【Swansea×Leicester】負け方はいつも同じ…レスターは泥沼の6戦連続ノーゴール&5連敗!
アグレッシブなスワンズ攻撃陣と、落ち着かないレスターの最終ライン。3分、左サイドからのパスをニアで受けたトム・キャロルが粘り、落としをもらってボックス手前から放ったシグルズソンのシュートは、足元にスライディングしたウェズ・モーガンの腕に当たりますが、ジョナサン・モスのホイッスルは鳴りません。レスターの最初のチャンスは9分。敵陣で奪ったボールをマフレズが左に流れたヴァーディに通すと、ボックス脇に入ってボールをもらったオルブライトンが、ゴール前のデマライ・グレイにラストパス。このこぼれ球をエンディディが右足で狙いますが、枠にコントロールすることができませんでした。
これをきっかけに、レスターはお家芸のカウンターを思い出します。21分にヴァーディが単独で持ち込む姿は、プレミアリーグを制覇した昨シーズンを彷彿とさせる絵でしたが、フォローがないままエースは無理やり打たされたかのようなシュートをDFにぶつけます。23分にドリンクウォーターがインターセプトに成功し、デマライ・グレイに預けたショートカウンターも、ボックス右でパスを受けて切り返したマフレズのシュートを、CBモーソンがブロック。1年前のマフレズなら、もう1回フェイントをかまして、シュートコースを空けてから打っていたのではないでしょうか。
ホームチームは、自陣でゆっくりまわしてイニシアティブを取り戻そうとしています。34分、左サイドのトム・キャロルの落としをオルソンが中に入れると、シグルズソンがヘッドで逸らし、ラウトリッジがボレー。ニアを襲ったボールはシュマイケルがセーブしますが、スワンズのアタックが形になってきています。36分、先制ゴールの起点はシグルズソンのFKでした。縦に上げたボールをジョレンテがヘッドで競ると、すぐ右にいたフェデリコ・フェルナンデスが頭で中央に折り返し、フリーだったモーソンが豪快なボレーをニアに突き刺しました。今度はレスターが、自分たちの攻めやすい形に持ち込まないといけません。しかし46分、次のゴールもスワンズでした。トム・キャロル、ジョレンテ、シグルズソン、オルソンと4つ続いたダイレクトパスは見事!スルーパスで完全に抜け出したオルソンの迷いなきシュートに、シュマイケルは反応できませんでした。
致命的な2-0.ラニエリ監督がハーフタイムに選手を代えるのは、年明けのプレミアリーグ6試合で3回めです。オルブライトンとフクスを下げ、チルウェルとイスラム・スリマニ投入という采配は、「ストライカーを2枚入れるべきでした」と反省しているような路線変更です。後半のスワンズは慎重に戦い、時間をうまく遣っています。相手ボールになると最終ラインの4枚は一気に戻り、カウンターをケア。62分、バイタルエリアでマフレズがフリーになり、スリマニに柔らかい縦パスを通したシーンは決定的でしたが、勇敢な守護神ファビアンスキがシュートコースを消し、左足の一撃をカットしました。9ヵ月前にプレミアリーグを制したチームは、こういうチャンスをほとんど外さなかったのですが、今のレスターにはとにかく余裕がありません。直後の右からのハイクロスもスリマニの頭上を越え、シュートシーンなきまま、残り時間は20分を切っています。
ラニエリ監督最後のカード、70分のシンプソンをアマーティは、3-4-3にスイッチするという意志表示でしょうか。スウォンジーはボックスの中を4人で固めており、レスターのサイド攻撃はクロスを通すことができません。78分にデマライ・グレイの縦パスを受けたスリマニが、すぐ横にいたヴァーディに流しますが、エースの右足は足元に入ったDFに当たって右に逸れていきます。ヴァーディのシュートとマフレズの切り返しはいつも同じリズム、同じタイミングで、観ている人は「はい、ここ!」とすべて当てられたのではないでしょうか。負け方は、いつも同じ。レスターは予想通り、スウォンジーにノーゴールで屈しました。
プレミアリーグ6試合連続ノーゴールで5連敗。選手は監督の求めるように動けなくなっており、この状況なら、多くのクラブが監督交代を選択するでしょう。しかし、ラニエリ監督は2016年のFIFA最優秀監督です。クラブの歴史に極上のおとぎ話を加えた功労者を、1年も経たずに捨てられないのもよくわかります。策はあるか…あるとすれば、原点回帰ではないでしょうか。カンテがいたポジションにエンディディを据え、他のポジションに優勝メンバーを置いて腹をくくって戦うのが、唯一の手ではないかと思います。
1月のマーケットで課題が大きかった最終ラインのテコ入れを図らず、ルイス・エルナンデスの抜けた穴にモラ・ワグを補填しただけに留めたのは、「このまま戦う」という方針だったからでしょう。ドリンクウォーター、オルブライトン、岡崎慎司、そしてヴァーディ&マフレズ。愚直なまでに同じメンバーで戦い、チームを優勝に導いたラニエリ監督の胆力をもう一度示すことこそが、選手たちによかった頃の自分たちを思い出させる原動力のように思えてなりません。
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見ました、重症です。
手の施しようがありません
トップが揺らいじゃあおしまいですな