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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Watford】デル・アリ、ダイアー、ソン・フンミン!スーパーミドル連発でスパーズ圧勝!

ワニャマとダニー・ローズが欠場、カイル・ウォーカーとハリー・ケインはベンチスタート。プレミアリーグ32節、ホワイト・ハート・レーンにワトフォードを迎えたトッテナムは、主力4人の不在をものともせず4-0で圧勝しました。GKロリス、SBにはトリッピアーとベン・デイヴィスが入り、CBはアルデルヴァイレルトとフェルトンゲン。セントラルMFにエリック・ダイアーとデンベレ、2列めにデル・アリ、ソン・フンミン、エリクセン。トップは今季プレミアリーグでPK1発しか決めていないフィンセント・ヤンセンという布陣です。左からソン・フンミンとデル・アリが仕掛け、逆サイドからはトリッピアーが遠慮なくオーバーラップしてくるスパーズは、立ち上がりからワトフォードを圧倒。ディーニーとカプェがベンチに座り、最終ラインにブリトスとプリョードルがいないアウェイチームに怖さは感じられません。

7分、左サイドからソン・フンミンが仕掛け、ニアのフィンセント・ヤンセンに速いクロスを通そうとすると、ヤンマートに当たったボールはポストの外側にヒット。とにかくゴールがほしいヤンセンは、7分にエリクセンからの縦パスを受け、背負っていたキャスカートを反転して振り切り右足でシュートを放ちます。決まったかと思われた一撃はGKゴメスがかろうじて足でブロックし、ハリー・ケインの代役に歓喜の瞬間は訪れません。

スパーズの攻撃の起点となるのは、運動量豊富なデンベレと、ロングフィードが正確なエリック・ダイアー。19分、好調トリッピアーの上がりを見たエリック・ダイアーがすかさずラインの裏に長いボールを通すと、右SBのダイレクトの折り返しは完璧でした。ところがフィンセント・ヤンセンは、この絶好のチャンスをうまく決められません。インサイドや膝で触れば間違いなく1点でしたが、9番は腿の付け根に当ててしまい、浮いたボールはバーにはね返されます。さらに1分後、今度はフェルトンゲンがトリッピアーを走らせ、グラウンダーがゴール前に転がるも、ヤンセンは追いつけず。こういうシーンで必ずニアに走り込む岡崎慎司やセルヒオ・アグエロなら、このチャンスを活かしていたのではないでしょうか。

アウェイチームを圧倒しながらも均衡を破れなかったスパーズが、シンプルな速攻から先制ゴールを決めたのは33分でした。中央をドリブルで上がったデンベレがデル・アリに預けると、ボールはさらに左のソン・フンミンへ。縦への突破を諦めた7番が後ろに戻すと、デル・アリはワントラップで右足一閃!カーブがかかったスーパーショットがゴール右隅に突き刺さり、20歳のプレーメイカーは今季プレミアリーグで何と16ゴールです。勢いに乗ったトッテナムの2点めは、39分。左サイドから入れたソン・フンミンのクロスがドゥクレに当たってこぼれると、エリック・ダイアーの超速ボレーが浮き上がりながらゴメスの指先を抜けていきました。キャスカートは、必ずニアをカットしなければいけません。目の前にいるCBの裏から出てくるボールには、GKは反応できないものです。

せめて2-0でハーフタイムに入れれば、ワトフォードにも楽しみはあったのですが、44分の3点めは致命的でした。右にいたエリクセンからパスを受けたソン・フンミンが、ドリブルで持ち込み左足で素晴らしいミドルシュート。右に飛んだゴメスのグローブは、わずかに届きませんでした。いいところなく最初の45分を終えたワトフォードは、後半開始から10分で4点差をつけられてしまいます。エリクセンがトリッピアーを縦に走らせると、クロス職人の正確なボールがファーサイドに上がり、ソン・フンミンがインサイドのボレーでGKの脇を抜きました。ハリー・ケインが不在のプレミアリーグ8試合で5ゴールを決めていた韓国代表FWは、負傷が癒えた10番がベンチで戦況を見つめていたこの日もきっちり2ゴール。60分をまわり、ポチェッティーノ監督は4試合ぶりとなるエースストライカーをピッチに送り出します。下がったのは、またも決められなかったフィンセント・ヤンセンでした。

縦パスでオカカが飛び出した67分のシーンが、ワトフォード最大の決定機でしたが、読んでいたロリスがボックスを飛び出してクリアし、アウェイチームは点差を詰められません。69分にアムラバトが下がり、プレミアリーグ10ゴールのトップスコアラー、トロイ・ディーニーが登場したときには、もう勝負はついていました。目立たなかったハリー・ケインは、71分にトリッピアーの縦パスでラインの裏に抜け、ボックス右でGKゴメスをかわすも、スライディングシュートは力がなくDFにカットされてしまいます。

ホレバスのクロスをワントラップで打ったディーニーのシュートはバーの上。エリクセンが右に展開し、トリッピアーがニアのハリー・ケインに合わせた77分のチャンスは、エースが触れずボールは逆サイドに抜けていきます。81分、ハリー・ケインがアウトサイドで出したラストパスでソン・フンミンがゴメスと向き合いますが、狙い過ぎたシュートは右に外れてハットトリックはならず。その3分後、トリッピアーが右サイドから入れた柔らかいボールに飛び込んだソン・フンミンは、ダイレクトショットをクロスバーに当ててしまいます。

エースのゴールと7番の3発めを期待してピッチを見つめるホワイト・ハート・レーンのサポーターは、余裕たっぷり。追加タイムのハリー・ケインのFKが右に外れると、間もなくタイムアップの笛が鳴ります。シソコとオノマーを試合に慣れさせることまでできたポチェッティーノ監督にとっては、大満足の勝ち点3でしょう。堅守と速さだけでなく、ロングフィードとミドルレンジからのシュートの正確さが、このチームの強さを支えているのだとあらためて思いました。MVPを選ぶなら、スーパーミドルで試合の流れを変えたデル・アリか、2発決めたソン・フンミンが一般的なチョイスですが、私のイチ推しは右サイドからのボールがとにかく秀逸だったトリッピアーです。開幕からホワイト・ハート・レーンで負けていないトッテナムは、プレミアリーグ6連勝。チェルシーの優勝が決まるのはもうしばらく先になりそうです。

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“【Tottenham×Watford】デル・アリ、ダイアー、ソン・フンミン!スーパーミドル連発でスパーズ圧勝!” への3件のフィードバック

  1. NORI より:

    更新お疲れ様です。
    昨夜は文句のつけようのない完璧な試合でした。
    今期のホワイトハートレーンでスパーズに勝てるチームはいないんではないでしょうか。

    MOMは全ゴールに絡んだソンで間違いないと思いますが、トリッピアは素晴らしかったですね。
    下手したら5アシストくらい決めててもおかしくなかったですよね(笑)
    ダイレクトであれだけの精度のキックができる選手は中々いないんではないでしょうか。
    守備に難があるのでウォーカーの壁を越えられずにいますが、押し込める相手ならトリッピアをチョイスしても良いと思わせる活躍でした。

  2. makoto より:

    リトリートした相手をこれだけ圧倒できた所にチームの大きな成長を感じます。
    攻撃のバリエーション、アイデアも多彩、失点数はリーグ最少、シュート数はリーグNo.1…
    本当に良い、強いチームになったなと感じます

    管理人様には耳の痛い話かもしれませんが、ケイン、ソン、エリクセンのゴール数の合計(46)はユナイテッドの総ゴール数(43)を上回っています笑

    —–
    NORIさん>
    ソン・フンミンの存在は大きいですね。ライバルがエース不在時に勝ち点を落としているのに対して、ハリー・ケインがいないなかで連勝を続けていたトッテナムの総合力が際立って見えます。

    ホタさん>
    ご指摘いただいてやばいと思い、3点足しておきました(笑)

  3. おはむ より:

    ゲームでしか出来ないような事を、いまポチェティーノは現実で行っています。凄いです。リアルタイムで見れるのはありがたいですね。
    加えて 若手だけで安定感をだす。考えられません、これだけの若手の選手をトップレベルでキープするのは非常に難しいです。特にチーム内のトラブルや浮いた話を聞きません、監督がどうプライベート管理をしているのか、非常に興味深いです。
    彼の管理方法は必ずサッカー以外の世界でも参考になるに違いないです。
    サッカーで1番難しいのは実力のある若手のコントロールです。素晴らしいです。

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