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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Sunderland×Everton】全員で勝ち取った残留!気迫のサンダーランドが、3-0完勝!

タイン・アンド・ウェアの2チームのファンだけでなく、ノースロンドンのクラブのサポーターも、今夜の注目はリヴァプールとチェルシーではなく、こちらだったかもしれません。プレミアリーグ30節の延期試合、サンダーランドVSエヴァートン。サンダーランドが勝てばプレミアリーグ残留が決まり、最終節に降格決定のニューカッスルと当たるトッテナムがラクになるというからくりです。それにしても、素晴らしかったです。38試合トータルで順位が決まるのがリーグ戦ですが、この試合のサンダーランドの気合いは凄まじく、「ハイ、あなたたち残留!」と旗を上げてしまいたくなるほどでした。9分にギャレス・バリーの正確なクロスをヘディングで合わせたペニントンが決めていれば、別なゲームになっていたはずですが、それでもサンダーランドの勝利は揺るがなかったのではないでしょうか。

13分に、フネス・モリがGKロブレスに戻したボールに全力で突っ込んだデフォーは、スライディングしたつま先にボールを当ててスローインを獲得しました。ユネス・カブールも勝利への執念が感じられるプレイでスタジアム・オブ・ライトを沸かせており、15分にはカズリのクロスをヘディングシュート。23分には左からドリブルで攻め上がり、角度のないところから強烈なシュートで右隅を狙います。これが入っていれば、ノースロンドンダービーでハリー・ケインのシュートを絶賛した人々から同じような拍手喝采を受けたでしょう。先制は、38分のFK。ファン・アーンホルトがカーブをかけた左足のシュートは素晴らしかったのですが、打つ直前に左に動き、逆を取られたロブレスのプレイはあまりにもリスキーでした。決まった瞬間、背番号3は脇目も振らずにベンチに走り、アラダイス監督と熱い抱擁をかわします。

41分、右からのカズリのFKに、ニアのデフォーがヘディングシュート。感動的なゴールセレブレーションを見せてくれる選手のランキングを作るなら、私は迷わずデフォーを上位に指名します。残留を賭けたこの試合でも、歓喜の瞬間が訪れるのでしょうか。期待が膨らみすぎたのか、42分にロブレスの目の前から容赦ないボレーを叩き込んだのはデフォーかと思いましたが、ラミン・コネです。カズリのCKに合わせたエムヴィラのヘディングシュートはレイトン・ベインズが頭でクリアしますが、これに競り勝ったエムヴィラが前線にボールを送ると、エヴァートン守備陣が残ってしまい、コネをオフサイドにできませんでした。前半は2-0。ルカクが9試合ノーゴールで、プレミアリーグ12位に沈む今のエヴァートンに、追いつくパワーはないでしょう。

ロベルト・マルティネス監督は、存在感が薄かったロス・バークリーを下げてアーロン・レノン。レイトン・ベインズのFK、カズリのCKと、きわどい競り合いの応酬で始まった後半。54分には右からの縦パス1本でデフォーが抜け出し、ロブレンの頭上を越えたループシュートは、ゴール手前でペニントンがクリアして3点めを回避します。ところが直後にカズリが蹴ったCKが、あまりにも見事でした。直接ゴールを狙ったキックをロブレスが掻き出すも、エヴァートンの守備陣は全員棒立ち。ゴールの真ん前にいたのはまたもラミン・コネでした。ここまでプレミアリーグ13試合出場でノーゴールだった男が、大事な大事な試合で1試合2ゴールです。彼に最初に駆け寄ったのは、やはりカブール。30歳になったベテランCBの勝利に賭ける思いが、こんなシーンからも伝わってきます。

3-0、残り時間をうまくやり過ごせば、サンダーランドの残留が決まります。64分のデフォーの左足はロブレスがセーブ。直後、レイトン・ベインズのFKをルカクの外から狙ったフネス・モリのヘッドは、最近好調のマンノーネが素晴らしい反応でクリアします。73分、レイトン・ベインズのニアへのCKを、完璧なタイミングで捉えたギャレス・バリーのヘディングをがっちりキャッチしたプレイも冷静でした。89分、速攻からフネス・モリを一瞬でちぎったデフォーは、ロブレスの股間を通そうとして読まれてしまいます。もう、時間はありません。サンダーランドの勝利の瞬間が近づいています。

最後のCKで、ルカクがゴール前3メートルからフリーのボレーをバーに当ててしまい、ミララスのループシュートが左に外れるとタイムアップ。スタジアム・オブ・ライトが歓喜で爆発します。アラダイス監督は、ロベルト・マルティネス監督と握手をかわすと、満面の笑みで控え選手やスタッフと抱き合っています。同じ時間に、ワトフォードに4-2と圧勝したノリッジの奮闘は実を結びませんでした。サンダーランド、残留。ニューカッスルは降格。ミトロヴィッチ、ワイナルドゥムを夏に迎え入れ、冬にはタウンゼント、シェルヴィ、セヴェ、ドゥンビアと強力なテコ入れを施し、ベニテス監督まで連れてきたチームが残れないとは…。アストン・ヴィラに続き、名門がまたひとつ消えていきました。

アーセナル相手にドローに持ち込み、チェルシー戦は逆転。サンダーランドのラスト5戦を3勝2分は立派です。プレッシャーに強い絶対的なストライカーがいたこと、冬の市場でワビ・カズリという最高の補強を実現できたこと、チームとして一体感・徹底度が高かったことが、残留を決められた要因ではないでしょうか。サンダーランドファンのみなさん、おめでとうございます。最後の数試合を集中的に観させていただきましたが、この着地にふさわしいファイトを堪能しました。降格知らずのビッグ・サムの手帳に、2016年クリアのスタンプが押された夜でした。

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“【Sunderland×Everton】全員で勝ち取った残留!気迫のサンダーランドが、3-0完勝!” への4件のフィードバック

  1. おハム より:

    大好きなアラダイス、ビッグサム!

    ニューカッスルからの引き抜き楽しみだなぁ〜〜

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    毎シーズン落ちそうで落ちないサンダーランド。残留おめでとうございます。
    ニューカッスルはあそこまでのメンツを揃えての降格は、チームにダメージを与えそうですね。ラファが来るのが遅すぎました、、、。来シーズン残念なのは、タインウエアダービーがPLで観られないことです。

  3. yuto より:

    更新お疲れ様です。
    サンダーランド残留に欠かせなかったのはやはりジャーメイン・デフォーでしょうか。
    今シーズンは生粋のストライカーとして、スパーズ在籍以上のインパクトがあった印象です。

  4. makoto より:

    おハムさん>
    ニューカッスルから、何人抜けますかね。夏と冬に獲得した選手が軒並みいなくなるのではないかと思います。

    Mackiさん>
    あれだけのテコ入れでコケると、後が大変そうですよね…。

    yutoさん>
    デフォー&カズリでしょう。冬の補強は大当たりでした。

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