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【MAN.UTD×Stoke】どうした、モウリーニョ…GKのミスより采配のほうが気になった痛恨のドロー!

前節のプレミアリーグでレスターに4-1と快勝し、3連敗をストップしたマンチェスター・ユナイテッドと対戦するのは、ここまで6試合未勝利と絶不調のストーク。オールド・トラフォードでゾリャに大苦戦したチームが、中2日でランチタイムキックオフはさすがに心配です。バレンシア、バイリー、スモーリング、ブリントはレスター戦で並んだ現在のベストチョイス。アンカーはエレーラ、インサイドにポグバとマタ、ラシュフォード、イブラヒモヴィッチ、リンガードはELと同じ顔ぶれです。プレミアリーグが開幕して1ヵ月半。以前に「ファン・ハールのスタイルから脱却させるのは難しい」と語っていたモウリーニョ監督は、ペップの背中が見えているうちに、新しいチームの戦い方を明確にしなければなりません。プレミアリーグで目下13連勝中のストークが相手なら、4-1で勝ったレスター戦以上の快勝を期待したいところです。

2分、中央から左にまわったポグバの絶妙な縦パスを受けたイブラヒモヴィッチがいきなりGKと1対1。ニアを狙ったシュートはグラントが手に当てるビッグセーブを見せ、こぼれ球を押し込もうとした左足も再度ブロックします。中央のボニー・ウィルフリードに合わせようとするストークのサイド攻撃は、クロスの精度が低く、バイリーとスモーリングを崩せません。ボールを支配していたマンチェスター・ユナイテッドは、14分にブリントのサイドを崩されてしまいます。抜け出したジョー・アレンがゴールライン際から折り返すと、空振りしたボニーの後ろからフリーで右足を振り抜いたキャメロンの一撃は、しかしデ・ヘアの正面。直後、マンチェスター・ユナイテッドにも決定機が到来。マタからのパスをイブラヒモヴィッチがヒールで前線に出すと、ラシュフォードが横に流したボールがノーマークのポグバへ。左隅に打てばゴールでしたが、力んだ6番は右に決めようとしてポストの脇に外してしまいます。

22分、サイドに流れたポグバにDFがつられたのを見て放ったマタのループシュートは、グラントが指先でセーブ。CKでフリーになったポグバはまたも決められません。27分、左サイドをイブラヒモヴィッチが突破し、アウトにかけたラストパスをニアに入ったリンガードが叩きますが、このボレーもグラントが右に弾き出すビッグセーブ!31分に右からのクロスをファーで合わせたズラタンの左足ボレーは、ショークロスが足に当てます。前半は0-0。決定機の数では圧倒的にホームチーム優勢ですが、ボニー、シャキリ、アルナウトヴィッチの一発に要注意です。

後半開始早々、シャキリのFKを頭で合わせたマルティンス・インディはオフサイド。右からのグラウンダーをダイレクトで打ったポグバのシュートは枠の上に消えていきます。56分にシャキリ、アルナウトヴィッチとダイレクトでつながり、シュートコースが空いていたジョー・アレンにつながったシーンは、キックが弱くて助かりました。焦りが感じられるポグバが左サイドから放ったミドルはさすがに強引です。59分に中に斬り込んだマタが放ったシュートもグラントの正面。前線に連動した崩しがないマンチェスター・ユナイテッドは、一発がなければゴールを奪えないでしょう。ズラタンからリンガードにつながり、エレーラに落としたチャンスは、強烈なシュートがポストの左に抜けていきます。

67分、マタとリンガードが下がって、ルーニーとマルシアル。この交代の半分は当たりました。70分に左サイドからドリブルで上がったのはマルシアル。このスピードは、今までのピッチには存在しませんでした。中に入ったルーニーへのパスをキャメロンにカットされると、11番はこぼれてきたボールをダイレクトでシュート。得意の左45度からの一撃は、見事にゴール右上に突き刺さりました。ようやく出ました、今季プレミアリーグ初ゴール!勢いに乗ったマン・ユナイテッドは、72分に波状攻撃に入り、最後にブリントがボレーを放つもDFに当たって2点めはなりません。

さほど危険なシーンはなく、このまま勝てるかと思われたマンチェスター・ユナイテッドは、83分にデ・ヘアのミスから同点ゴールを許してしまいます。グレン・ジョンソンの左足シュートが味方に当たって難しいバウンドになり、デ・ヘアはラインの外に弾き切れませんでした。両チームの選手が交錯してボールがバーを叩いて落下すると、いち早く触ったのはジョー・アレン。1-1に追いつかれたモウリーニョ監督は、エレーラを…デパイです。86分にズラタンが右隅を狙ったシュートはグラントがセーブ。89分、ラシュフォードの速いクロスを完璧なタイミングで叩いたポグバのヘッドはクロスバーに阻まれました。どうやらズラタンとポグバは、とことん彼らの日ではないようです。時間がないのはわかっていたはずのラストプレー、バイタルエリアで得た最後のシュートチャンスで、ああ、ルーニーは左サイドにパス…。マンチェスター・ユナイテッドは、絶不調で19位に沈むチームとのゲームをドローで終わらせてしまいました。

「前半で3-0か4-0、試合を通じて6~7点は決められた。1-1は信じられない」と語っていたモウリーニョ監督のコメントについて、半分は同意します。確かに、前半で勝負をつけるべきゲームでした。しかし、1-1という結果は「この采配ならやむなし」であり、ラスト20分の過ごし方は完全に失敗だったとも思います。なぜマタを下げたのか。なぜ、フェライニではなくデパイだったのか。ルーニーに何を託したのかがわからず、まったく調子が上がらないデパイに5分で結果を出せというのは酷だったと思います。「ストーク相手に空中戦では勝てない」などということはないのは、ポグバがあれだけヘディングで圧勝していたのをみれば明らかです。フェライニを入れて出しどころを増やし、最も多彩なボールを持つマタから前線にフィードする形を徹底すれば、連携が取れていないショークロスとマルティンス・インディを振り回して2-1にすることはできたのではないでしょうか。そう、大事なのは「徹底」です。

2014年4月8日、チャンピオンズリーグ2013-14準々決勝セカンドレグ、チェルシーVSパリ・サンジェルマン。パリでのアウェイ戦を3-1で落としたチェルシーは、87分に途中出場のデンバ・バが値千金のゴールを決めて2-0。アウェイゴールルールで勝ち越しとなった瞬間、選手たちと同様に歓喜して走り回るふりをしたモウリーニョ監督は、コーナーフラッグ付近まで疾走して「それからの数分間をどう守るか、誰が誰をケアするか」を指示していました。徹底度が高かったあのときのモウリーニョさんからは、勝ちたいという熱意が伝わってきました。しかし、今はどうでしょうか。日曜日の試合は、年に何回かある「試合中の監督の采配が勝負を直接的に左右するゲーム」だったように思います。マンチェスター・ユナイテッドでのモウリーニョさんからは、何が何でも勝ちにいこうとする情熱よりも、負けたらまずいと戸惑う雰囲気がより感じられます。名将は、チェルシーで負った痛手が癒えないまま、変節してしまったのでしょうか。苦戦続きながら、最初の10戦をすべて勝ち続けてきたペップとの差は、完成度もさることながら、指揮官の勝負に賭ける気持ちの強さ、そこに起因する采配の明快さと繊細さのような気がしてなりません。

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“【MAN.UTD×Stoke】どうした、モウリーニョ…GKのミスより采配のほうが気になった痛恨のドロー!” への5件のフィードバック

  1. yuto より:

    勝ち点2を落としたもどかしい試合でした。
    前節は快勝したものの、まだシティに敗れてからの停滞ムードは止まっていない印象です。
    代表ウィークが明けてからのリヴァプール戦で流れを変えたいところですが・・

  2. おハム より:

    采配がナーバスになってきましたよね。
    世論に流されるようになったというが、あんなに尖っていたモウリーニョはどこへ

  3. MUFC7 より:

    上層部からの圧力、サポーターからの期待は凄まじいでしょうね。後半にルーニー、デパイ投下は正直謎です。二人とも決して調子が良いわけではなかったですからね。ルーニーのミスが点に絡んだラッキーボーイではありますが。モウリーニョを選んだのは彼の特殊なキャラクターと勝ち方を持っているからです。ユナイテッドの哲学のために、そして自分のこれからのために変わらなければならない事はあったのは確かですが、それ以前の良い部分まで消えてしまってはこれまでの2名と変わらないですよね。

  4. kou より:

    デパイは加入してもうこれだけ経つのに良かった場面がほぼ思いつかないので、調子ではなく単なる実力不足ではないでしょうか。
    たまに出てくるプレミアでからっきしのエール得点王の1人に過ぎない気がしてなりません。

  5. makoto より:

    yutoさん>
    連動性が足りないですね。ポグバがムキになるととたんに攻撃の流れがぎくしゃくする印象があります。

    おハムさん>
    そうなんですよね。絶対に勝つという信念の強さが感じられなかったですね。

    MUFC7さん>
    同感です。大胆さとシステムの明快さ、若手抜擢があった分、ファン・ハールさんのほうがいいとすら思えてしまう采配でした。

    kouさん>
    システマティックなファン・ハールさんのサッカーで混乱をきたし、自分のいいところを忘れてしまった感があります。スターリングやウォルコットのような復活もあるので、もう少し見てみたいとは思うのですが…。

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