のドロー!” への7件のフィードバック

  1. ガナユ より:

    ビリッチ監督が高身長にこだわる理由がわかる試合でした。

    —–
    こういう積み重ねが今の順位なんですよね。本当にアーセナルらしいというか
    アーセナルのこういう所は人間臭くて本当に好きなのですが悪い言い方すれば勝ち方を知らない選手が多いし、チームとしてもそういう試合運びが出来ないんですよね。カソルラとロシツキーと勝ち方を知ってる選手がそういう時に限って怪我で離脱してる事が多いですし、アーセナルは優勝する為に必要なロジックが噛み合えば…って所でいつも最後に噛み合わないんですよね。

  2. ヤンガナ大好き より:

    本当に残念な結果でした。前半2-0で勝っている時点でも守備が於保つかず不安定でした。特に終始ガブリエルが落ち着かず、もし、優勝や勝ち方を知っているチェフがスタメンでいてくれたらなあっと思ってしまいました。

    が、よい点を探すならイオビのマルチタレント性が存分に発揮されていたと思います。また、三点目で追い付いたキャプテン コシルニーのゴール後の熱いパフォーマンスに、まだまだ終わらすわけには行かないぜという気持ちが伝わりました。次節でのホームゲームでの奮起を期待します!

  3. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    ハマーズは審判に嫌われてるのか、この試合でも誤審に泣きましたね。先制点のエジルのオフサイドは難しいとして、ランジーニのヘッドは完全にオンサイドでした。前の記事とも関連しますが、現代サッカーのスピードではオフサイドの判定をあの距離で審判が判断するのは非常に難しいのかもしれません。

  4. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    ハマーズは審判に嫌われてるのか、この試合でも誤審に泣きましたね。先制点のエジルのオフサイドは難しいとして、ランジーニのヘッドは完全にオンサイドでした。前の記事とも関連しますが、現代サッカーのスピードではオフサイドの判定をあの距離で審判が判断するのは非常に難しいのかもしれません。

  5. セオ より:

    開始数分のキャロルのイエローのシーンはかなりひどくてレッドでもおかしくないかと思いましたが。そうだったら彼はいなかったんで結果もね…。最後のサンチェスもエリア内で完全に刈られてたように見えましたがね…。遠のくスパーズ、近づくマンチェスター、それでも負けなかったことが今後につながっていくはず‼

  6. ミハル より:

    最初から危ういシーンが多く、
    2-0になって少しホッとしましたが、
    なんとなく嫌な予感もしていました。
    同点に追いつけましたが勝ちたかった。
    自滅して痛恨のドロー。
    後ろからマンチェスター勢の足音が聞こえており、
    これは恒例の4位以内も怪しいかもしれないと、
    不安が過りますね。どうか引きずりませんように。

  7. queen より:

    このやり方でやられたら嫌だなーと思ってたまさにそのやられ方をしたのが悔しくてたまりません。今回に関しては、ガブリエルではなくペアの方が良かったかもしれませんね。

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